2020年12月27日 メッセージ要旨
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                     神の義に生きた人、ヨセフ

                                           マタイの福音書 1章18~25節
                                                                                                                                   
     
 私は福音を恥としません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシア人にも、信じるすべての人に救いをもたらす神の力です。福音には神の義が啓示されていて、信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。
                                          ローマ人への手紙 1章16~17節
 
 ダビデ王家の末裔で、先祖の信仰を継ぐヨセフは、マリヤと婚約していた。ユダヤの婚約は法律上は夫婦だが、実際の夫婦生活に入るのは許されず、一年の婚約期間を終えてから結婚生活に入る事ができた。マリヤは婚約期間中に聖霊による受胎を告知され、ヨセフに話したようだが、全く身に覚えがない彼が、彼女の妊娠を公表し離縁したなら、彼女は不義貫通の罪で石打に処せられなければならなかったので(申命記22章2324節)、ヨセフはひそかに婚約を破棄しようとして、彼女を断罪してしまう。

相対的な人の義は、絶対的な義の基準が示されない限り、自分の義を推し量る事はできない。信仰も神の賜物である。※アブラムは百歳になっても嫡子が得られず、彼のしもべが遺産を継ぐ事を由としたが、彼の信仰を継ぐ子孫の数が星数程になる事が神の義と知った彼は、主を信じ義と認められた。※マリヤとひそかに離縁しようとしたヨセフも、マリヤの胎を通して御子を遣わしこの世を救おうとなさる神の義を示されて、主を信じ義と認められた。※私たちも福音のうちに啓示された神の義を信じ義と認められた。
 こうしてヨセフは、救い主到来という救済史の大きな役割を果たそうと、神の御子の母となるマリヤと結婚し、その子の誕生まで貞操を守り、救い主をイエスと名づけて、公的にも法的にも家族の一員として認め、更にマリヤとの間には、6人のこどもを儲けて、彼らの父親としての使命も全うする。

イエスは呼称で、キリストは「救い主」という意味で、イエス・キリストは、「イエスは救い主」という信仰告白である。インマヌエルは、イエスの神聖と受肉を示す名称で、神を父とする神の子であり人間を母に持つ人の子として肉体をとって民の内に住まわれた(ヨハネの福音書1章14節・マタイの福音書28章20節)。 福音書の調和表によると、住民登録の為、救い主はベツレヘムの馬小屋で生まれ、ベツレヘムの借り家に移り住み、生後8日後に割礼を行い、博士たちの来訪を受け、生後40日目にエルサレム神殿で献児式を行い、ヘロデから逃れてエジプトに避難し、二年後にナザレに帰る。ナザレに帰ったヨセフは、マリヤと協力し合って知育・体育・徳育・霊育の、人として必要な全ての教育(ルカの福音書2章52節)を受けさせ、大工の手仕事を覚えさせ、イエスが12歳になるまで毎年家族連れで過越の祭りに行っている。これが福音のうちに神の義を見出し、義と認められたヨセフの信仰生涯である。(丸山豊牧師)