2020年10月25日 メッセージ要旨
メッセージ      Home
                                                                丸山豊牧師メッセージ
                     神の許に帰る人生の旅路

                                            へブル人への手紙 11章13~16節
                                                                                                                                   
     
 これらの人たちはみな、信仰の人として死にました。約束のものを手に入れることはありませんでしたが、はるか遠くにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり、寄留者であることを告白していました。
                                       へブル人への手紙 11章13節
 
 野鳥が季節毎に海を渡って行き来したり、サケやマスが海から川を遡上したりと、彼らの帰巣本能には驚かされますが、留鳥や、残留型、陸封型のサケもいるようです。

 このへブル人への手紙11章13節には、人にも帰巣本能が備わっていて、地上では旅人、寄留者であって、帰る場所はもっと良い天の故郷だと告げております。

 キリストも放蕩息子の譬えで、人と神は親子のような関係にあり、人が帰る場所は神の許で、神は人の帰りを待っておられると、誰にも分かるように教えて下さいました。

 ところが1895年にダーウィンが進化論を唱えて以来、「世界は進化して、やがて完成する時がくる。」という安易な考え方は、単に生物界に限らず、社会、国家、学校教育にまで採用され、神の存在を否定した世界は悲惨の一途を辿ります。

 科学は急速に発達し、思想的にも古いものが退けられ新しいものがもてはやされ、第一次世界大戦が勃発し、世界大恐慌が起こり、第二次世界大戦では、ナチスのユダヤ人大虐殺、各国は、弾道ミサイル、戦闘機、化学兵器等の開発競争にしのぎを削るようになり、遂には原爆が投下され、その一方では科学物質の使用や、森林伐採による環境破壊が進んで異常気象による自然災害が世界各地に起き、新型ウイルスの感染拡大によって、人類は進歩どころか滅亡の危機を恐れるようになりました。

 伝道者の書3章11節には、「神はまた、人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行うみわざの始まりから終わりまでを見極めることができない」とあって、神のかたちに創造され、霊的な渇きや、永遠の価値観を持つ人は、地上の快楽や追求によっては、完全には満たされず、人の永遠への思いを真に満たすことができるのは永遠の神だけです。

 私たちは、この地上での願いや所有物に執着し過ぎて、永遠への思いを失うような事があってはなりません。私たちがこの地上に適応し「残留型」「陸封型」になってしまったら、神の完全な統治においてのみ完成する完全な世界の全てを理解し、見届ける事は決してできません。

 信仰の先達は皆、神の約束を手にすることなく死にましたが、天の故郷へのビジョンは失いませんでした。私たちの国籍は天にあります。帰るべき場所は、父なる神の御許です。

 私たちに備わっている帰巣本能を十分に働かせて、この地上からいつ旅立ってもよい備えを、常にして行かなければなりません。             (丸山豊牧師)