◆地区委員会への第1回返書(1984年7月29日)
日本共産党北多摩北部地区委員会 地区委員長 大窪 宏殿
7月19日付連絡状、本7月29日、拙宅の郵便ポストに投げ込まれていました。19日付の文書がなぜ10日もおくれて手便でとどけられたのか、まことに理解にくるしみますが(日付をさかのぼって作成された文書だと考えざるをえません)
党規約第11条を理由に、地区委員会への出頭がもとめられていますが、同条項は、党員が離党の意志を表明するにあたり、口頭で事情を申告することを義務付けてはいません。また、離党する理由と事情は、すでに7月15日付離党届のなかで明白にのべてあります。したがって、出頭の必要をまったく認めません。
およそ、前近代的な秘密結社や、ヤクザまがいの組織ならいざ知らず、近代的政党にあっては、その構成員と組織との関係は、自由意志にもとづく一種の「団体契約」(「社会契約」論的な意味における)であります。その限りでは、離党にさいし「承認」を必要条件とすること自体、前近代性のあらわれというべきであります。その意味で、第11条の精神は、離党を表明した党員を拘束するという前近代的な目的からではなく、当該基礎組織と党機関が安易に離党を扱うことを戒め、「離党をおもいとどまるようよう説得する」ため設けられたものと考えるべきであります。
連絡状によれば、なおこのうえなんらかの「手続き」が必要であるかのようにのべられていますが、前述のように,党規約上からも、すでに提出した離党届で必要かつ十分であると考えます。いたずらに事態を遷延することは、党の官僚性の証明としてしか役立たないでしょう。したがって、すみやかに離党の「手続き」を終えられるようのぞみます。
◆地区委員会からの第2回連絡状(1985年1月8日)
連絡
貴同志より「すみやかに離党の『手続き』を終えられるようのぞみます」という文書を受理し6ヵ月近くなります。
この間、上級機関と協議をしてまいりましたが、やはり地区委員会においでいただきたくふたたびご連絡いたします。 貴同志も規約11条を引用しておられますが、同条の後段で「基礎組織または党の機関は、その事情を検討し会議にかけ離党を認め、一級上の指導機関に報告する」と規定しており地区委員会としてはどうしても事情を聞かなければならないことをご理解いただきぜひお出でくださるよう重ねてご連絡いたします。
日本共産党北多摩北部地区委員会 公印