ハル子のキッチン Tuesday, September 12, 2006

治部煮
金沢市の中心にある城跡に私の母校がありました。
今は、もう移転してその面影もありませんが、私が学生時代を過ごした頃、金沢城の城跡に金沢大学があったのです。
そこで過ごした6年間は私の誇りであり何物にも変えがたい思い出です。
大学の正面玄関は重要文化財金沢城石川門です。その正面は特別名勝、兼六園。私は毎日兼六園脇を通り石川門を抜けて大学に通ったものです。
周囲には、北陸一の歓楽街片町、香林坊、さらに橋場町や寺町の歴史ある地域が並びます。
その頃は気付きませんでしたが、若き日を恵まれた環境で過ごすことができたのは今思えば貴重なものでした。

さて金沢の伝統的な食べ物には、ごり、かぶら寿司、治部煮があります。
学生の分際では、高級なものを口にすることはなかなかできなかったですが、それでも治部煮は何度となく食べる機会がありました。
治部煮は、小麦粉をまぶした鴨肉を野菜や焼き豆腐に加えた煮物です。私的には、治部煮といったら鴨肉又は合鴨に、すだれ麩が入っていないと許せません。
金沢は麩が有名なのです。すだれ麩は加賀麩の代表格で煮込んでも崩れずダシを吸い込み煮物には好適です。
治部煮といっても金沢に暮らしたことのない方には、思い入れも郷愁もないでしょうが、これを食べたハル子がとても気に入ってくれたのがとてもうれしかったです。
難易度  
おいしさ 

 3段階評価だよ


レシピ
(すだれ麩など入手しにくい食材はこちらで探してください。)
アイコン 材料 5人分
 
  • だし汁
  • 醤油
  • みりん
  • 砂糖
  • 里芋
  • ホウレンソウ
  • すだれ麩
  • 椎茸
  • 焼き豆腐
  • 手まり麩
  • 鴨肉または合鴨
  • ワサビ
600ml
大さじ5
大さじ3
大さじ2
大さじ1
5個
一把
一枚
5枚
半丁
5個
300g
適量


アイコン 作り方
  1. 昆布と鰹でだし汁を作っておきます。
  2. だし汁に、砂糖、醤油、酒、みりんを加えひと煮立ちさせます。
  3. すだれ麩は水に漬けてもどしておきます。
  4. ホウレンソウはさっと塩茹でし冷水にとり、固く絞っておきます。茎の部分は使いません。
    ホウレンソウでなくてもセリや春菊でもかまいません。
  5. 鴨肉を5mmくらいの厚さに切り、小麦粉をまぶし、2の中に入れ加熱します。まだ鴨がピンクのうちに取り出します。
  6. 里芋は六方に切って、鍋で煮ます。
    焼き豆腐、3のすだれ麩を短冊に切って加えます。里芋が柔らかくなったら椎茸を加え、5の鴨、手まり麩を入れ温まったら椀に盛ります。
  7. 4のホウレンソウを4センチくらいに切り、6の椀に盛り付けます。
    鮫皮ですったワサビをとめて完成です。


当時大学の正門でもあった石川門
ここが通学路でした。

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