〒780-8074 高知市朝倉横町12-22 伊野部哲也方 勾玉発行所

  子規・虚子と続く伝統俳句「ホトトギス」の流れを汲む高知県の俳句結社です。毎月更新してゆきます。

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◎ 雑 詠  伊野部哲也 選

 6年 8月  何気なく過ぎし牡丹へ返せる歩    竹内とし子

 6年 7月  母の日や母に秘密の小抽斗     藤崎 郁子

 6年 6月  野仏の裾にほどけてきし蕨    長田貴代

 6年 5月  蜷の背を影曳き流る朽葉屑    明神佳子

 6年 4月  まだ少し農に閑ある春浅し    片岡幸枝

 6年 3月  風呂吹のレシピは祖母のなぐり書き 小松芙美

 6年 2月  風もまた尽れゆく色ねこじやらし   竹内とし子

 6年 1月  うすき影連れて日向の冬の蝶     粟田宥生

 5年12月   秋耕の手元へ山の日の落つる      片岡幸枝

 5年11月  一山の仏の風に蟬の羽化       竹内とし子

 5年10月   処暑の風背中を押して呉れにけり  井上眞知子

 5年 9月    遠雷や器用に動く木偶の眉        駒木 基克

 5年 8月    たてあげの五歳を祝ふ鯉幟        明神 佳子

  5年 7月  五月来ぬ森羅万象耀かせ       山ア 穹子

 5年 6月  この村をついぞ離れず耕せる     鍵 山  裕

 5年 5月  歳月に朱だけ残りし涅槃絵図     長田 貴代

 


◎ 皋鶴集 同人による交代選 (題詠)

    

 6年 8月  掃き溜めを掻く一心の羽抜鶏     片岡幸枝    駒木基克 選

 6年 7月  軒ふかし老舗に掛かる麻のれん   入汪多美子  坂本喜代子 選

 6年 6月  帯解かばひとひら零れ花衣    駒木基克   橋以登選

 6年 5月  草草の色滲み出て水温む       坂本喜代子  林 廣裕

 6年 4月  狛犬の口に賽銭凍ゆるむ      駒木 基克    中村梅子 選

  6年 3月  駆け上がる犬も家族よ初詣       山ア穹子     長田貴代 選

 6年 2月  昨日より今日へ跨るおでん鍋      竹内とし子    駒木基克 選

  6年 1月    新海苔の奉書の如く積まれけり      駒木 基克   坂本喜代子 選

 5年12月   発掘の冷ゆる盛り土後の月         竹内とし子       高橋以登

 5年11月  秋茜献穀田の空高く           駒木 基克    林 廣裕

 5年10月   子らに切る母の西瓜の切れ等し    坂本喜代子   中村梅子 選

  5年 9月  汗もまた尊し予後の身の散歩       竹内とし子       長田貴代 選

  5年 8月  帆桁へと昇る水夫や雲の峰      坂本喜代子    駒木基克 選

 5年 7月  町繋ぐ河口大橋南風強し        中平 孝子    坂本喜代子 選

 5年 6月  城ひとつ包みてをりぬ朧月       駒木 基克      高橋以登

 5年 5月  鋤き返し光まぜこむ春田かな     坂本喜代子   林 廣裕