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このあたりから、アニマルの枠組みを残すか取り払うか色々悩み始めます。
書評を書く価値を見出せる作品が減ったのも原因の一つです。
19話の時点から単独コラムへ格上げとなり、「AJA航空 本日の最終便」と
改題しました。
#17 (2003-Vol.13 2003.06.27発売)
キーワードは「言い訳無用」。今回はいい仕上がりです。
全編通して破綻なく綺麗にまとめられていて、満足度高いかも。
一瞬、最初の小百合の言動がキツイと思うのですが、途中にきちんとフォローがあって
言葉の裏に明確な理由があって、保奈美がそれを理解するシーンがある。
文句無しですな。
この作品の特徴として、些細な言動から光明を見い出すとか、ちょっとしたきっかけで
話が動き出すという展開が主流のようですが、この流れにもう少し変化が付くと
また新鮮味が出ていいかも。あくまで素人考えですけど‥‥。
#18 (2003-Vol.14 2003.07.11発売)
あんまり見る所ないんで、今回は「プロフェッショナル・スチュワーです!!」だけ。
毎回毎回思うんですが、何故か個人的に身につまされる話が多いんですよ、この作品。
あっちは航空会社でこっちは製本職人な訳で、接点なんかあるはずもないのですが
読む度に「そうそう、そうなんだよなぁ」って思うシーンが沢山。
他の連載を全部読み飛ばしてもこの作品だけはしっかり見てしまいます。
今回も怖いキャプテンと「爪を切れ!」に激しく共感してしまったのでした。
僕もこの人と似た傾向を持ってるので、その気持ちは分かる気がしますが
こういう性格だと大なり小なり余計な誤解を受けますね(笑)
現場感覚のシビアな展開と、それを越えて行く爽快感は今回も健在です。
ラストの保奈美の台詞、これはちょっと長かったかも。
どこか一言削ってコンパクトにならないかとは思うのですが、この台詞全部で
ひとつの完成形になってるので、この場合はこのまま通して正解なのかも?
最近は結構話がこなれてきて、ストーリーも作画も柔軟な展開を見せてくれる事が
多くなってきました。
初期の頃「なんじゃこりゃー!」って言ってたのが懐かしい(笑)
派手さはないし新鮮味もいまひとつだけど、全体の完成度は無茶苦茶高い。
手堅く基本に忠実に、わき目もふらずに王道一直線って感じ。
しかも登場人物が全員熱い。きちんと血が通った言葉を話してる。
みんな涼しい顔してガツーンと熱血な訳で、これは個人的にツボにはまりました。
もしこの作品がなくなったら、もうアニマル買わないかも。
#19 (2003-Vol.15 2003.07.25発売)
「プロフェッショナル・スチュワーです!!」は今週から単独コラムへ格上げ。
「本日の最終便」って書くと、なんか「ジェットストリーム」みたいですな。
前回までの3本はガチンコのシリアス風味でしたが、今回は完全バカ風味。
職務そっちのけでイケメンを物色する二人のスチュワーデス。
「最強デス決定戦」っていうより「空中デスマッチ」という感じ?
茫然自失の腑抜け状態でフラフラ彷徨する小百合も笑えます。
ゴルフネタとしての考証もきちんとしていて、なかなか手が込んでます。
しかーし、到着地が釧路じゃなくて函館だったらもっと良かったかも。
道南方面は有名なゴルフコースが沢山あるんですよー。
航空会社主催のイベントもあるし。
場合によっては新千歳到着で洞爺湖でゴルフというパターンもOKですね。
今回は高いテンションのまま最後まで突進するような展開だったのでちょっと
面喰らいましたが、テンポがいいので楽に読めますし、シリアスな話との
ギャップも十分にあって、話の展開も悪くないように思いました。
作画も文句無し。ちょっとゴチャついてるのが気になるけど許せる範囲でしょう。
ここにきてストーリーの流れにも様々なバリエーションが出てきてるので
個人的にはそこを評価したいなぁ、と思ってる所です。
#20 (2003-Vol.16 2003.08.08発売)
今回はスチュワーデスになる心構えについて(‥‥だと思う)。
どんな訓練があるか、とか、どんな条件が必要か、とか。
以前出てきた「メガネ禁止」の理由がここで少しだけ触れられています。
メガネの話が二度出てくるって事は、何かコダワリでもあるのかな‥‥。
まあ、全体的には次のエピソードへ行く前の中休みって所かなぁ。
作画や全体の流れは文句無しなんですけど、内容がちょっと薄い。
今回は結構さらっと流してるな、みたいな感触があるんですよねー。
いつもついついシビアな展開を期待してしまう自分。
普段なら黙って95点あげちゃうんだけど、う〜ん‥‥今回は‥‥‥‥75点!
次回の急展開に期待!
シビアで直球な展開、ぜひぜひ希望しまっす!
#21 (2003-Vol.17 2003.08.22発売)
いつかやるんじゃないかと思ってましたが、遂に出ました。胴体着陸。
前回までがまったり風味だったので強烈に効きます。
普通、何も知らない人だと演出意図が働いて乗客が大騒ぎするシーンを
描くものですが、本作では無気味な程淡々と話が進んで行きます。
乗務員の視点から描いてるという理由もあるけど、これが却って
恐怖感を増幅するんだなー。まさに現場のリアルな怖さそのもの。
この後どうなるんでしょう一体。無茶苦茶怖いんですが。
今回は全体的な総括で見ても、シーン毎の描写で見ても、一切無駄がない。
恐ろしいエピソードが淡々と進み、最後まで緊張感を落とす事無く
一気に引っ張ります。
原作の怖さに負けず劣らず、作画が結構気合い入ってるのが良いですな。
ぶっちゃけた話、今回スッゲー面白い。お世辞抜きでも95点あげちゃう。
次回、羽田空港は歓喜の渦か、はたまた地獄絵図か。
誰か死んだりする話だったら嫌だなぁ。
そんな訳で、続きは2週間後!早く見てぇ!
#22 (2003-Vol.18 2003.09.12発売)
「プロフェッショナル・スチュワーです!!」22話。今回は胴体着陸の続編。
前回のテンションを引っ張りつつ、淡々とした展開が中盤まで続きます。
子供を無理矢理脱出させるとか、ぬいぐるみを取りに戻るシーンなど
読む人によっては引っ掛かる部分が幾つかあるでしょうが、個人的にはその部分を
大きく評価したいところ。
演出面から見ても、実際の仕事に照らし合わせても、かなり興味深い部分なので。
その道のプロとして「常にベストを目指す」という考えがあります。
抽象的に言うと、ベストを目指してベストを尽くす、そういったニュアンスです。
ぬいぐるみを取りに戻った保奈美の行動はマニュアルからは外れているし、極端な話
自殺行為とも言えるのですが、仕事を極めようとするとそういった行動をするかどうかの
判断をしなくてはならない状況に必ず遭遇する訳で、それは自分の職務に対して何処まで
極められるかの境界線とも言えます。
ベストを目指してパーフェクトを取れるかどうか、そのためにデッドラインを
越えて行ける勇気があるか。そのあたりが今回の見どころと言えるでしょう。
今回は低い位置から進入する飛行機や機内の様子など、考証が非常にしっかりしています。
一つだけ惜しかったのは、ラストの保奈美に対する小百合の言動がちょっと甘かったこと。
安堵の気持ちを持たせつつ、少しキツい台詞の方が効果的だったかも知れません。
ここは減点。100点あげたいけど98点って事にしておこうかな。
旅客機を着陸させる時にフラップと逆噴射を使うのはよく知られていますが
車輪にはABSが付いていて、車輪とエンジンとフラップの3点セットで減速をするという話を
何処かで聞いた事があります。
胴体着陸でオーバーラン気味になるのは「車輪が使えない」という理由があるのかも。
#23 (2003-Vol.20 2003.10.10発売)
「プロフェッショナル・スチュワーです!!」#23、第4部突入。
第1話以来、久しぶりの「何じゃこりゃあ!」と叫びたくなる展開。
正直言ってこういう出だしは感心しない。というより、好きじゃない。
「次回どうなる?」と思うより先に「納得できねぇ!」と思ってしまいました。
シビアでハードなのは好きなんですが、理不尽なシゴキは嫌いだし
何しろ同じ企業で敵味方に分かれる構図が一番嫌いなもので。
大雑把に見ると「悪役+取り巻きの集団 vs 保奈美+小百合」といった感じに見えます。
極めてベタな構図と言えばそれまでなんですが、このパターンは100%女性誌向けなんですよねぇ。
何か意味があってのこの展開だとは思うけど‥‥‥‥‥‥。
今回は評価保留。
次回を見てからどうするか考えます。