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iMac改造計画

 15本の電線と15ワットのハンダごて

 4月17日。液晶とiMacを接続する作業に着手する。
 
 手前でむき出しになってる電線と、右の液晶パネルを接続しなくてはならない。

 最初の起動試験で、ロジックボードとモニターの間に変換器を付けた、と書いた。
 変換器の中身がどうなっているか僕は知ってるし、自作するのも簡単だけど
 隣町のリサイクル店で税込み105円で変換器を手に入れてしまったので
 今回はそいつを使う方法を考えた。

 あれこれ手を入れると大幅に小型化できたり、ケーブルを短くしたりできるのは
 十分承知しているが、後でもう一度改造できるようにしておきたい。
 だから、ワンオフのカスタム仕様や最短ギリギリの寸法では困る。
 ケーブルを長めにしたり、変換器を脱着可能にするのには、後でイジる時の
 楽しみと汎用性を残しておく考えがあった。
 もしロジックが御臨終しても、Mac miniを突っ込んで再利用する道がある。

 iMacを分解した時に取ってあったモニターケーブルの反対側に、もう一つコネクターを
 取り付けると中継ケーブルになる。
 変換器はオスのコネクターがついているから、片方だけメスのケーブルが必要だ。
 これを作るのが結構めんどくさい。

 ケーブルの中身は全部で15本の電線に別れている。
 もちろんピンアサインは知っているが、毎回全部自分で調べて一つずつ繋ぐ。
 肝心の資料が間違っていたために大惨事を引き起こした、なんて話をいくつも知っている。
 最後の最後に一番信用できるのは自分の腕だけだ。

 今回はいつも使っている15Wのコテを使う。
 コテ先を丁寧に使わないとハンダ付けできないし、うっかりすると余熱で被覆を溶かして
 とんでもないことになってしまう。
 温度に気を使いながら恐る恐るハンダ付けをし、再度一本ずつ調べて照合する。
 まだD-Subの2列仕様だから楽なのかも知れない。3列仕様だと更に面倒になる。

 コネクターの手前は配線がむき出しになるので、ノイズを拾わないようアースを繋ぐ。
 ギリギリ直前と直後をシャーシに落としてネジで留める。
 余った配線は丸めてロックタイで縛り、固定する。
 信号線にノイズを拾わせない、外観を一切崩さない、内部の気流を邪魔しない。
 この三つの条件がクリアできればOKだ。

 電源はiMacの電源基板から+12Vを直接供給する方法を選んだ。
 いくつもある電源ラインからテスターで電圧を調べ、+12Vを探し当てる。
 そこからモニターの電源ラインへ太いケーブルで短く繋ぐ。
 安全策として中間にフェライトコアを噛ませ、電源由来のノイズを減らす。
 ドライブを増設できる余裕があるから、液晶ぐらいなら何とかなると判断した。

 完成したケーブルに変換器を噛ませ、液晶を繋いでテスト。いつも緊張する。
 起動音と共にモニターが点灯、そして起動開始。
 電源を切るとマシンがシャットダウン、次いで液晶が消灯。
 これはもう、出来過ぎだと口走ってしまうほど完璧な動作。挙動も安定している。

 ここに至るまでの道程は、それはそれはもう、長い道程であった(と思った)。

 色がちょっと変だが、後で再度調整しよう。
 元々中古だし、事務用で使っていたようなので少し色がズレてるのは仕方ない。

 調整と言えば、液晶には調整に使うボタンや電源ランプが付いていて、これを
 どう処理するか考えないといけない。
 オレンジ色になったままのiMacの電源ランプと差し換えできないものか。
 また解析しないといけないんだろうな。

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