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iMac改造計画

 掟破りの基板改造

 4月2日。作業5日目。
 「CRT駆動回路を撤去 起動OK 時計が何故かリセットされる」とある。


 発想の転換。そして人海戦術。
 別体化がダメなら一体化だ。
 基板が外せないのであればそのまま使ってしまえ。
 いらない回路を手作業で外し、可能な限り小さくまとめることにした。

 ネット上のiMac改造記事の中には、匡体をそのまま流用して
 ディスプレイだけ液晶に取り替えるという記事があった。
 前々からその記事の存在は知っていたが、まさか参考にする日が来るとは。

 記事の通りならば簡単な切削と電気工作で実現できるレベルだ。
 中古の液晶モニターをどこかで入手すれば何とかなる。
 人と同じ手法は使いたくないが、この方法なら自分のニーズに
 見合った環境が実現できる。
 しかも見た目が美しい。

 これだ、これしかない、と思った。
 幸いにもまだ匡体は捨ててないし、外装の部品も全部残してある。

 CRTがいらなくなると、当然それを駆動する回路もいらなくなる。
 iMacの消費電力のうち6割がCRTの駆動に使われていて、これに関係する
 発熱量が結構多い。
 基板上にはそれらの回路があるから、配線を辿って外そうと考えた。
 再び悪戦苦闘、回路を目で追い、ハンダごてを片手に人力で部品を外し
 そのたび何度も起動試験を繰り返した。
 コネクターからひとつひとつ電線を抜き、これまた起動試験を繰り返し
 いらない線を一本ずつ見つけて外していった。
 とにかく可能な限り回路を小さくまとめて、発熱だとか電力消費だとか
 そういう無駄を減らそうと思った。

 基板上には電源ランプに関係する回路もある。
 CRTを外すとスリープ状態を表示したままになってしまうのだが、いずれ
 これは何とかしなくてはいけない。
 とりあえず部品は全部残しておこう。

 別に改造のために買った訳ではないのだが、随分前に新しいハンダゴテを買い
 今回初めて使うことになった。
 それは20Wと130Wの切り替え式で、ヒートシンクや太い配線を外すのに重宝した。
 いつも使っている15Wのコテでは部品を取ることすらできなかっただろう。

 結局、大きなヒートシンクを持つ部品は全部CRTを駆動する部品だった。
 基板全体が低くなった所に、制御基板を取り付けて一体化し
 これで一区切りつけることにした。
 あとで何か思い付いた時に手を加えるかも知れない。

 時計がリセットされたのは僕の単純ミスで、基板にあるリセットキーを
 うっかり押してしまったのが原因だった。


 しかし問題はまだ残っていた。
 液晶モニタを取り付けるのはいいのだが、適合するモニタがあるかどうか。
 僕はこの問題で再び悩むこととなる。

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