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iMac改造計画

 事の発端

 我が家には、iMacという電算機がある。
 1998年に発表されて以来数年間、世の中に半透明ブームを巻き起こした
 あの電算機だ。
 現在、アップルの商品カテゴリーの中で「iMac」はモニター内蔵の電算機を
 意味する言葉になっているが、その先駆けとなった最初のマシンである。

 モニター内蔵のマシンには普遍的な弱点がある。
 モニターの寿命が来ると使い物にならなくなってしまうことと、画像の表示に
 制限を受けてしまうことだ。
 当然、何らかの改造をしないと弱点は克服できない。

 我が家のiMacには、韓国のLG電子が製造した15インチのブラウン管(CRT)がついている。
 その構造から「シャドウマスク式」と言われた廉価な管だ。
 買って3年ぐらいは絶好調だったのだが、そのうち画面が赤っぽくなってきたり
 フォーカスが甘くなってきたり、高解像度で変な縦縞が出たり、いくら調整しても
 どうにもならない状態になってしまった。
 これがソニーのトリニトロンだったらどうだろうか、10年でも20年でも平気で
 バリバリ現役だったに違いない。

 加えて、CRT特有の高周波音がかなりのストレスになっていた。
 メインマシンとして使っている間はさほど気にならなかったが、予備機として
 起動させたままにしておくと耳が疲れるし、何しろ電気代が掛かる。

 随分前からiMacを液晶化した人や別体化を成功させた人がいるという話は
 知っていて、自分の技術ならさほど難しいものではないことは分かっていた。
 いずれ我が家も改造に着手しようと、仕事の帰りに家電量販店や
 リサイクル店を捜し回り、必要な部品を少しずつ集めていた。
 実際の製作日数は一ヶ月程度だが、部品の調達とか下準備なんかを含めると
 半年ぐらいの時間を費やした。

 CRTの配線に手を掛けるということで、コンセントからプラグを抜いて
 大事をとって二ヶ月程電源を切っておいた。
 正直やりすぎかも知れないが、何か起こってからでは遅い。

 そして2006年3月28日、僕は匡体の分解に着手した。
 困難ではないが、後戻りのできない作業になる、と思った。

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