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Macで簡単ビデオ編集

 快適なメニュー画面の作り方

 今までの映像メディアにないDVD特有のものが、メニュー画面である。
 光学ディスクでチャプターのついたものならCDでもLDでもあったが、メニュー画面はない。
 DVDの規格ではメニューやチャプターの有無は特に規定されていないが
 やはりないよりはあった方がいいし、頻繁にDVDを焼くのであれば、シンプルできれいで
 使い回しの効くようなものがいい。

 当初、僕はメニューなし・チャプターありのDVDを作ろうとしてToastを導入した。
 リリース当初のToast 7ではiMovieのプロジェクト書類をドロップしてDVDを作れる機能があったが
 その機能を使うと画質に致命的な欠陥が出てしまうことが判明したので、結局iDVDを使うことにした。
 しかしiDVDではメニュー画面のないDVDは作れないので、メニューに使う素材を探してくることになる。
 ここで一番簡単なのは、iMovieの画面をスクリーンショットで撮って使うこと。一番早くて簡単だ。
 コツは画面ギリギリ目一杯を撮ることと、再生画質を最高に設定して撮ること。
 そして、ブレてない画像を探すことである。

 iMovieで取り込める画像の最大サイズは、横720x縦528ピクセル。
 iDVDで表示できる最大サイズは、横640x縦480ピクセル。
 左右40ピクセルずつ、上下24ピクセルずつが切られる計算だ。
 加えて、セーフゾーンの枠が横512x縦384ピクセル。
 メニューを徹底的に作り込む時、これらのトリミング幅を完全に把握する必要がある。
 グラフィックソフトなどで表示枠を作っておくと便利だろう。
 なお、Toastではトリミング幅がやや違い、画面をほぼ目一杯出力する設計だ。
 気にするほどではないが、時々上下左右に黒帯が出る場合がある。

 画像の加工ができる人は少し縮小して、640x480の枠内に納めると精細感が増して見栄えが良くなる。
 更にシンプルに作りたい人は、320x240程度に縮小して、それを640x480の真っ黒な背景に貼り付ける。
 番組のタイトルロゴなんかが一番使いやすい。
 もし続き物で数枚組のDVDを作るのであれば、更に重要なシーンだけ追加して貼り付ける。
 これを真ん中の上寄りに並べて、下側にテキストやボタンを配置すると視覚的にもバランスが良くなる。
 続き物の番組であれば一度作った素材を使い回すこともできるし、同じレイアウトで
 他の番組のメニューを作ってもいい。
 Photoshopを持っている人はレイヤーを統合せずに保存しておくと便利だ。
 絵柄のレイヤーだけを差し替えて他のメニューに使い回せるので、次からは作業が早くなる。

 なお、チャプターの数によって複数のメニュー画面とボタンが自動的に生成されるが
 それらを消してもiMovieで作ったチャプターの情報は生きているので、再生中に次のチャプターへ
 正しくスキップできる。
 最低でもメインメニューがひとつ、それとムービーを最初から再生するボタンがひとつあれば正しく再生できる。
 欲を言えば、他に各章の冒頭のボタンをひとつずつ用意すれば十分である。
 各メニューから必要なボタンだけコピーしてメインメニューにペーストして
 チャプター選択のボタンを消せば、メインメニューだけで全てが完結する。
 1画面で使えるボタンの数は10個までだが、そこまでたくさんのオブジェクトを画面に入れると
 煩雑になり、非常に操作しにくくなる。
 ボタンは必要最小限の数でまとめると良い。

 ボタンの配置にはコツがあって、垂直方向か水平方向にきっちり並べることが大事だ。
 リモコンの方向キーを見ると分かるとおり、基本的には上下左右の4方向の移動でメニューを
 操作するので、もしボタンの並びが斜めになっていると観る人の意図しない方向へ動いてしまい
 意味のないストレスの元になる。
 縦横に配置する場合は左右対称か、交点にボタンを置くようにデザインすると誤動作が起きにくくなる。
 そう考えると、ボタンはテキストで縦一列か横一列で4個ぐらいか、多くても縦2列で6個ぐらいが
 無難で分かりやすく、操作しやすい。

 DVD編集の初心者にありがちな行動として、自由度が高いからあれもこれも入れたいし
 すごく凝ったデザインのものを作ろうとする傾向が出てくるんだけど、それでは時間も手間も掛かって
 結局長続きしない。
 しかもDVDプレーヤーのリモコンの方向ボタンは固くて操作しにくいものが多いので
 操作の多いメニューはどうしても敬遠される。
 作る側と観る側の快適性を両立させたければ、メニューはシンプルで分かりやすく
 ボタンを押す回数が少ないのが一番いいということが分かるはずだ。

 もちろん、文字の大きさにも注意が必要だ。
 編集中の画面ではシャープな輪郭だが、エンコードが完了したDVDではわずかに輪郭が甘くなり
 あまり小さく細かい文字を入れると潰れて読めなくなってしまう。
 文字の大きさは最低でも16ポイント、余裕を持って18ポイント相当の大きさが必要だ。
 ポイント数が分からなければ、初期状態で用意される文字の大きさが下限だと思っていれば間違いない。
 画像が加工できる人は文字を背景に書き込み、文字のところだけ輪郭を強調すると
 少し小さい文字が使えるが、無理は禁物である。

 ボタン類はテキストの他、画像なども使えるが、iDVDで画像入りのボタンを生成する場合は
 画像の大きさに気をつけないと、時々意図しない絵柄に切り取られてしまう。
 より自由度の高いデザインが欲しければ画像加工ソフトで画像を配置し、そこに改めて
 テキストのボタンを配置する方法がある。
 画像加工ソフトを使った場合は後で素材の調整が難しくなるので、ある程度練習をしてから
 試すと失敗が少ない。
 メニューに配置する素材を背景として処理するか、機能を持つオブジェクトとして処理するか
 その使い分けは編集する人のセンス次第。いろいろ試すしかない。

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