レクチャー中・上級編


アメリカ合衆国・春分図解説

2001年3月20日8時30分/ワシントンD・C


 今年のアメリカ合衆国の動きを表すアメリカ春分図(上記、ホロスコープ)を見てみると、
海王星、冥王星、土星といったマレフィック天体の影響を強く受けていることが読みとれます。

 海王星は政府を表す10ハウスのMC近く、土星は国民を表す1ハウスアセンダント近く、
冥王星も7ハウスという影響の強い位置にあります。

●政府  
 まず、10ハウスの政府の動きを見てみると、海王星と月がハウスのはじめの方にあります。
 月は弱腰を、海王星は不明瞭という意味があるので、これははっきりしたビジョンを打ち出せな
 い消極的な政府という印象を与えます。大統領は強いリーダーシップをとるというよりは、
 周囲の意見を採り入れて物事を決定していくでしょう。
 そのために、信頼できないという印象を与えてしまいそうです。  
 この月と海王星は、国民を表す1ハウスにある木星とトラインを作っているので、政府は国民の
 支持を得るために人気取りのような政策をする可能性が大きいでしょう。
 それがいきすぎると保護政策に走る恐れが出てきます。  
 10ハウスの終わりにある天王星は、1ハウスの土星とスクエアを作っています。
 保護政策のつけが後半に回ってきそうです。

●国民の反応
 国民を表す第1ハウスにはマレフィックの土星とベネフィックの木星が入居しています。
 このため、国民は曖昧な政府の態度を厳しく見つめて不信感を持ち、批判的になる人たちと、
 保護を甘受して政府を支持する人に大きく二分されると思われます。
 土星のサインは慎重な牡牛であり、木星は浮かれやすい双子のサインです。
 木星は海王星とトライン、水星とスクエアを作っているので、情報操作によって真実を知らされ
 ない、または欺かれる可能性もあるでしょう。

●経済  
 経済を表すのは2ハウスでカスプのサインは双子、水星がルーラーになります。
 バブル的な要素が表示されています。
 国民は情報に踊らされ翻弄されて大きな損害を被る危険がるようです。
 また、ITの進歩は思ったよりも進まず、経済の足を引っ張る可能性も強いでしょう。

●外交  
 外交は7ハウスですが、冥王星、火星というマレフィックが入居していて、欧州諸国や日本との
 関係が厳しく、相手国の要求が強まるでしょう。
 一方でこれらのマレフィック天体は12ハウスにある金星とトラインを作っています。
 従って、アメリカの外交は、裏取引など水面下の交渉が功を奏して協定などを有利に妥結でき
 そうです。

●まとめ  
 春分図から読みとれる一番良い表示は、12ハウスになりそうです。
 隠された場所である12ハウスに入居している天体は、ベネフィックの金星と権利主張のジュノー
 です。  
 金星は10ハウス(大統領を表す)の月、7ハウスの火星、冥王星などとソフトアスペクトを作って
 います。これは、表舞台には現れない陰の力が強力であるというものです。
 これが政治や経済、外交を良い方へ押しやっていきそうです。
 どうやら、大統領を陰から支える強力なチームの存在がありそうです。  

 総合的に判断すると、今年のアメリカは表面的には不安定さを感じさせますが、表には出ない
 底力を発揮して安定へと向かうでしょう。


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