エタ・コス通信 Vo.3

◆古いからと言って◆

●アストロの始まりは、今はまだハッキリとした考古学的な証拠はまだ挙がっていないのですが、学説によっては1万年前位までさかのぼれるとされています。
そこから 現在まで沢山の人がアストロを使ったり開発してきたのですから、ここまで精度アッ プされているのもうなずけます。
携わった人間は相当な数に上るのでしょう。

●その間、自然の環境が変化したり、社会の体制や制度、人間の価値観などが様々に変わっているにもかかわらず、長期間、広範囲でアストロが使われてきました。
その時代、場所でそこに住む人がアストロを上手く適応させることができたということは、それだけアストロは変化に富み、柔軟性があり、普遍的であるということでしょ う。

●ですから、アストロは古くからの歴史があるからといって決して死んだ
学問ではな く、今も活き活きと生きている、細胞分裂も活発な学問といえます。
従って、他の占いによく見受けられる、絶対視されるような奥義や秘技というものはアストロにはありません。
絶対に変えてはいけないもの、疑ってはいけないこと、信じなくてはならないことはありません。

●一般の人と話していると、時々、この部分を誤解している方が見受けられます。
特 に教養もあり、様々な分野で精通しているという自負を持った人が多いようです。
例えば、天文学の知識を持った方が、「星座を使って占うなんていい加減すぎる」とよくおっしゃいます。
理由としては、「占星術は何千年も前に発生している。恒星は 移動しているので、何千年も前の星座がそのままであるはずがない。何年かに一度は修正しなくてはならないのに誰もそうしてない。」といいます。
私たちからすれば、このような発言にはただビックリするだけです。
アストロを勉強するときに最初に知る、一番基礎的な知識だからです。

●星座とサインを混同していることはさておき、例えば恒星の移動について述べま しょう。
「恒星は移動する」ということを知らないアストロロジャーは今も昔もいません。
つい最近まで、占星学者と天文学者は同一人物であったということを思い出して欲しいものです。
今の12の星座名を使うようになったのは、ずいぶん歴史が下ってからのことです。
それまでは小鳥座や日雇い人夫座等の名前が使われていたことは周知の事実です。
それより前は恒星はグループではなく単独で使われていたこともあります。
しかし、100年で1度ないし2度も移動してしまうので、精度の問題がでて単独では使わずにグループで使うようになりました。

●「何年かに一度は修正しなくては云々」ですが、これもご承知の通り、
恒星の移動 が原因ではありませんが、自然現象によるベースの変化を修正するために、毎年春分点を変えていきます。
アストロロジャーの中には春分点を変えない方たちもいますが、それは変化を承知していながら自分たちが採用している理論に則って変えないでいるだけで、決して無知からというわけではありません。

●アストロロジーをするためには、天体の位置を正確に観測しなくてはなりません。
そのために天文学が発生して、しかもアストロロジーの要求に従って精度をあげるために、どんどん様々な法則が発見されたり機械が発明されていったということを忘れては困ります。

●現在ではアストロロジーとアストロノミー(天文学)は完全に分化してしまいました。
そのために、天体の物理的な側面を専門に学問する、現在の天文学には余り詳しくないアストロロジャーも増えてきました。
だからといってアストロが古くさくて 前時代的だの、科学的で無いだのといって、重要でないという評価をするのは間違っています。