この部屋に入られた方は、小学高学年以上、成人、紙飛行機を少しやられた方ですから。
出来るだけ不必要な説明をさけて、簡潔に要点をご説明します。
教材としては、すべて自作を前提に、部品の作図から開始します。
解らない所は、読みとばしても大丈夫です、まず1機作って見る、飛ばしてみる、
そして色々な問題が出た時は、上級工作室、練習室を参考にして下さい。

練習機(ここで説明に使う機体を練習機と呼びます)は、容易に作図出来るように、
すべて直定規だけで出来る形ですから、 格好が良いとは言えませんが、飛行性能は
とても安定した物です。 これで練習してから、自分で考えた格好の良いお気に入りを
作って下さい。

用意する材料
   ケント紙  A4版以上 厚さ 0.25〜0.3  1枚
          文具店(大きな) 東急ハンズなどにあります、また模型店には紙飛行機
          専用に開発された AGケント紙があります。
          近くで入手が困難な方は、リンクページにあるAG社で通販しております。
   ヒノキ材  2mmX5mm 長さ30cm以上 1本
   パルサ板 厚さ2mm又は3mm       1枚
           どちらも日曜大工店、模型店等に有ります、ヒノキ材、パルサ材は
          どちらか1つ用意すれば結構です。 面倒な方は20cm以上の割り箸を
          代用に使っても大丈夫です。
     錘    釣用の板錘   少々
    接着剤  セメダインC  工作ボンド 両面接着テープ 等
    糸ゴム  ゴム動力用の物 60cm 程度 太目の大輪ゴムでも良い

    道具類  はさみ、 カッター(ナイフ) 洗濯バサミ 4 紙やすり など。

           説明の写真と図面が異なりますが,
        解説完了後に試作して、改良した為で図面が正しい


作図する:    
    準備が出来たら、早速製作開始です。先ず翼の部品をケント紙に製図します。
    図面三面図、 三図面(バルサ胴)、 部品図 を見ながら描いてください。
    (面倒な方は、図面を直接印刷して下さい)
    描くにしても、印刷するにしても、重要な注意が必要です。紙には作る時の方向が
    あります。 方向によって湿度で伸び縮みする割合と、強さが違います。
    伸び縮みが少なく強い方向(これをロール方向と言う)に翼の長い方向を取ります。
    この方向を判断するには、紙を2cm角ぐらい切り取って、片面を濡らして見ると良い
    濡らした紙は丸く曲がって来ます、この曲がって来る方向が、ロール方向と直交する
    方向ですから、翼の長い方向を曲がらない方向に書きます(印刷します)。
    これは、慣れてくれば指先で紙を曲げて見ても感覚で解るようになります。
    翼の端は、点線の様に直線で作図して、実線の様に丸めます。10円玉(主翼)と
    1円玉(尾翼)を使って丸め線を描くと楽です。
    胴体に使う材料がヒノキ材の場合とパルサ材の場合で、少し違う部品を使います。
    その部品は、図面に書いて有りますから、必要な方を描いて下さい。

部品を切り出す:
    部品図が出来たら、実線にそってていねいに切り出してください。
    主翼  主翼補強  主翼取付板 2  尾翼  尾翼取付板 2  垂直尾翼 
    の6種類になります。                                                                                                     

主翼を作る:
    主翼と主翼補強の中心に描いた点線に定規の端を当てて、少しV字型に折りぐせをつけます。  写真は折りぐせをつけた主翼と主翼補強の状態です。

尾翼を取り付ける:

主翼を取り付ける:

尾翼を取り付けた胴体に前から 6cmのところに
鉛筆で印をつけます。
今、付けた印の所に主翼取付板の前端を合せて
左右から貼り付けます。


乾燥したら、尾翼を取り付けた要領で主翼を接着
します。
ゲージを使って上反角を付けます。乾燥後に
再度合わせますから、およそで結構です。
充分に乾燥させて下さい。

形はこれで一応完成です。
パルサ胴の場合は、パルサ材が大変弱いので
折れる事が多いので、機首の部分にケント紙を
胴体の形に合せて切り、両側から補強の為に
貼り付けてください。

重心位置を合わせる:
   一応形は完成ですが、まだ飛ばさないで下さい、大切な仕事が残っています。
   それは重心位置を合わせる事です。 紙飛行機(グライダー)が、飛ぶか飛ばないか
   は重心位置が正しいかどうかで決まります。
   この練習機では、重心位置は主翼の後から8mm付近が適切な設計になっています。
   まず、主翼の後から 8mmのところに適当な印を付けてください。

写真の様に、はさみ等をV字に広げその上に
マークした位置に合せて機体を載せてみます。
写真は、丁度重心が合っている状態ですが、
作ったままでは、多分後が下がってしまいます。
つり用の板錘を適当な大きさにして両面テープで
機首に貼り付けてバランスを取ります。
もしも、前が下がる場合は後の端に錘をつけます
ほぼ、目的の 8mm近くでバランスが取れたら
完成です。       

翼の状態を確認する:
   重心位置と同じ様に、翼の状態は飛行に大変重要です。

キャンパーを付ける:

キャンパーを付けたら、もう一度前から見て
右と左の翼の状態が同じである事を確かめます。
もう一度、上反角も確認します。

ゲージを使ってキャンパーを付けます。
キャンパーとは、主翼を横から見たときに、
僅かに 「へ」の字の様に主翼の中心が上に
上がっている状態を言います。
これは、飛行機が浮く力を作る大切な要素です。

その様子は写真(良く解らないかも)です。
程度は前と後の端より中心が1mm程度上がる
僅かな量です。

おつかれさまでした、これで完成です。
    早速、練習室に入って下さい。練習室には紙飛行機の上手な飛ばし方が
    調整の方法と共に解説して有ります。   

写真はヒノキ胴とパルサ胴の完成品です。
切ったり、削ったりした部分は紙やすりで
仕上げして置きましょう。

工作室 中級

主翼補強はVを上にして主翼の下側に貼ります。
主翼の折線と主翼補強の折り線を正しく合わせて
重ねます。片方を洗濯バサミで3、4箇所止めます

止めてない方は開きますから、主翼補強の合わせ
面に接着剤を平均に塗ります。
平らな台の上で充分に押さえて余分な接着剤を
押し出します。
終りましたら、洗濯バサミを今貼り付けた方に
同じ様に付け替えます。

もう片方も前と同じ方法で接着します。
V字型の角度を上反角と言います、その程度は
写真を参考にして下さい。
完了したら、そのまま乾燥させます、その間に
胴体と尾翼を作ります

胴体を作る:
     胴体参考図を見てください。 ヒノキ材とパルサ材の両方の場合が描いて有ります
     用意した材料の方を参考にして下さい。 割り箸を利用する時はヒノキ材の寸法を
     参考にして下さい。
  ヒノキ胴
     2mmX5mmのヒノキ材で、長さ22cm 長さ4.5cmの2つを切ります。
     4.5cmの方は切り口を図の様にわずかに斜めにします。
     これを長いほうの一方の端に接着剤で貼り付けます、斜めの部分はゴムのフック
     になる部分ですから方向に注意します。
     接着が完了したら、図面を参考に後の方向に細くなるようにカッターで削ります。
     フックを付けた方が前になります。角があると人に当たった時など危険ですから、
     適当に角を丸めて置きます。
     
  パルサ胴
     パルサ材の胴体は、図面を参考にして、カッターで切り出します。
     パルサ材は非常に軽い柔らかな材料ですから、簡単に切り出せます。

尾翼は予め、両側の垂直尾翼部分を直角に折り、
折り曲げ部分に接着剤を塗って補強して置きます

完成した胴体に尾翼を取り付けます。
尾翼取付板を折り線で直角に折りまげ
胴体の後端に上の面が平らになるように、
左右から貼り付けます。

左右の取付板と胴体の上面に接着剤を塗り
尾翼を貼り付けます。胴体に直角になるように
注意します。
これで尾翼部分が完成です。

写真は機体を前から見た状態です。
水平尾翼と主翼が、全部一枚の板の様に見えて
左右の状態が同じである事が大切です。
垂直尾翼が垂直になっている事を確かめて、

下の写真(右がねじれている)の様になって
いたら、上の写真の様に翼を曲げて修正します

その時、部分的に強く曲げないで、優しくだまし
ながら直して下さい。