特別講習 改造教室

フルスクラッチ講座


今回は上級者向けのフルスクラッチに取り組んでみましょう。by タキmotoGPさん

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@カーズのようなストックカーレースの車体を目指していきます。STDのシャーシと図のような道具を準備します。いつもはクレオス(Mr.ホビー)のパテを使いますが、タミヤの高密度タイプを使ってみましょう。硬化時間は長いのですが、なめらかな表面が得られます。

Aあとでボディを取り付けるとき困らないように、はじめからパテのボディにネジ棒をセットすることとします。あとからネジ棒をセットしようとすると、締めこんだとき微妙にシャーシが斜めになったりするからです。薄刃ニッパー等で元のボディから切り取って使います。

Bシャーシにネジ棒をセット、しっかりネジ止めしておきます。プラ棒でもいいのですが、いちいち穴を開けたりする手間や締めこんだとき割れるリスクを考えると、元ボディのものを流用するのがよいと思います。


Cタミヤのマスキングテープでタイヤをマスキング、シャーシ全体を覆うようにラジコン用の大きなマスキングテープでふさぎます。このときネジ棒は出しておいてパテに固着するようにしておきます。

Dエポキシパテ白、緑を同量はさみで切り練り合わせます。今回は景気よく全部使いましたが、半分もあれば十分だったと思います。はさみはフッ素コートのものがベストですが、よくふき取るのであれば普通のはさみでOKです。

E練り合わせが悪いと硬化不良を起こし剥ぎ取る必要に迫られますので、しっかりと練ります。手に水をつけながら小さな塊に分けて練ると指力のない女性でも簡単です。中に気泡が出来ないように空気を抜きながら練るのは陶芸と同じ要領ですね。

F水彩絵の具用の皿に水を張って手につけながら練りますが、練り終えたものをのせるのにも使います。机にのせたままだと、べったりくっついて取れなくなります。つまようじも置いて湿らせておきます。

Gネジ棒の周囲をがっちり固めたいのでそこから盛っていきます。硬めのガムのようになったパテは変形させるのにけっこう力が入るので、シャーシを壊さないようゆっくり作業するのがコツです。

H形はあとから何とでもなるので、左右の分量バランスに気をつけて盛っていきます。あとからパテを足すときは、空洞ができないように中心から広げるようにしていきます。

Iある程度盛ったら濡らしたつまようじで形をつけていきます。理想の形にならなくてもこのときは気にしません。シャーシを外すときに裂けてしまうくらいなら団子状の方がよいと思います。

J3時間経過すると固めのチーズのようになります。精密ドライバーでネジを外し、デザインナイフでマスキングテープを切り、シャーシを壊さない程度の強引さで引きずり出します。ボディは多少変形させても元に戻る状態ですので、程度はありますが穴をぐいぐい広げても大丈夫です。取り出さないで次の日になってしまうと、まずシャーシを壊さないと取り出せなくなります。シャーシは買い換えられますが、ボディは売ってませんので割り切ってガンガン行きましょう。

K取り出せたらくっついたマスキングも取り去ってもう一度シャーシをネジ止めしてみましょう。タイヤにあたるところがたくさんあって、この時点ではまず走りません。まだパテが軟らかいこのうちにデザインナイフやカッター、彫刻刀で削っていきます。たまにシャーシをつけて確かめながら削りましょう。

Lタイヤが当たっていないのに動かない、プルバックできない、というときの原因はこれです。モーターは通常ギアが引っ込んでいますが…

Mプルバックさせるとごらんのようにギアがとび出して来るのです。ですからこの部分の空間をボディにつけてやらないといけません。その作業を見越して、マスキングの前に厚めのプラバンの板を貼って空間を確保する方法もありますね。

Nとりあえず適当に形をつけてねじ止めしてみました。ネジだけでも安定していますが、レジン化したり丈夫な構造にするにはコインホルダー部の鍵を作る必要がありますね。それは次回にとって置いて、形はどうあれ頑丈な土台ができればOKとします。

Oはい、パテを使いすぎてボックスカーのようになってしまいました。削るの大変そうだなぁ…フルスクラッチは小さく始めて少しずつ足していく「足し算」系の人と、大きく盛ったパテから少しずつ削っていく「引き算」系の人がいます。どちらにしても最終的にはプラスマイナスをくり返しながら完成にこぎつけていくのですよ。次回は大まかな形を決めにいきましょう。