月刊カノープス通信
2003年11月号

 目次

・季節の便り
・今月の勘違い
・近況報告『ドクター○ッパーを飲んでみた』
・近況報告『車が溶ける駐車場?』
・読書録
(『薫風のフィレンツェ』『ハリーポッターと賢者の石』『魔法使いに大切なこと』他)
*
『今月の詩』の連載は終了しました。
今までの詩(26編)は『季節の詩集』としてまとめてあります。




 季節の便り『なんちゃってマツタケご飯』

 料理好きな夫が、知り合いから面白い料理を教えてもらって、作ってみてくれました。
 名づけて、『なんちゃってマツタケご飯』。
 エリンギと、○谷園の『マツタケの味お吸い物』で作る炊き込みご飯です。
 えっ……と思ったけど、けっこう美味しかったですよ。
 マツタケご飯というもの自体、長年食べていないので(というか、そもそもそんなもの食べたことあったっけ……?)、本当にマツタケご飯の味なのかどうかは分からないけど(^_^;)

 参考までに、材料は、永○園のお吸い物を米一合当たり一袋と醤油少々、エリンギの短冊切りと油揚げ。興味のある方は試してみては? (でも、本物のマツタケを買える方は試さなくてもいいですね……(^_^;))




 今月の勘違い

 毎度おなじみ、あいかわらずのとんちんかん会話集です。

★私:「うちのお店にいつもジョギングの途中で来る人がいてね……」
 夫:「えっ? ジュリー・アンドリュースで来る?」

★私:「(使いかけの野菜をそのまま冷蔵庫に入れようとして)このまま突っ込んじゃおう
  夫:「えっ、トーマス根性?」

★息子:「今日はいっぱい遊ぼう!
  夫:「えっ? ルパン・ザ・サード?」

★『毛』ネタ4連発。
 私:今日、「100円ショップで肌着のゴムを買ってきたんだけど……」
 夫:「えっ、鼻毛のゴブ?」(たまたま、『ゴブ』という名前の猫を知っていたので、『ゴブ』と聞こえたらしいです)
                         

 夫:「頭が痒いから掻いたら蚊が飛んでった!」
 私:「えっ、毛が飛んでった!?」(夫の髪の毛はただでさえ薄いのに……)

                         

 8歳の次男が、朝、寝癖が付いているのを気にして髪の毛を撫で付けて得意げに言った言葉。
 「ほら、すね毛が直った!」
 どうやら、「寝癖」→「癖毛」→「すね毛」と変化してしまったらしいです。

                         

  これも8歳の次男。キラキラ光る『メダルシール』のことを、間違えて、『無駄毛シール』と言っていました(^_^;) いったいどんなシールでしょう……。脇の下とかに貼るんでしょうか?




 近況報告『ドクター○ッパーを飲んでみた』


 9月に、この通信で『ドクターペ○パー』のことを書いたら、何人もの人から、掲示板に、たしかにあれはマズいと思うという反響がありました。あれをマズいと思っていたのは、私とその周囲の人たちだけじゃなかったんですね……(^_^;)

 でも、話をしているうちに、「子供の時にはマズいと思ったものでも大人になってから好きになることがある」という話になり、なんだか、もう一度、『ドクターペッ○ー』が飲んでみたくなりました。
 で、先日、近所の自販機で、わざわざ買って、ウン十年ぶりで飲んでみました!

 そうしたら、すごく美味しいというほどでもないけれど、子供の頃に感じたほど、飲めないほどにマズいものでも無かったです。
 大人になったら好みが変ったのか、それとも、味の方が改良されたのか。

 まあ、たしかにクセのある味ではありました。
 味というより、匂いにクセがあるのかな。
 味の方は、まあ、ちょっと甘すぎる程度で、そんなにヘンでもないんですが、チェリーの香料がきつくて、何かに似てると思ったら、お菓子に使うドレンチェリーとか、チェリー系のリキュールとか、チョコレートの中に入っているさくらんぼの洋酒漬けみたいな感じ? それか、輸入物のキャンディか。




 近況報告『車が溶ける駐車場』

 このあいだまでデジカメが無かった我が家でも、ついにデジカメを買いました。
 で、夫が、前々からそのうち写真を撮りたいと思っていた、近所の面白い看板を撮って来ました。
 これです↓


 うちの近所の雑居ビルの駐車場なんですが、
『契約車以外の駐車は無断駐車となり、車が溶けます。当Pでは責任を負うことはありません』と書いてあるんですよ(^_^;)
 なぜ溶けるのかなどの説明は、一切なし。
 左側の、なにやら怪しい液体が滴ってるイラストが怖いですね。

 あんまり面白いので、何年も前から、いつかこの看板の写真を撮ってどこかに投稿しようと言い合っていたのです。別にデジカメでなくてもカメラ持って出れば撮れたんだけど、それだとやっぱり、なかなかチャンスがなくて。
 だからって、デジカメを買って、まず撮りたかったものが、こんな妙なものなんて……(^_^;)




 読書録

(注・この読書録は、あくまで私の備忘録・個人的な感想文であって、その本を未読の人にマジメに紹介しようという気は、ほとんどありません(^^ゞ (……たまに、少しだけ、あります)。 ただ、自分の記録のためと、あとは、たまたま同じ本を読んだことのある人と感想を語り合いたくてアップしているものなので、本の内容紹介はほとんど無いことが多く、ものによってはネタバレもバリバリです。あまり問題がありそうな場合は、そのつど警告するか、伏字にしています。)


『薫風のフィレンツェ』『禁断のインノチェンティ』『聖女殉教』  (榛名しおり 講談社ホワイトハート)

 ルネサンス時代のフィレンツェを舞台に、若き日の彫刻家ミケランジェロの恋や友情を描いたロマンチックなお話。タイトルは違うけど、『薫風のフィレンツェ』がシリーズタイトルになってる続き物です。
 余談ですが、最近、この手の文庫シリーズでは、こういうタイトルのつけ方が多いですね。販売戦略上の都合らしいのですが、読者の立場からすると、読む順番が分かりにくくて困ることも……(^_^;)

 同じ作者の大河歴史ロマン『アレクサンドロス伝奇』と比べると一回り小粒で、軽やかな『小品』という印象ですが(分量的にも内容的にも)、舞台が舞台だけに華やかで、なかなか楽しめました。

 芸術あり、少年少女の不器用で愛らしい初恋あり、妖しい美少年愛あり、出生の秘密あり、禁断の兄妹愛あり、お涙あり、陰謀あり、歴史の荒波あり、ナイスミドルあり、エプロンの似合う母性派マッチョマンあり(^_^;)と、豪華で華麗、サービスたっぷりのロマンチックでドラマチックな娯楽作で、この耽美的な華やかさは、ちょっと、二昔くらい前の少女漫画の雰囲気に通じるものがあるかも。

 ただ、とっても楽しかったんだけど、『アレクサンドロス伝奇』の時はあまり感じなかった語り口のぎこちなさを感じてしまったのはなぜでしょうか。不思議です。
 (この人、もっとうまいと思ってたのに)と思ってしまったのですが、デビューして作を重ねていって前より下手になるなんてわけはないから、たぶん、『アレクサンドロス〜』では、怒涛のストーリーに圧倒されて、文章に注意が向く暇がなかったのかもしれません。
 それとも、ライト寄りな内容に合せて、わざと語り口を変えているせいでしょうか。

 あと、どうにも気になってしょうがなかった点が一つ。『しっぽり抱きしめる』という言い回しをやたらと多用するのが気になって……(^_^;) 三冊の中で何回使っていたでしょうか……(数えてなかったけど)。
 ちょっとコミカルな効果を狙ってやるのはいいんですが、シリアスなシーンでは控えて欲しかったです(^_^;)

 まあ、何はともあれ、面白かったです。たっぷりと楽しませていただきました。


『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 (J・K・ローリング 静山社)
 
 実は、まだ読んでなかったんです(^_^;) 今頃になってやっと読みましたよ〜!
 前から読んでみたいとは思ってたんだけど、読んでみなくちゃ自分にとって面白いかどうか分からないから、いきなり購入する気にはなれないし、図書館ではいつも貸し出し中だし、それなら予約すればいいんだけど、それをしたら、連絡が来たらすぐに取りに行かなきゃとか、次の予約が入ってると貸し出し期限の延長が出来きないとかで何かと面倒だし、他に読みたいものは沢山あるんだから、どうしても急いでこれをすぐに読まなきゃいけない理由はないし……な〜んて横着して、そのうちブームが去って落ち着いたら借りようとのんびり静観していたら、予想外にブームが長続きしていて、映画化でますます盛り上がって、なかなか借りられずにいたんです。

 それが、先日、たまたま2冊目までが図書館の棚に戻っているのを運良く発見して、すかさず借りてきました\(^o^)/

 というわけで、まだ二冊目までしか読んでないけど、なるほど確かに面白かったです。
 基本的には、ごく正統的な、定番っぽいストーリーなんだけど、オーソドックスなものというのは、やっぱり多くの人に面白いからこそオーソドックスなんですよね。

 現実世界で不本意な生活をしていた普通の少年のところに、ある日突然魔法学校からお迎えが来て、実はその世界では彼は、かつて悪の魔法使いを退けた伝説的な英雄だったことが分かる――というパターンは、ある意味、『異世界落っこちもの』の一種かも。現実の世界から、魔法使いの世界という、この世と重なって存在している異世界に行くんですから。

 そして、その魔法学校という異世界での生活は、これまた学園物の王道です。全寮制の学校に入って、友達を作ったり、いじめっ子と戦ったり、陰謀を暴いたり、運動部でがんばったり……。
 しかも、子供の好きな『おばけ』がいっぱい出てくる!
 まるでディズニーランドのホーンテッドマンションにいるみたいな、ちょっぴり無気味だけど愉快なお化けたちがいっぱいです。なぜか『トイレの花子さん』みたいなのもいます(^_^;)

 で、基本はオーソドックスな上に、トレーディングカードとか空飛ぶ自動車など、ちょっとした現代風味の小道具を彩りとして取り入れてあるのがミソかも。そういう手法もまた、定石といえば定石ですが。

 これを読んで、かつて『ナルニア国物語』を読んで衣装ダンスの中を探った子供がいたのと同じように、キングズ・クロス駅あるいは自分の家の最寄り駅で『9と4分の3番線』を探してしまう子供も、きっと大勢いるのでしょう。そういう体験が出来る子供は、幸せです。

 というわけで、たしかに、よく出来た楽しい児童向けファンタジーだとは思いますが、私自身は、それほど夢中にはなれなかったです。
 これは別にこの作品にどこか悪いところがあるということではなく、私も普通には面白かったんですが、ただ、『萌え』の在処が違ったのではないかと……(^_^;)
 そういう、好みの違いのせいで、「他の作品に比べてこれだけが、子供のみならず大人まで含めた世間がそんなに熱狂するほど、ものすごく桁違いに面白い」という気はしなかったというだけです。
 「確かにこれも面白いけど、面白い本は他にもいっぱいある。これはそういう本の一冊にしか過ぎない」としか……。

 まあ、確かに、他にもたくさんある面白い本の多くは、その面白さにたどり着くまでに若干のたどり着きにくさがある場合が多く(古い作品の場合は特に……)、この作品の場合は、そのたどり着きにくさが特に少ないという違いはあるのかもしれません。
 でも、この、桁違いのブームは、それだけの理由では説明できない気がします。
 どんなにいい作品でも、運が悪かったり時流に合わなかったりしてひっそりと消えていくこともあり、その一方で、何かの拍子でパーッと持てはやされてしまうものもある――そういう現象には、たぶん、時の運とか時代の空気みたいなものも関係しているんでしょう。

 でも、私も、今ではなく子供の頃にこれを読んでたら、もっとものすごく面白かったかもしれません。
 それに、私が読んだのはまだ2冊だけで、この作品はまだまだ続くわけで、先を読むと評価ががらっと変るかもしれないです。

 あと、思ったんですけど、この作品は、映画で見たほうがもっと面白いのかもしれないです。
 私は映画も見てないんですが、かなり原作に忠実に作ってあるようですし、本を読んでいて、何度も、確かにこれを映画で見たらすごく面白いだろうなと思ったんです。
 表現が非常に映像的で、映画を見ていないにもかかわらず、この場面はこういうCGを使うとすごく効果的に表現できるだろうなと想像できるところが沢山あるんです。そういうところは、やっぱりさすがに非凡だなあと思います。

 それに、実は、どうも私は、この作品に、ほんのちょっとですが、微妙な違和感がありまして……(^_^;)
 作品としてどうこういうんじゃなくて、それ以前に、もしかするとものの考え方の傾向みたいなものが微妙に合わないのかもしれないという気が、漠然とですが、するんです。まだシリーズ途中だし、しかも私は二巻目までしか読んでいないので断言は出来ないんですが。
 これは非常に微妙で漠然とした、曖昧なフィーリングの領域なので、どこがどうとは言わないし、言いたくてもうまく言えないんですが、時々、ふっと引っかかるものを感じて、純粋に楽しむことを妨げられてしまうんです。
 でも、そのかすかな違和感は、たぶん、映像になっていればさほど感じないですむんじゃないかと思うんです。だから、私はきっと映画の方が楽しめるんじゃないかと……。

 それから、ハーマイオニー!
 私、映画は見たことないけどポスターなどで主人公3人組の顔はさんざん見てますが、今回、本を読んでみたら、ハーマイオニーだけは、映画のあの女の子の顔で目に浮かぶんですよ。ハリーやロンは、そうでもなかったんですが……。
 あの女の子、かわいいですよね! イメージぴったりで、すごいはまり役だと思いました。
 ハリーも一作目は可愛かったけど、二作目では育ちすぎて、すっかり大人っぽくなってましたね(ポスターしか見てないけど)。子供は育つのが早いです……。
 ……というわけで、映画はきっと面白いに違いない。そのうちレンタルで見てみようっと♪


『魔法使いに大切なこと 2』  (枯野瑛 富士見書房)

 これはシリーズの二作目なんですが、たまたま読む本が切れて困っていたときに、夫が、たまたま図書館から借りてきていたものを「前作を読んで無くても大丈夫から」と又貸ししてくれたので読んだ本。

 いかにもOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)っぽい作品でした。
 実際、OVAシリーズが原作なんですが、でも、これは独立した番外編のような内容で、アニメをそのままノベライズしたものではなく、アニメの設定を生かしたオリジナルストーリーらしいんです。
 でも、やっぱり、いかにもOVAの匂いがします。挿絵が付いてなくても、元がアニメだという解説が付いてなくても、アニメの女の子が目に浮かんだと思います。
 これがアニメならこういうふうに演出してあるんだろうなという映像が、いちいち脳内で上映されます。
 たぶん、書き手の頭の中にアニメ映像があって、それを文章で描写すると、こういう風になるのですね。

 でも、この、『OVAの匂い』は、たぶん、同じ文化を共有するヲタクだけに嗅ぎ取れる匂いなんでしょうね。
 ぜんぜん日本のアニメを見たことのない外国の人がこの作品を読んでも、私のように頭の中にアニメ美少女が浮かんだり、脳内でアニメが上映されたりすることはないのではないかと……(^_^;)
 こちらに受け取る素地があるから受け取れるイメージって、あると思います。

 お話の方は、こじんまりとまとまった、地味だけどハートウォーミングな『ちょっといい話』でした。
 このエピソード自体はアニメのノベライズではなく書き下ろしということですが、8ミリの自主制作映画が重要な役割を果たしているので、映像化すると映えそうです。クライマックスの8ミリ上映シーンでは、わざとノイズだらけの8ミリ映像を再現したものをうまく生かした泣かせる演出が目に浮かぶ、とても映像的な作品でした。


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