月刊カノープス通信
2003年9月号−2

目次
・季節の便り
・今月の勘違い
・近況報告『猫で寝不足』
・近況報告『北海道にはド○ターぺッパーが売ってないってホント?』
・近況報告『ゴーヤ食べ放題!』
・読書録
(今月は『晴明鬼伝』『神の守人』です)




お知らせ

 『今月の詩』のコーナーにも書きましたが、『今月の詩』の定期連載は、 今回で最後になります。理由は、弾切れです(^^ゞ
 私、今はほとんど詩は書いていなくて、今まで、ずっと、昔書いた詩の中から季節に合うものを選んで出していたのですが、さすがにそろそろストックが尽きました。
 来月以降は、たまたま詩が出来たとき、たまたまその季節の詩のストックがあるときだけ載せることにします。毎月作らなきゃと思って負担になるのはイヤなので……。
 一年と二ヶ月、合計26編の詩にお付き合いいただいて、ありがとうございましたm(__)m
 あ、もちろん、『月刊カノープス通信』は、なくなりませんよ!





季節の便り

 夏も終わる頃になって、やっと暑くなりましたね(今(31日夜)は、またちょっと涼しいけど)。
 やっぱり夏は暑くなきゃ……なのですが、うちにはクーラーが無いので、辛いです(T-T)
 いや、正確に言えば、クーラーはあるんだけど(ただし家中で一台だけ)、去年から壊れたまま。無いのはクーラーではなく、壊れたクーラーを修理するお金なのでした(^^ゞ

 何しろ、ただでさえ貧乏なのに、この夏は、7月初めに保護した捨て猫6匹の、病院での一時預かり、ミルク代にえさ代、トイレ代、予防接種、ダニ駆除に、たぶん、合計10万くらいかかってますから……(T-T)
(『たぶん』なのは、正確な金額を知るのが怖すぎるから、ちゃんと計算する気がないためです(^^ゞ)

 でも、クーラー無しでも、雨さえ降ってなければ、わりとしのげるんです。
 うちは田舎で回りが土と草だらけなので、朝夕はかなり涼しいし、日中も、風さえ通れば、なんとかクーラー無しでも生活できます。大汗はかくけど、夏は汗をかいてナンボだ〜! シャワーを浴びてがんばろう!

 ……とはいえ、困るのは、雨の日。雨が降り込むから、窓を開けられないじゃないですか。
 雨の日だけは、やっぱり、クーラーがないと辛いなあと思います。暑くてもいいから晴れて欲しいです。

 でも、よく言われる『朝の涼しいうち』って、本当にあるんですね。朝晩って、夏でも多少はしのぎやすいものだったんですね。私、昔はそのことを、知らなかったんですよ。

 子供の頃、毎年、夏休みになると、『宿題は朝の涼しいうちにやりましょう』と言われたものですが、私、それをずっと、大人は何でそんなヘンなことを言うんだろと不思議に思っていました。
 だって、夏は朝から暑いじゃないですか!
 『朝の涼しいうち』って、何時ごろのこと? さすがに三時四時というわけにはいかないでしょう? それに、そもそも、どんなに早起きしても、夏の夜は一晩中いつでも暑いに決まってるじゃないですか!

 ……と、長年疑問に思っていたのは、私が、ヒートアイランド真っ只中の東京に住んでいたからだったのですね。
 田舎に引っ越して、知りました。地面が土なら、朝晩は、ほんとに涼しいんです!

 朝もやというものが本当にあるのだと言うことも、茨城に住んだとき、初めて知りました。今は千葉の田舎ですが、やっぱり、朝もやがでます。昔は、朝もやが出るのは山だけかと思っていました。
 そうじゃなかったんですね! 朝もやは、山だから出るんじゃなかったのです。地面が土だと出るんです。特に秋。そして、朝もやが出た日は、晴れるのです。秋晴れのしるしです。
 そろそろ秋。朝もやの季節です。

 朝といえば、いつも犬の散歩に行く野原に、一面、月見草(マツヨイグサ)が咲いています。私の背くらい高いのが、野原の向こうの端まで、ずっと。
  夕方の散歩の時にはしぼんでいますが、朝の散歩の時には、まだ咲いていて、とっても嬉しいです。私の大好きな花なのです。

 夕方の散歩のときには、カラスウリの花が見られることがあります。いつもの時間だとまだ咲いていないのですが、たまに、暗くなりかけた頃に行くと、往きはまだ咲いていなかったのが、帰りにはほころびかけていたり、いくつかはぽつりぽつりと開きはじめていたりすることがあるのです。

 カラスウリの花は、子供の頃から、憧れの花です。
 宵闇にほの白く浮かび上がる、不思議な形をした繊細な花の、清楚で美しい中にもちょっと奇妙で妖しい雰囲気があるところが、子供心に、夢のように幻想的に思えたし、つぼみやしぼんだ花は日常的に見られるのに咲いているところはめったに見られないというのが、また、なんとも神秘的に思えたのです。

 子供の頃には、あの花が、何かこの世のものではない、異界の花のように思われ、カラスウリの花の後ろの闇に異界を幻視するという空想に、心をおののかせ、ときめかせたたものです。

 月見草にカラスウリ、露草。朝顔にゆうがお。松葉ボタン。
 私の好きな夏の花には、そういう、咲く時間が限られている花や、一日でしぼんでしまう花が多いです。
 そういう花の多くは、たくさん水分を含んでいる感じがします。だから透明感があって、涼しげなのでしょう。




 今月の勘違い

 毎度おなじみ、あいかわらずのとんちんかん会話集です。最近、余り面白いのがありません……ないほうがいいんだかよくないんだか(^_^;)

★夫:「今日、テレビで涙を流すマリア像の話をやってて……」
  私:「えっ? 『何でも直す真理谷(まりや)族』?」
 注:真理谷というのは、近所の地名です。正式には「まりやつ」と読むらしいですが「まりや」と読まれることもあります。真里谷には、何でも直す特殊技能を持った種族が住んでいるのかと思いました……(^^ゞ

★私:「その通りだったよ」
  夫:「えっ? チマチョゴリだった?」

★夫:「パソコン、一回、切るからね」
  私:「えっ? パソコン使い切る?」

★私:「やばいよ、庭にまた竹が生えちゃったよ」
  夫:「えっ、サルマタケが生えた?」

★私:「猫は犬より暑さに強いよね、もともと南方系の動物だから……」
  夫:「えっ、万歩計?」




 近況報告・猫で寝不足

 先月も近況報告で書きましたが、夫が拾ってきた6匹の子猫。
 元気に育っております。元気すぎて、もう大変……。
 で、なんでそれで私が寝不足かと言うと、この猫たちは、みんな寝室で生活していて、毎日、やつらが、朝の五時ごろから、どったんばったん騒ぎ出すせいです!

 仔猫たちはまだ予防接種が済んでいないので先住猫と一緒にするわけにはいかず(しかも、予防接種が済んだとしても、先住猫がひどい猫嫌いなので、とても一緒に出来ない)、二階の寝室に閉じ込めてあるのです。
 先月はまだ、ベビーサークル再利用の猫小屋の中に納まっていたのですが、すくすく大きくなった結果、ついに高さ1メートル以上の柵を飛び越えて外に出てくるようになってしまい、今では、寝室は、仔猫の無法地帯! 暴れ放題、荒らし放題、悪戯も、やりたい放題、し放題!
 なにしろ6匹ですから、その破壊力たるや、ちょっとやそっとじゃありません。

 そんなだから、夜、寝るときは、もう大変。
 寝ている私たちの身体の上を飛び越え、顔だろうとどこだろうと遠慮なく踏みつけてベッドの上を猛スピードで走り回るわ、手足にじゃれ付いて噛むは引っ掻くは猫キックは繰り出すはで、痛くて痛くて、とても寝られたものではありません(^_^;) もう、全身傷だらけです。
 頼むから、人の身体の上で猫レスリングをするのはやめてくれ〜!
 本を読んでいると本を齧りに来るので、寝る前の読書も出来ません!

 夜もふけて、猫同士のレスリング大会が終わると、今度は、ごろごろいいながら私のまわりに寄り集まってきます。
 みんな里子に出す予定のコで、一緒に寝たらてきめんに情が移るのは分かっているから一緒に寝ないつもりだったんだけど、自分たちで柵を飛び越えてベッドに上がりこんでくるようになってしまったんじゃ、しょうがありません。

 思い思いに寄り添ってきたり、腕枕してきたり、身体によじ登って胸やお腹に座り込んだり、首に巻きついたりする、あったくてやらわかい6匹の仔猫……。かわいいですv でも、痛いです(^_^;)
 小人国のガリバーよろしく仰向けになった体中に猫を乗せていて身動きできない私に、容赦なくちくちく刺さる小さな爪……(T-T)
 そして、寄ってたかって、ざらざらの舌で、私の顔を舐めます。しかも、なぜか、耳とか唇を集中的に舐めます。嬉しいけど、やっぱり、それはちょっと嫌だ……(^_^;)
 さらに、舐めたりすりすりしたりしているうちに甘え気分が盛り上がってくると、甘噛みします。かわいいけど、やっぱり痛い……。やめてくれ〜!(^_^;)

 でも、暴れ疲れてくったりと寝てしまった仔猫は、とてもかわいいですv
 夜中に眼を覚ましたとき(体中のあちこちに猫が乗ってて寝苦しいので、よく目が覚める(T-T))や、朝、たまたま猫たちより眼を覚ましたとき、伸ばした手が、小さくてあったかくてやわらかい仔猫に触れる――その瞬間は、ほのぼのと幸せ感じます。
 仔猫の一番素敵なところは、やっぱり、あの、感触でしょう!
 しかも、どっちに手を伸ばしても、そこに仔猫がいるんですよ。周り中が、私が目覚めた気配に反応してごろごろ言い出した寝ぼけ眼の仔猫だらけなんですよ。なんて幸せ……v

 夜中に寒くなって布団を掛けたくなっても、猫に乗られてて身動きできず、布団が引っ張り上げられずに風邪を引いても、うかつに寝返りがうてなくて熟睡できなくても、布団にお漏らしされても(T-T)、この瞬間のためになら、すべてを許せる……。そんな気持ちでいっぱいになります。

 でも、そんな甘い幸せ気分は、ほぼ、次の瞬間、吹っ飛びます(^_^;)
 私が起きたことで眼を覚ました猫たちが、朝の運動を始めるから……(^_^;)

 朝から身体の上を走り回られ、おしっこ臭い前足で顔を踏みつけられ、ざらざらの舌で舐めまくられ、足に抱きついてじゃれられ、パジャマの上からあちこちに爪を立てられ、猫キックと猫パンチのモーニングサービス……(T-T)
 もう一度寝たいような時間だったとしても、じゃれついてくる爪が痛くて、とてもそのまま寝てなんていられません。仔猫は、爪の引っ込め方を、まだ知りませんから……(いや、やつら、引っ込められても引っ込める気がなさそうだぞ)。

 でも、自分が起きるまで猫に起こされないで寝ていられる朝は、まだ幸せなほうです。
 たいていは、猫が先に起きだします。
 もともと私は、朝は早いのですが、最近、夜遅くまで猫のせいで寝られないので、本当は少し遅くまで寝ていたいのです。でも、猫どもが、それを許してくれません。
 ベッドの枕元は東向きの窓で、雨戸は無く、遮光カーテンがかかっているのですが、朝の五時ごろ、カーテンの隙間から明るくなって眼を覚ました猫たちが、窓枠に飛び乗って、カーテンをこじ開けます。
 東向きの窓から私の顔にまっすぐ降り注ぐ、さわやかな朝日……。
 そして、ときには、朝日だけでなく、猫も私の顔に降り注ぎます! カーテンを開け終わった猫が、窓枠から、寝ている私の顔の上にダイブ! ひ、ひどい……(T-T)
 そしてそのまま、やっぱり始まる、朝の大運動会。

 今朝は、『ぶぉー』という突然の大音声と、それとほぼ同時の『どんがらがっしゃーん』という音で、びっくりして飛び起きました。
 何かと思ったら、ベッドの足元に出しっぱなしになってた掃除機がついてる!
 前の晩、猫小屋の中を掃除した後で、掃除機を、コンセントを抜き忘れたまま出しっぱなしにしてあったのです。
 で、どうやら、猫がホースにじゃれついているうちに何かの拍子でスイッチが入ってしまったようです。
 『ぶぉー』は掃除機の音で、『どんがらがっしゃん』は、自分がつけた掃除機の音に驚いて飛び上がった猫が、あちこちにぶち当たりながら跳んで逃げた音だったらしいです。参ったなあ……(^_^;)

 この間は、枕もとの棚に横積みになってた本の、一番上の一冊と一緒に、3匹ほどの仔猫が床に滑り落ちると言う決定的瞬間を目撃してしまいました。
 一番上の本が、たまたま絵本で、ちょっとサイズが大きかったので、下の本より外側にはみ出していて、それで、端っこに猫が乗ったら傾いて滑り落ちちゃったらしいんですが。
 傾いていく本の上にひしめきあって座って、目をまん丸にして本と一緒に滑り落ちる仔猫たち……(^_^;)
 あれは笑える光景でした。

 でも、この大騒ぎも、あと半月ほど。
 6匹のうち4匹は既に里親が決まっており、それぞれ引き渡し日も決定済みで、実は、今日(8月28日)、最初の一匹が貰われていきました。そして、9月半ばまでに、あと3匹の引渡しが予定されています。そうしたら、きっと、火が消えたように静かになるでしょう……(T-T)

 でも、残る二匹が、まだ里親が見つかってないんですよね。オスで(オスはマーキングするので室内飼いの人には敬遠される)、黒猫で、しかも、かわいい盛りの仔猫でありながら、すでにあきらかに他のコたちより器量が悪いもので……(^_^;)

 一匹は体重がすでに他のコの1.5倍くらいあって、どでべ〜っとしてて、模様も顔つきもタヌキみたいだし、一匹は、まだ仔猫なのに、しかも一番甘えん坊なのに、もう怖い顔……(^_^;) 精悍と言えば聞こえがいいけど、オレンジ色の目が血走ってるみたいに見えて、やっぱり、ちょっとホラーな顔……(^_^;)
 しかも、二匹とも、黒は黒でも、真っ黒猫ではなく、黒とも灰色とも焦げ茶ともつかない、なにやらうすぼやけた、冴えない黒まだらだし……(あえていえば、片方は『ブラック・スモーク』、片方はチョコ虎?)。
 でも、器量は悪いけど、かわいいんですよ〜。兄弟の中でも一番二番の甘えん坊たちで。

 しかも、他の子たちは早々に行き先が決まって、引渡し日まで『よそのコを預かっている』状態になっているのに、このコたちだけ、まだ誰のものでもない……もしかすると家に残るかもしれない……と、一瞬でも、思ってしまったら、もうダメです。ほんの一瞬でも、『ウチのコ』になったそのコたちを思い浮かべてしまったら、その瞬間から、その二匹は、他のコたちとは違ってきてしまって……。

 里親が見つからなきゃ困る、でも見つからないで欲しい気もする……。このまま里親が見つからなかったら、うちで飼うしかないんじゃないか……里親を探しを諦めてしまおうか……いや、だめだ! うちではもう猫は飼わないんだ、これ以上、飼えないんだ、だめだ、いかん、だめだ、いかん……!
 ……と、まあ、毎日苦悩しております(^_^;)




 近況報告・北海道には『ド○ターペッパー』が売ってないってホント?

 この夏、夫(絵描き)が、北海道の函館で作品展を開いてきました。北海道在住のクラフト作家さんと仲良くなって、思いつきで(?)合同展を開いたのです。

 で、その作家さんはじめ、地元の人たちや、大阪から手伝いに来てくれた知り合いなどと食べ物の話をしていると(夫はいつも食べ物の話ばかりしてるらしい……)、お互いいろいろと発見があり、面白かったそうです。
 例えば函館では『べこ餅』という食べ物があって、コンビニでも普通に売られており、全国区の普通の食べ物だと思っていたので、千葉や大阪のコンビニには『べこ餅』が売ってないということを知って、すごくびっくりしていたとか。

 そして、北海道では、うちのへんでは見たこともない『ガラナ』という缶入り炭酸飲料が、ごく普通に自販機等で売られているとのこと。ブラジル産のガラナの実を使用した飲み物で、コーラみたいなもののようです。
 夫が二缶ほど、お土産に買ってきましたが、お土産用を意識した品なのか、パッケージは『熊出没注意』の黄色い看板のデザインで、発売元は、聞いたことも無い、北海道の地場メーカー。
 味は、一言で言うと『オ○ナミンC』の味でした(^_^;)

 で、缶飲料の話をしていて、北海道では、『ドクター○ッパー』(注*東京近辺では三十年も前から売られている、コーラに似た飲み物。薬臭くて不味いことで有名で、私の周りでは、今まで、アレをおいしいと言った人は一人も居ない。そんなに不評なものが、なぜ、細々とでも30年間売れ続けているのか、とっても不思議)が、売ってないらしいことが分かったそうです。

 で、帰ってから北海道に『ドクターペッ○ー』を送ってあげるつもりでいたらしいんですが、忘れたらしいです。そもそもあれは、本当に、まだ、売っているのでしょうか? 私、最近、見た覚えが無いんですけど……。



 近況報告・ゴーヤ食べ放題♪

 ちょっと前に、WEB上のお知り合いの間のあちこちで話題になっていた、ゴーヤ。もしかして、オンライン小説界の、この夏の流行?

 でも、この夏は寒かったので、スーパーではゴーヤが品薄で、なかなか安くならなくて、余り食べる機会がないままでした。
 ところが、夏も終わりの今頃になって、突然、ゴーヤ食べ放題のチャンスがめぐってきました\(^o^)/

 ある日、お隣さんがやってきて、『うちのゴーヤがお宅の庭に伸びていってしまったから、そっちに生った分は好きに取って食べてくれ』と言うのです!
 確かに、うちのフェンスに、その下の、お隣の家庭菜園からなにやらツルが伸びてきて、フェンスに絡んでいたのです。よく見なかったので、かぼちゃか何かのツルだと思っていたのです。

 それが、どんどん伸びてきて、フェンスに絡んでいたツルバラをすっかり覆ってしまって、バラが枯れてしまいそうなので困ったなとは思っていたんですが、かぼちゃなんて夏が終われば枯れるんだから、しばらくの辛抱で、わざわざ文句を言うこともないやと、放置していました。
 ウチの庭はどうせ草ぼうぼうだし、どっちかの庭の植物が隣の庭にはみ出してるのはいつものことで、お互い様だし。

 でも、言われてみれば、たしかに、葉っぱの形が違います。裏のほうのフェンスだったので、よく見なかったのです。そうか、あれはゴーヤだったのか!
 やった〜、ラッキー!
 自分で苗も買わず、肥料もやらず、育てもしなかったゴーヤが、たまたまウチの庭に入り込んできてくれたおかげで、勝手に取って食べていいなんて!

 バラは、しょうがない、まあ、いいや(^_^;) 花よりゴーヤだ!
 バラも、運がよければ生き残るでしょう。来年の花はあまり期待できなくても、根まで完全に枯れさえしなければ、シュートが出てきて、再来年はまた咲くでしょう。どうせ丹精してるわけじゃなく、ただ植えっぱなしのバラだし。ウチの庭は、弱肉強食の野生の王国ですから(^_^;)

 ちなみに、このお隣さん、柿の木もウチの庭に思いっきりはみ出してきていて、はみ出してる部分に生った柿は勝手に取って食べていいと言ってくれるのです(確か、去年の秋のこの通信にも書きましたが)。

 というわけで、その日の夕食は、もちろんゴーヤチャンプルー。
 その次には、ごま油で炒め物。今度はてんぷらにしようっと。
 今も冷蔵庫にはでっかいゴーヤが4本ほど。
 子供はほとんど食べないから、夫と私と二人では、長さ30センチくらいありそうなのゴーヤは、いくらおいしくても一度に一本しか食べられません。
 これは、当分、毎日ゴーヤづくしです!




 読書録

(注・この読書録は、あくまで私の備忘録・個人的な感想文であって、その本を未読の人にマジメに紹介しようという気は、ほとんどありません(^^ゞ (……たまに、少しだけ、あります)。 ただ、自分の記録のためと、あとは、たまたま同じ本を読んだことのある人と感想を語り合いたくてアップしているものなので、本の内容紹介はほとんど無いことが多く、ものによってはネタバレもバリバリです。あまり問題がありそうな場合は、そのつど警告するか、伏字にしています。)

 近況報告のところで書いたとおり、寝室に猫がいるので、寝る前に本が読めません……(^_^;)

『晴明鬼伝』 五代ゆう (角川ホラー文庫)

 西洋風ファンタジー『始まりの骨の物語』でデビューして、『骨牌使いの鏡』でその系統の王道を極めた(と、思う)、あの五代ゆうの、陰陽師モノ。

 正直言って、五代ゆうの新作がホラー文庫の陰陽師モノだと聞いたときには、ちょっとがっかりしたんですよ(^_^;) この方、西洋風ファンタジーと平行して和風も含めたホラー短編もいろいろ書いていますが、私の趣味から言うと、そっち方面は、いまいち、それほど、趣味でないことが多いので……(ごめんなさい、ファンなのに……^_^;)

 それに、私はあまりたくさんは読んでないけれど、今さら陰陽師モノって、もう食傷気味じゃないですか? そんなもの、わざわざ五代さんが書かなくても、他の大御所たちが散々書いてるんだから、新人の作品も掃いて捨てるほどあるんだから、他の人に任せておけばいい……みたいな。

 ごめんなさい、五代ファンタジーを期待するあまりの暴言です。
 だって、この人、寡作なんだもん。どんどん書くならいろんなジャンルを書いてくれていいけど、たまにしか本が出ないなら、自分の好みのジャンルだけを書いていて欲しい……と思ってしまうのは、身勝手だけど、ファンとしては自然な欲求では?

 でも、これ、装丁はおどろおどろしいけど、ホラーと言うより、伝奇ファンタジーですね。
 なんか、最後まで読んで、装丁が似合ってないなあと思いました。

 擬古文調を取り入れた時代小説風(?)の文体は、和モノに慣れない私にはちょっと読みにくく、読むのに時間がかかって辛かったんですが、この文体を、最初だけとか要所要所だけでなく、ずっと維持するって、すごい(^_^;)

 タイトルが『晴明鬼伝』で、晴明モノでおなじみの人名もちらほらと出てくるわりに、そういえば晴明はまだ出てきていないぞと、最後の方になってやっと気づいたら(遅……^_^;)、一番最後に、種明かし。
 そうか、そうだったのか。アレが晴明で、アレは道満だったのか。なるほど! <晴明はともかく道満は名前で分かれよ!
 いえ、陰陽師モノに詳しい人には、途中ですぐに分かったんでしょうけど、私はちょっと守備範囲外だったので……<守備範囲狭すぎ!
 でも、タイトルはこうだけど、主人公はやっぱり、『晴明』じゃなくて葛城の志狼だったような気が……。

 やっぱり、私にはちょっとなじみにくい世界で(和風も中華風もいまいちダメなんて、私はなんて趣味の範囲が狭いんだ!)、途中までは、文体のせいもあって、ちょっと、読むのが辛かったんですが、でも、ラスト近くの大カタルシスは、『やっぱり五代ファンタジー!』と、堪能して読み終えることが出来ました。

 全体に暗くてどろどろした、汚わいの臭気漂う世界の中で、ときおり差し込む光のように描かれる、明澄清冽な山の風景のさわやかさと少女・葛葉の肢体の清らかさが印象的でした。
 好きなキャラは、狼の北辰!

 ところで、頭の中で『童子』が『犬夜叉』のチビ(&不潔)・バージョンになってしまっていたのは私だけ?

『神の守人 来訪編・帰還編』 上橋菜穂子 (偕成社)
 
 すごいです。感動です。傑作です。
 二冊組みとはいえ、児童書で、字が大きいから、そんなに長い話ではないはず。それなのに、この充実、このスケール、この、深みと重み。
 描写だって簡潔で、そんなに言葉数は使っていないはずなんですが、決して、書き込みが足りないとは感じられない。簡潔だけど、重厚。

 このシリーズ、最初から面白かったけど、回を重ねるごとにどんどんスケールと深みを増しているような気がします。私は特に『夢の守人』から、ぐっと面白くなってきた気がします。いえ、その前も面白かったけど。
 『夢の守人』以降、特に私にとって面白くなってきたのは、異界の気配や夢幻的な色彩が、より濃厚になったからじゃないかと。

 今回は、今まで『地味な癒し系』のイメージが強かった薬師のタンダが大活躍でしたね。
 『夢の守人』でも、結構重要な役割を果たしたんだけど、今まで、どっちかと言うと、自分で戦うより、後方に控えて、傷ついたバルサを癒すという役どころだったじゃないですか。
 今回は、けっこう表立ってがんばりました。でも、なぜか、やっぱり、印象は地味……(^_^;)
 いや、彼は地味なところがいいんだけど。

 児童書だからしょうがないけど、この二人の関係、もうちょっと描き込んであってもいいのになあ……。いや、だって、こんなに一途にバルサに尽くしてるタンダのために、ちょっとくらいご褒美を用意してあげないとかわいそうなような気が……。
 あ、でも、そういえば、今回、このふたり、けっこうスキンシップ度は高かったですよね。児童書だから描き方はさらっとしてたけど。

 アスラが神を喰うシーンは、文章での描写だけで、頭の中でアニメが動きました。う〜ん、すごい!
 異界の川と現実世界が二重写しになるシーンも、非常に映像的でした。
 イラスト描いてる人は、なにやらジブリに一枚噛んでる人らしいんですが、これ、ジブリにアニメ化して欲しいかも?
 ピクヤが光るところとか、異界の水と二重写しの森とか、アニメにすると、腕のふるいがいのある幻想的な見せ場になるんじゃないかと……。アクションも満載だし。

 でも、結局、タルハマヤ神って何だったんだろう??(^_^;)
 異界の川って? まあ、別に合理的な説明が必要なわけじゃないんですが。
 この世界、まだまだどんどん膨らみそうじゃないですか。


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