勘違い傑作選
空耳(そらみみ)草紙

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以前、オフラインの交流サ−クルの会誌に掲載したものの中から
特に選りすぐった勘違いネタです。
(再録なので、子供の年齢、私の近況などは当時のものです)


 最近の夫と私の会話から。
私(子供の熱を計って)「七度七分
夫「えっ、『なるほど・ザ・ワ−ルド』?」
私「えっ、『まるごとドナルド』って、何?」
(マックの新メニュ−かなあ?)

 

夫「今日、電車の中で、女子高生が隣に座っててさ……」
私「えっ!? 女子高生が棚に座ってた? 棚って、あの、網棚?」
(いくらオテンバさんだって、それはちょっと無理でしょう) 

私「あ、キンモクセイの匂いだ」
夫「なに?中学生の匂い??」
(あまりいい匂いじゃなさそうですよね)

 夫と一緒に酒屋さんに行きました。
 その日の安売り目玉商品は『フランス・マスネ社のフル−ツ・ブランディ』でした。
 それを見た夫が、妙に不思議がるので何が不思議なのかと思ったら、
「なんで、フランスの会社が『マスナガ』なの?」と。
(いったい何の話?)と思ったら、手書きの看板の『マスネ』というカタカナが、夫には『マス永』に見えたらしいです。

 通販カタログ『フェリシモ』でお皿を買いました。
 それが宅急便で届いた日の会話。
夫「見た? 『フェリシモ』のお皿
私「えっ? 『テラシマ・ノリオ』って、誰?」

 先日、新聞を読んでいると、社会面に、『店に入ったら突然男に』という見出しがありました。
 私は、とっさに、『(女の人が)店に入ったら突然男に(なってしまった)』という記事かと思って、すごくびっくりしました。
 読んでみると、なんのことはない、『店に入っていったら中に強盗がいて、その男に、突然、刃物で襲われた』というような記事でした。
 でも、この見出しって、絶対、ヘンですよねえ。

 昔、夫とドライブしていた時のことです。
 信号待ちをしていて、信号が青に変わっても夫が気がつかなかったので、教えてあげようと「青」と言うと、夫は、信じられないという顔で私を見て、「えっ?アホ?」と。
 また、細い道から国道に入ったら混んでいたので、私が、「混んでる」というと、また血相を変えて、「何ィ、このデブ?」と。
 これは結婚前のデ−トの時のことですが、このような数々の誤解にも引き裂かれることなく、私たちは、このとおり無事に結婚しました。
 その結果が、この勘違い一家というわけです(^_^;)

(サークル会誌『ティ−タイム』より抜粋)




最近の、夫と私の会話から。
私「それ、いつも持ってるの?」
夫「わりといつも常備してるよ
私「えっ、ワルプルギスの夜?」

私「なんだかんだ言っても、やっぱり公務員は強いよね」
夫「えっ、ゴブリンは強い?」
(ゲ−ムの話だと思ったのかな)

夫「より刺激の強いものを……」
私「えっ、森繁君の、何?」
(ちなみに、別に私たちに森繁君などという知人はいません)

夫「今日は、なるべく早く寝るようにしましょう
私「えっ、行川(なめがわ)アイランドのショ−?」

夫(息子のおもちゃで遊びながら)「カメックス、行けえ!」
私「えっ、ため息吸うと池?」
(意味不明だけど、そう聞こえちゃったんです)
夫「えっ、カメ・エキスと何だって?」
(以前、一緒に行った『千葉県民の日・県民フェスティバル』で、『カメ・エキス入りカメ・ゼリ−』という不思議な出品物を見たことがあるのです)

私「生活パタ−ンが変わると着なくなる服ってあるよね」
夫「えっ、ヒレカツとパンが変わる?」

私「『アタックNo.1』の歌が……」
夫「えっ、『叩くな、ババア』?」

 クリスマスの日、鶏の骨付きモモを焼いて出すと、息子が、嬉しそうに叫びました。、
「あっ!もしかして、これ、ハチメンチョウ!?」
 『七面鳥』といいたかったらしいです。

 テレビで駅伝の中継を見ていると、解説の人が、「やはり、先導のバイクは、花柄ですね」と言ったので、「えっ、どこが?」と、慌てて見たけど、ごく普通のバイクでした。どうやら、「花形」と言ったらしいです。

 すごく古い勘違いネタですが……。
 昔、妹が、私に尋きました。
「ねえ、薬師丸ひろ子がでてる映画で、ほら、何て言ったっけ、『起承転結』?」
……どうやら、『魔界転生』のことだったようです。

 これも妹の話です。一時期、わが実家では、トランプの『大貧民』が盛んでした。
 ある時、妹は、その名前をど忘れして、
『貧乏神』、やろう!」と言いました。
 また、このゲ−ムには、弱い札が強くなり強い札が弱くなる『革命』というル−ルがありますが、妹は、それをやろうとして、その名前が思い出せず、
「えっと、ほら、『価値観の転換』……じゃなくって……『意識調査』!」と叫びました。

 夫が息子に絵本を読んでやっていました。川でおぼれそうになった女の子が犬に助けられるシ−ンで、「もくず(藻屑)になる身を助けられました」というのを、夫は、「モズクになる身を……」と読んでしまいました。しかも、私に指摘されるまで、自分の言い間違いに気づきませんでした。
 ところで、モズクって食べ物、知ってます?

 以前、化粧品のセ−ルスレディをしていた時、先輩に聞いた話です。その先輩は、新人のころ、慣れない敬語に、とても苦労したそうです。
 で、ある時、お客さんの家で、お上品に話さなければという緊張と気負いのあまり、「……でございます」と言おうとして、「……で、ござる!」と言ってしまったそうです。
 でも、それでお客さんは大笑い、一挙に打ち解けて、その契約は成立したそうです。

 昔、私と夫が同じ図書館に務めていたころ、夫と私、他数人が休憩室でお弁当を食べていると、後から入ってきた人が、
「あっ、ウツケ者の匂いがする!」と叫びました。
夫はとっさに「えっ、俺のこと?」と思って驚いたら、「お漬物の匂い」だったのでした。

 字を覚え始めた息子が、壁に貼ったイラスト入り『あいうえお表』を眺めていました。『あり、いぬ、うし、えんぴつ……』など、わかりやすい例が続いた後、『ち』のところには、一本丸ごとの『ちくわ』の絵が描かれていました(しかも絵が下手でした)。
 長いままのちくわを見たことがなかった息子が、一生懸命考えて言った言葉は、「これ、牛の足?」でした。


(サークル会誌『ティ−タイム』より抜粋)


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