§1  またやって来た (ホーチミン)

今回の行き先はベトナムです。この国には以前も行ったことがあるのですが、私が最初に行った海外ということで印象も強く残っており、旅行してから数年経った現在でも、また行きたいなぁといつも感じてました。最近、日本人の間ではベトナム旅行がブームとなっており、テレビや雑誌などでも頻繁に話題に取り上げられるようになってきています。そんな状況を見てると、さらにまた行きたい気持ちが強くなってきてしまいました。それで、ちょうどそんな時、運よく長期の休暇が取れたものですから、これはチャンス!ということで出かけることにしたわけです。

前回はホーチミンとミトーを訪れただけでしたが、その他のメコン河流域の街にも行ってみたいと思い、今回は下流の三角州(メコンデルタと呼ばれる)の街と、さらに上流のカンボジア国境近くにも行くという旅程を計画してみました。このルートには、ちょうど都合よくパックツアーが現地で催行されていたものですから、それに参加することにして、あとの日は、ホーチミンで美味しいもの食ってぶらぶら適当に過ごすというスケジュールで決定です。

旅行当日、関西国際空港からベトナム航空の直行便でホーチミンへ向かいます。通常、ベトナム行きの直行便はコードシェア便のため、ときどき日本航空のジェット機に搭乗する場合があるのですが、今日はめでたくベトナム航空でした。アオザイ姿のスチュワーデスにお目にかかれて何よりです。しかも前回よりもきれいな人が多かったし。

午後3時ごろ(現地時間)、ホーチミン市のタンソンニャット国際空港に到着です。おー、またやって来たぞ。相変わらず暑いぞ。気温32度だって。そりゃタラップ降りた瞬間に汗噴出するわ。

今日はホーチミン市内で1泊です。一夜目のホテルも日本から旅行代理店を通して予約を入れていたので、空港で現地の送迎ガイドさんと落ち合うことになりました。…しかしアレですね、ベトナム旅行がブームなだけあって、空港で日本人を待つ現地ガイドの数も相当なものです。自分のガイドを見つけるのにひと苦労しました。

15分くらい探してようやく発見。ガイドさんのお名前はヘウさん。片言の日本語をしゃべる24歳の男性です。実は明日から行うメコンデルタのツアーも同じ旅行代理店で申し込んだため、そのガイドも彼がやってくれるということになってます。長期間ですがどうぞよろしく。

送迎の車に乗ってホテルに直行です。道中、ホーチミン市内の光景を車の中から楽しんでみます。あー懐かしいですねぇ。やっぱりバイクだらけですねぇ。車はタクシーくらいのもので数は少ないです。相変わらず公安がいないところはみんな堂々と信号無視してますよ。ところでヘウさんの話によると、2年前ごろから、バイクに乗るときはヘルメットの着用が義務付けられたんだそうですが……あれ? でもかぶってる人なんて全然いませんけど?

  
どこもかしこもバイク、バイク…

しばらくしてホテルに到着。今日はフリーな1日なので、チェックインしてヘウさんと別れた後は、さっそくホーチミンの街をぶらつくことにします。海外に来た時にはまず市場を訪れるのが私の中での基本なので、まずはホテル近くのハムギー通りと交差する路上市場「チョ・クー」を散策することにします。この市場は以前も来たことがあるのですが、やっぱりいいですネ。ここはホーチミン市の1区にあたる場所なのですが、ホーチミン1区というと、高層ビルや豪華ホテル、高級レストランや公的機関などが建ち並ぶという、都会的な要素が多い場所です。そんな場所でありながら、庶民の生活が垣間見れる市場があるというのはなかなか貴重なものだと思いますよ。

ちなみにこの路上市場が開かれている道沿いには小学校(幼稚園かも?)があります。私が散策してた時間帯がちょうど夕方でしたので、市場内は子供達を迎えに来た親のオートバイでごったがえしていました。そのおかげで、前回私がここに来た時に感じた「ゆったりとした時間が流れてる」などという光景はどこにもなく、バイクの騒音と人々の荒々しい声で満たされていました。…ま、それはそれでいいんだけどもね。

  


チョ・クー (主に食材が売られている)

さて続いてはハムギー通りを西へずっと歩いて行きます。すると、観光客にとって有名なホーチミン市最大の市場、ベンタイン市場に到着です。屋内を歩いていると相変わらずおかしな日本語で声をかけられます。なかには、グッと私の腕をつかんできて「買ってよー」と声をかける客引きもいます。断わると「何でーっ?」と言いながら腕をバシッと叩かれます。…乱暴だぞオイ。


ベンタイン市場

ベンタイン市場内には食堂もあります。食堂が集まるエリアを歩いていると、そのうちの1つの店のオバちゃんに「チェーを食べてみないか?」と声をかけられました。「…そうだなぁ、食べ物だったら誘いに乗ってみてもいいか」ということで頂いてみることにします。チェーとは、ベトナム風のあんみつのことを指し、ベースとなる果汁や中に入れる果物を何にするかによって、いろいろな種類のチェーを作ることができます。ここで私は、ディスプレイで陳列されてた多数のチェーの中から適当に一つを選んでみます(5000ドン)。で、出されてきたのは、卵黄とヨーグルトがベースとなっており、イチゴ、コーヒーゼリー、白玉、寒天が入ったものでした。ちょっとボリュームがありすぎますが……あー、でも冷たくておいしいです。(旅行当時の為替:1000ドン=約8円)

チェーを堪能していると、同じ店のもう一人のオバちゃんが、「生春巻きもどうだ?」と勧めてくれました。ついでにこちらも頂いてみることにします。うーむ、生春巻きはやっぱり絶品です! (5000ドン)


チェーと生春巻き

市場を出た後は、他のいろいろな通りをぶらぶらします。ところで、こうしてぶらぶらしていると、以前に私がここに来た時とは大きく異なっている点をいくつか発見することができます。一つ目は、しつこい客引きがいなくなったということです。もちろん今でも声をかけられることは頻繁にありますが、1〜2時間もずっと付き纏われるということはなくなりました。せいぜい5分でみんなリタイアしていきます。観光客側としてはありがたいことですな。そして二つ目は、イヤというほど日本人ばかり見かけるということですよ。まあこれは仕方がないのですけど、ほんとにビックリするぐらいの人数がいますよ。老若男女、あらゆる層にこのベトナムは人気があるようですな。…でも男が一人で来てたというのは私ぐらいだったかも知れんけどね。


フォー (薬味として香草などが付いてくる)

夕食は路上市場近くの大衆食堂で食べることにしました。定番料理を食べておこうということで、ベトナム風うどん「フォー」を注文です。フォーというのは米麺のことです。材料からして日本のうどんとは明らかに違います。一般的なフォーの種類としては、フォー・ボー(牛)やフォー・ガー(鶏)などが挙げられますが、私がここで注文したのは、牛骨、魚肉ソーセージ、つみれなどが入った、ちょっと風変わりなものでした(10000ドン)。フォーは何度食べてもうまいですね。

夜もホテルには帰らずに、ホーチミンの街中を楽しんでました。ホーチミンは、夜になると急に治安が悪くなるのかと言えばそうではありません。もちろん路地などを歩くのは危ないですが、大通りならば夜でもバイクの音はやまず、人がワンサカといる状態なので、平気でぶらつくことができるのです。ちなみに私はといえば、サイゴン河でたまたま行われていた船上ライブを、現地の人たちと一緒に楽しんでました。

結局ホテルに戻ったのは夜10時くらい。 2回目のベトナム、最初の1日はこれで終了です。やっぱりホーチミンは再び来てみて正解でした。


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