§4 映画のロケ地 | (シェビカ村、オングエルジャメル、ネフタ) |
山岳オアシス巡りは続きます。次はシェビカ村というところに移動しました。これまでの2つの村とは違って、パッと見、どこが観光ポイントなのかよく分かりませんでした。とりあえずドライバーから降りるように促されます。この時間まで戻って来いと告げられて、そのドライバーはどこかに行ってしまいました。…え、なに? この村を観光するにはどこへ行けばいいの? ガイドブックを車の中に置いてきてしまったので3人とも分からない状態です。あのドライバーも勝手だなぁオイ。 とりあえず、お土産屋さんの近くに下り階段があったのでそこを下ってみます。トボトボと歩いていくと、ひとつの小さな滝にぶつかりました。ここで道は途切れています。私「これがこの村の観光スポットってこと?」。Tさん「さあ…?」。全員チンプンカンプンです。 で、何気なく私が上方を見てみると、他の観光客が山の上のほうでたむろしている光景が飛び込んできました。そうか、あそこまで登る道が別にあるってことなんですね。うーん、でもあそこまで登るのキツそう…。 でもせっかく来たんだから行ってみることにします。お土産屋さんの脇にもうひとつ別の道があるようで、そこを通っていくようです。しばらく登っていくと、土でできた建物群が見えてきました。どうやらこれも昔の村の跡だそうです。やはり洪水に見舞われたせいだとか。破損の状況がひどいもんです。最初見たとき古代の遺跡かと思いましたよ。
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シェビカの村落跡 | |
まだ山道が続いているようなので、さらに登ってみることにします。汗をぬぐいながら傾斜のきつい坂を上っていきます。いやあ、それにしても暑いです。いま午後2時なのでいちばん暑い時間帯です。気温としては日本の夏と変わらないと思うんですけど、炎天下のなか山登りなんて普段日本でやってないので、いざこうやって登ってみるとつらいもんです。体力衰えたかな…?
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村落跡の近くにあった建物 …これは何なんでしょう?
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岩と岩の狭い隙間を抜けて、ようやくビューポイントと思われる場所に到着です。あっ、結構眺めいいですよ。地表剥き出しの山と山の間に緑(オアシス)が見れました。植物もたくましく生きてるねー。
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岩の間から現れるオアシス | |
さて、タメルザ峡谷の観光はこれで終わりです。この後は、車で数10Km南のオングエルジャメルという場所に向かいます。 オングエルジャメルとは街の名前ではありません。映画のロケ地として使われた地域一帯を指します。実はチュニジア南部はかつて映画のロケ地として利用されたことがあり、オングエルジャメルもそのひとつです。つまり、もともとは何もなかった場所であり、映画が公開され一躍有名になったことで地名が付けられ、観光スポットとなったのです。 アルジェリア国境近くのロケ地一帯を指すオングエルジャメル、ここで撮影された映画とは「スター・ウォーズ エピソード1」と「イングリッシュ・ペイシェント」だそうです。しかし……ううっ、ゴメンナサイっ! 私ったら両方とも見てません。ですから正直言って、訪問したとしてもよく分からないかもしれません。この場所を観光すると分かっていながらも、あらかじめ映画を見て勉強して来ないなんてアホですなぁ。ま、帰国してから見ればいいか(←オイ)。 まず、「イングリッシュ・ペイシェント」で使われたラクダ岩のスポットに到着です。オングエルジャメルを日本語に訳すとラクダの首。つまりこの地名はこの岩がきっかけってことですね。…うーん、でもどうだろう? コレってラクダに見えるかい? 評価は各人に任せます。でもこの岩の形、珍しいといえば珍しいですけどね。…しっかし、このスポットの周りは何にもないですね。360度土漠の世界です。当時のロケハンってどんな感じだったんでしょうか。誰も足を踏み入れそうにないこんな荒涼とした場所に来て、よくこんなスポットを見つけたものです。
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オングエルジャメル |
蜃気楼? |
さらに南へ数km走ると、「スターウォーズ」のロケ地がありました。撮影のためにわざわざ街のセットを作り上げたそうです。作品中ではモス・エスパと呼ばれている所だとか。Tさんご夫婦は作品を見ていたようで、テンション上がりまくってます。私は見てませんけど、それでもこういう映画のセットってのは初めて拝見するのでそれなりに楽しめました。セットの裏ってやっぱこんな感じなんですね。
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モス・エスパ |
建物の裏 |
ちなみにこのセットの周りは砂丘となっていました。この旅で初めて砂丘を見ることができた私としては、そちらの方にも目を奪われます。まるで子どもが公園で遊ぶように興奮して砂丘を駆け上がったり、砂の感触を楽しんだりしてましたよ。風紋がもう少しきれいに出ていればより良かったかもしれませんね。
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モス・エスパの周りにあった砂丘 | |
このスポットでたむろすること数十分後、ドライバーが「帰ろう」と言い出します。ツアーの日程表では、このオングエルジャメルで夕焼けを鑑賞するなんてことが記述されましたが、もうドライバーは帰る気マンマンです。さっきからずいぶん勝手ですね。まあでも、今の時間帯はまだ陽がかなり高いです。このままずーっと夕焼けを待つのも暑さで耐えられないので、我々も何も文句言わずに帰ることにしました。しかし、よく考えたらこの日程表もおかしいんですよね。冬の季節じゃあるまいし、17:00に日没の鑑賞なんてできっこないですよね。このツアー、絶対机上で立ててやがるなー。 帰り道は砂丘ばっかりのところを通ります。ドライバーが面白がって傾斜のきつい砂丘を一気に車で駆け下ります。うわっ、怖えぇー! 転落しそう! ドライバー、アンタ笑いすぎ。 帰る途中、ドライバーが気を利かせてくれたのか、もうひとつの観光スポットと言われるネフタという街に立ち寄ってくれました。ネフタには街の真ん中に、コルベイユと呼ばれる、湧き水のオアシスがあるそうなのです。が、実際にそのコルベイユを見てみると…干からびてるじゃねーか! 底のコンクリートが丸見えです。どうやら最近は湧き水の量が減ってしまったらしく、そのせいで周りの木々も枯れ放題。オイオイオイ…。見晴らし台の近くには土産物屋が1軒ありましたけど、これじゃあお客さんは来ないんじゃないのかな?
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ネフタにて |
時間をしばらくもらったので、ネフタの街をぶらついてみることにします。コルベイユの見晴らし台付近は住宅街になっているようで、子ども達が遊んでいる光景が見られました。こんなエリアに足を運ぶ外国人は珍しいんでしょうか、最初は奇特な目で私を見つめてましたが、写真を撮らせてと頼んだらみんな被写体になってくれました。
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このネフタという街、特に私が歩いた住宅街は、なんとも落ち着いた雰囲気が味わえて意外とよかったように思えました。観光スポットばかり訪問するのもそれはそれでいいですが、やっぱり何気ない住宅街の雰囲気を見るのも好きなんですよね。
さて車は午後5時過ぎくらいに、昨夜と同じホテルに到着。本日の日程はこれで終了です。なかなか面白い光景ばかり見れて、いい1日でした。…でも、やっぱり暑さには参りましたな。ホテルに到着したころには頭痛と疲労を感じてましたよ。珍しい光景に浮かれてずっと日なたにいたのが原因でしょう。別に乾燥気候をナメていたワケじゃないですけど、明日以降は多少加減をしないときっと死ぬな…。
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