§2  静寂の古都 (バクタプル、ドゥリケル)

さて2日目。本日の午前中にネパールへ向かうわけなんですが、もうちょっとタイの街の雰囲気を満喫しておきたいなと思ったので、今朝は6時くらいに起床、そして朝食を取ったらすぐに外出です。日の出の時刻を過ぎたばっかりだったので外は暗かったんですが、すでに食べ物の屋台などは店を開いてました(なぜかホテル近辺の屋台は朝っぱらから串焼きの店が多いという…)。飲み食いしながら、また1時間ほど市内をぶらぶらと散歩です。

8時ごろ、そろそろ乗継便のフライト時間が迫ってきたので、ホテルをチェックアウトして空港へ。現地係員とお別れをしてカトマンズ行きの飛行機に乗り込みます。そして約2時間半のフライトを経てカトマンズ市内のトリブヴァン国際空港に到着です。…しかし何ですかこの空港は? 外装はきれいなんですが、屋内はえらくしなびた空港に見えます。しかもイミグレーションのデスクが、ビザ所有の外国人に対してはたった1個しか用意されてないとは。…そら行列になるわな。

さてここからは、日本から申し込んだ1泊2日のオプショナルツアーが予定に入っているので、タイとは異なる新たな現地係員さんと行動を共にします。その係員さんが空港の前で私を待っててくれていると聞いたんですが……なんと、空港の外に出たとたんに客引きの嵐がいっせいに私のところにドドドッと駆け寄って来るじゃないですか。これがまたすごい日本語が流暢な連中だから余計最悪です。オイオイ、こんな大人数の中から係員さんを見つけるなんてできないんじゃないのか!? コラ、そこの警備員! ボケーッと突っ立っていないでこやつらを排除しやがれ!

それでまあどうにか係員さんを見つけて、さらにこのツアーの他の参加者と合流をしてから空港を出発です。結構な人数がこのツアーに参加しているのかなと思ってたのですが、どうやら私以外に2人しかいないようですね(なんて人気のないツアーなんだ)。ちなみにそのお二人は松木さんという方で、海外にはもう10回以上行かれているというプロフェッショナルのご夫婦です。この3人で寺社巡りツアーに出発とあいなりました。

まず車は、空港以東15qに位置するカトマンズ盆地の三大古都のひとつ、バクタプルへ向かいます。この町は15世紀から18世紀までは首都だったらしく、そのとき建築された寺院や建物があまりにもすばらしいために世界遺産に登録され、今でも大切に保存されているのです。建物は寺院はおもに木造建築、その他の住居は赤レンガで作られたものが多かったです。…そうそう、ちなみにこの町、観光するのに外国人は金を取られます。この町の景観の維持費に使うらしいですよ。なんだかガメツイ気もしますけどネ。

係員さんのガイドでまずはダルバール広場から見学です。だだっ広い広場の周りにはたくさんのヒンズー教の寺院や神像が建てられていました。さすが元首都だけあって王様の住居(旧王宮)もきちんと残っています。その旧王宮の金色の門をくぐり、道に沿って歩いていくと、タレジュ・チョークと呼ばれる、ヒンズー教徒がお祈りをするための広場がありました。今でも信者達にとって神聖な場所とされているようです。しかしどうやらヒンズー教徒のみしかここへは入れないようで、広場の前では警官が大きな銃を携帯しながら警備してましたよ。


ダルバール広場


旧王宮には王様の浴場跡なんてのもあった

ダルバール広場を後にして、次の観光名所までの道程として、私たちは迷路みたいな路地を抜けていくことになります。ここでは単に通り過ぎただけですが、私自身としてはこういう路地裏ってなぜか大好きなんですよね。もっとゆっくりと歩いてみたいもんです。なんてことはない路地裏でも、現地の人々の普段の生活を垣間見れるから、きっといい勉強になると思いますよ。


バクタプルにはこういった路地が多い

で、我々一行は、バクタプルの中で最も陶芸業が盛んな集落へ立ち入ります。広場の地面の上には陶器がずらりと並べられていました。どうやらここの集落の人たちはこれで生計を立てているようです。しかし最近はお皿や壷などを作ってもあまり売れないため、陶器の貯金箱の方を生産することが多いみたいですね。

ここで我々はネパール人の一家庭にお邪魔して、陶芸作業の様子を見せてもらうことにしました。さすがこれで飯を食っているだけあって、なんとも上手に作りますなぁ。ガイドさんの奨めで私も一度チャレンジさせてもらいましたが……私にはこんなの無理だな。できそこないのお椀ばっかりだ。


短時間でうまいことやるもんだ

その後はトウマディー広場やらタチカバル広場などいろいろな名所を巡ってみました。その中でもやっぱりすごかったのはニャタポラ寺院と呼ばれる五重の塔かな。話によるとカトマンズ盆地にある寺院の中では一番高い建造物とのこと。よくもまぁこんなでかいのを昔の時代に作れたものですよ。本堂に上るだけでも相当しんどい。


ニャタポラ寺院

以上でバクタプルの観光は終了です。2時間くらいかけてこの街を歩いてみましたが、全体的な印象としては、すごい静かで、まるで時間が止まってるような感じがした街でしたね。現地の人たちものんびりとした生活を楽しんでるように見えました。なんだかいいですよね、こういう暮らし方っていうのも…。ここはおすすめです。今回は時間がないので全部を見て回ることはできませんでしたが、次回来る機会があったら、一泊するくらいの気持ちでゆっくり時間をかけてぶらついてみたいですね。

さてバクタプル観光の後は、さらに車で東へ15〜16q走ります。実はポカラという街まで行かなくても、ヒマラヤの景勝地がカトマンズ盆地内にあるということなのでそこへ向かいます。悪路を突き進んで20分後、ドゥリケルという街(というよりは村っぽい)に到着です。そしてこの街で今日は一泊することになりました。で、今回泊まるホテルは……うーむ、ホテルというよりはどちらかというとロッジっぽいですね。案内された自分の宿泊部屋に入ってみると…なんとシャワーはしか出ません(しかも黄色く変色した水だったりする)。そしてテレビが置いてあるのですが、ものの見事に故障してます。しかし何よりも驚きだったのは各部屋に必ずロウソクが用意されているんですよ。何だ? そんなにこのホテルは電力事情が悪いのか?

…でも個人的にはなかなかいい感じのホテルです。私のような輩には高級ホテルなどもったいない。こういうところで十分なのですよ。それにいいところもあるみたいで、このホテルのウリは、宿泊部屋の窓からヒマラヤが一望できるというところ。なるほど、確かにこれはきれいです。これだけでも心が洗われる感じがしますねェ(ちょっと霧がかかっていたのは残念だったけど)。

中途半端に時間が余っているのでドゥリケルの街中でもぶらついてみることにします。バザールはホテルから少し離れたところにあるのでしばらく徒歩で向かうのですが、しかしここは砂ぼこりがひどいです。一応道路は舗装されいるんですが、そのアスファルトの上がなぜか砂まみれになっているため、トラックなどが通ると一瞬目の前がホワイトアウト状態になるのです。どうやらこの街の近くでハイウェイを建設しているらしく、トラックの大群が一斉にこの砂まみれの道を通ります。うわっ、目を開けてられないっての! おまけに排気ガスもくせーよ〜!

…とまあ、なんとか苦戦しながらドゥリケルの中の唯一のバザール、マヘンドラ・チョークに到着。ここまで来ると車が少なくていいですな。バザールといってもやはり田舎だからでしょうか、かなり敷地が狭いです。おまけにのんびりした雰囲気。バクタプルの町並みを思わせるようです。1時間くらいぶらついてみました。客引きもいなけりゃ、外国人観光客も私一人ときたもんだ。こういう質素で何もない田舎町ってのも案外いいのかもしれませんね。


ドゥリケルはひっそりとした街
でもそれが何だかよかったりもする

さて暗くなったのでホテルに戻って夕食。ガイドさんも一緒に泊まるということなので、みんなで夕食をとろうということになりました。4人でわいわいと雑談をしながら食事を楽しみました(もちろんアルコール摂取)。で、夕食の後は特にすることがないのですぐに就寝です。


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