§4  上海ナイトライフ (上海)

時刻は午後7時をまわり、辺りはもう暗くなってますが、ここでホテルに戻るなんて事はありません。せっかく上海に来てるんですから、やっぱ夜の娯楽も満喫せねばなりません。「上海の娯楽の大半は夜に詰まっている」なんてガイドブックに書かれちゃあ、そら乗らないわけにはイカンでしょう。

上海にはディスコやらバーやら、日本と同様のナイトスポットが多数ある一方で、中国雑技団のショーなど中国らしいものもあります。とにかくまあいろんな種類の遊びがあるわけですが、ここでは私が訪れてみたナイトスポットについて述べることにします。

外難(バンド)。観光地としては、豫園と同じくらいに有名なエリアです。豫園から黄浦江という川に沿って北に歩いていくと辿り着きます。上海にはかつて租界と呼ばれる、外国人(主に欧米)が治外法権を管理するエリアがあったのですが、この外難のエリアはその租界時代の建物が多く現存しているのです。別に建物に興味なくても、他のエリアとは異なった、欧米様式の石造建築がずらっと並ぶ光景を見ると、思わず「おっ」と見入ってしまいます。で、その建物群をはじめ、黄浦江対岸のテレビ塔(東方明珠塔)や高層ビル、バンド側の遊歩道が、夜になるとライトアップされるのです。

私が行った時は対岸のネオンがきれいに見れました。ときどき、街中の排気ガスによるスモッグのせいで、曇って見えちゃうことがあるらしいですが、このときはそう酷くもないようでツイてました。また、石造建築群のライトアップもきれいでした。

  


バンドと対岸(浦東)側のライトアップ

有名な観光スポットなので、ここは夜遅くまで人が大勢います。観光客、客引き、現地のカップルなどが集まり、お祭り騒ぎみたいになってます。実は別の日にもここに訪れてるのですが、確かそのときは深夜12時を過ぎてたと思います。さすがにその時間にはすでにライトアップは終了してるのですが、それでも人がいっぱいでした。夜景に限らず、こういう喧騒を夜遅くまで楽しみたいという場合にも、この場所はいいのではないかと思いますね。

続いてのスポットは日式高級クラブ。…ええ、すいません、バンドエリアの散策の後に行ってしまいました。いや、やっぱり一度でいいから高級クラブなるものには行ってみたいと思ってたんですよ。でも日本だとすごい高いですし、一方で外国の日本人向けナイトクラブだったら多少安く飲めるかなぁと。それで、今後もし海外に行ける機会があったら、ぜひ試しに行ってみようと思ってたのです。日本人向けナイトクラブに関しては、上海行きが決まった当初からあらかじめ情報収集してまして、いくつかめぼしい店を選んでました(我ながら用意周到)。その中で私が選んだのは、バンドからおよそ南西に4kmの場所、淮海中路沿いにあるお店です(参考資料)。特に深い理由はないんですけど、落ち着いて飲める所だそうなので。

店の入り口からしてかなり高級な所のようでしたが、度胸を入れて一人で乗り込んでみましたよ。私が来たときにはお客は誰もいませんでした。そしてこのとき私に、日本語ペラペラのキレイな女性が1人ついて、その方とお酒を楽しむことになりました。どうやらこの店、客層は上海に駐在する日本人ばかりで、私のような観光客が来ることはめったにないのだそうです。ま、そりゃあそうでしょう、旅行者でナイトクラブ、しかもこんな高級なところに来るのはたぶん私くらいのもんでしょうね。駐在員御用達にしては今日はなんで誰も客が来ないのかと聞いてみたところ、上海在住の日本人は連休中に日本にいったん帰国する人が多いからではないか、とのことでした。なるほど、ということは、日本人観光客がクラブに行きたい場合、お客が少なめの連休中を狙った方が、駐在員だらけという状況に臆することなく落ち着いて楽しめるってことですね。これはいい情報です。(いい情報って言っても、今後いつ役立つのか分からんけど)

相当お店がヒマだったのか、これ以降、私のところに最高で一度に5人もの女性がついて、ちょっとしたパーティーっぽくなりました。結局およそ3〜4時間くらい居座ってカラオケやらおしゃべりやらちょっとしたゲームやら一気飲み大会やら(←?)を楽しんだのでした。気づいたら深夜1時をまわってました。しまった、調子に乗って長く居過ぎた…。

それで、気になるお会計ですが、950元でした。おーっと、結構つきましたねー。でも日本に比べたら断然安いし、それにもともとVIP向けと謳ってて、まさにそう思わせるほどの店内の落ち着いた雰囲気、そして好感触の接客態度だったので、十分許容できる値段といえるでしょう(それによく考えたらオレ、値段高めのボトルを入れたなぁ…)。こうして2日目の夜は、少々特異な内容でしたけど結構楽しめました。この後アフターに誘われたんですけど、さすがに眠気がきたので丁重にお断りして、この日は深夜2時にタクシーでホテルに帰還です。(←本当にそのまま帰ったのか、という疑問もあるかと思いますが、そこら辺は私を信じてもらいたい)

さて話は変わって、時間はちょっと前後しますが、中国滞在4日目の夜にも出かけたところがありました。バンドエリアの石造建物群のひとつにホテルになってる建物があるのですが、そのホテルの1階にオールドジャズバー(老年ジャズクラブ)と呼ばれる、観光客に人気のジャズバーがあるのです。その日はそこに出向いてみました。

このバーは、ジャズの名曲の生演奏が聴けるバーです。なぜ人気なのかというと、そのバンドのメンバが意外な人たちだからです。実はみな70代を超えたご老人ばかりなのです。老人でありながらも、すばらしい演奏が聞けるとのことで、日本のガイドブックやテレビなどでも、大々的に取り上げられているみたいです。

私が行ったときには、店内は満席に近い状態でした。ガイドブック効果からなのか、あるいはツアーで組み込まれているからなのか分かりませんが、日本人のお客さんが多かったです。普通に日本語が聞こえます。

午後8時から1セット目の演奏開始です。この方々のレパートリーはなんと70曲もあるそうで、お客さんから挙がったリクエストのナンバーを奏でるそうです。曲目のオーダーリストを見せてもらうと、「テイク5」や「イン・ザ・ムード」など、ビックバンドの王道の名曲がズラリです。日本人のお客さんが多いことを意識してか、「北国の春」「荒城の月」なんてのもレパートリーに入ってました。

それでまたこの人たちの演奏が上手いです。特にトランペットとドラム最高。70を超えているというのに、よくもあんなパワフルな演奏ができるものですね。彼らの演奏に魅了されたのか、曲に合わせて踊りだすお客さんなんてのもいましたよ。いや、気持ちは分かります。私も魅了されて、水割り1杯とビール2杯だけで、3時間(2セット)も粘りました。それほど長居するだけの価値はあると思います。やっぱりバーに一人で行くなら、こういった生の音楽が聞ける所に限りますね。


老年ジャズクラブ

以上、私が堪能した夜遊びを挙げてみました。私が足を運んだところは、夜景と酒を飲むところだけでしたけど、まだまだ上海には前述したディスコや雑技団ショー、イベントのあるカフェバー、伝統劇の劇場など、エンタテイメントがたくさんあります。そして現在もそういったスポットの数が増えてるそうです。これからも上海の夜は見逃せないと思いますね。皆さんも上海に行く機会がありましたら、こういった夜遊びを満喫してみてはいかがでしょうか。

そうそう、ちょっと補足。もしバーや日式のクラブに行くのでしたら、ちゃんとフリーペーパーとか、Webで紹介されている店を選んだ方がいいみたいですよ。やっぱりトラブルって相当あるらしいですから。


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