『見えない気持ち』 あまりはっきりとは覚えていないの。 あの時の私は自分自身のことで無我夢中でそれが全てだったの。 でも、それでもかすかに覚えている。 それは私の思い込みなのかしら。はっきりとしていないから確信がもてないの。 だけど……誰よりも心配そうに私を見ていた……その瞳を覚えているような気がするの。 「キャンディ」 声を掛けられて私は振り返る。その声の主は分かっていた。 振り返った先には、深緑の髪をした小さくて可愛い女の子。 おどおどとした態度が多かったけれど、可愛くて護りたくなってしまうような雰囲気をもつ子だから、私は余計に彼女に嫉妬してしまったのかもしれない。そんな事を思った。 勿論今はそんな見方はしていないけれど。 オリーブはキャンディの顔をじっと見ていたが、嬉しそうににっこりと笑った。 「……良かった。キャンディ、魔法が使えなくなってしまったから心配していたんだけど…大丈夫そう」 心を読めるのは辛いと言う彼女は、どちらかといえば積極的に人の心を読んでいるような気がする。現に今もしっかりとキャンディの心の中を見透かしたからこそ、彼女が以前のこだわりを綺麗に消し去ってしまった事に気が付くのだから。 前にエニグマみたいだと辛く当たってしまったけれど…考えてみればキャンディだけではなくガナッシュも…それに他のみんなも彼女にしっかりと心を読まれているように思う。本人は心を見たくて見ているわけじゃないとは言ってはいるものの…そのわりにはしっかりと観察されてはいないだろうか。 勿論、そんな考えはオリーブには筒抜けである。彼女は苦笑いを浮かべた。 「……随分前に私、ガナッシュにこう言われた事があるのよ。 『お前は、人の心の中に土足で入ってくる』って」 オリーブは、ふふっと笑う。そして自分の言葉を聞いて、またオリーブを傷つけてしまったと思っているキャンディに優しく微笑みかけた。 「良いのよ。確かにみんなにとって心が見えないのが普通だもの。 だけどね、私は物心がついた時から…ごく普通にみんなの心が見えていたの。 小さな私には人の表裏なんて分からなかったし、周りの人も表裏が無いに等しい人達ばかりだったから…私が心の中をのぞいていたのを知っても誰も気味悪がらなかったくらいなの。 だけど、ある時エニグマを抱いた人を見たの。その人の心の中は怖いもので溢れていて…私は初めて人の心が見えるのが怖くなった。 でもね、見たくないって思っても見えるのよ。目を開ければ景色が見えるように、耳に音が聞こえてくるように、それと同じような感覚で人の心が入ってくるの。 それが私の当たり前のことだから」 そう、例えば息を吸うくらいに当たり前のこと。他の人には備わっていなかったとしても、自分にとってはひどく当たり前のことなのだ。 だけど、知る事と理解する事が違うのは早くから気付いていたし、自分に出来る事と出来ない事も理解していた。 だからいつしか傍観者のようになり、全てを受け止めるようにしていた。だけど、それはあくまで受け止めるだけ。もし、その人が求めているのなら…そしてそれに答えられるのなら応えようとしているだけかもしれない。いくら人の心がわかるからといっても万能ではないし、神様でもないのだから。 だからガナッシュの理解者になろうとしたし、キャンディの『誰にも分かってもらえない孤独』に対してそうではない事を示した。 オリーブに分かる事は…分かろうとしなければ分かってもらえないという事だけ。そして、いつかはきっと心を開いてくれると信じる事だけ。 そういう点ではガナッシュとキャンディはよく似ているのかもしれない。 少なくとも、今のキャンディから感じる気持ちは…今までの優秀であろうとして高みを目指す事ばかり考えていた彼女ではなくなっている。大きな視野を持つ人に成長したことを感じていた。 オリーブはそういう人をいつも見ている。きっと、もうキャンディは大丈夫だろう。次はガナッシュの番だ。 「……オリーブは強いのね」 彼女の話を聞いていたキャンディは本心のまま呟く。 人の心が見える事が当たり前の彼女にとって、心を読むという事はごく普通の事なのだろう。だけど、彼女はキャンディの今までの気持ちも全て知っていた。必死になっている事も理解してくれていた。ただ、それを言わなかっただけなのだ。全て受け止め、見ていたのだ。それはキャンディだけでなく、彼女に関わる全ての人に対して。それは想像がつかないほど大変な事だろう。 それでも彼女は『それが当たり前だから』と答えるのだろう。それはとても凄い事に思えた。 ほら、またたいして凄くないのにといった顔をしている。 私なんて…何も見えていなかったのに。キャンディは思った。 オリーブは知らない所で誰よりも自分の事を知っていたし分かってくれていた。もし、自分が彼女を恋敵としてではなく見れていたらそれに気が付いただろうか。 いや、気が付かなかっただろう。 誰かに理解して欲しいと願いながら、周りの人を理解する努力に欠けていたと思う。 だからクラスのみんなには迷惑ばかりかけて…自分勝手だの馬鹿だの言われてもしょうがないと今なら思う事が出来た。あまりにも、周りを見ようとしていなかったから。 そして、思い出す。先日の出来事を。 オリーブだけでなく、もう一人キャンディと戦おうとしなかった人が居た事を。 彼がどんな顔で自分を見ていたかは覚えていない。だけどひどく心配そうな目で見ていたような覚えだけはある。 そう、何故…何故彼はあの時戦ってこなかったのだろう。 私は牙を向けたのに。友達といえど倒そうとしたのに。 オリーブが戦わなかった事は分かる。彼女はそれでは解決しない事に気が付いていたからだ。必要なのは力ではないことを知っていたからだ。 だけど…何故、何故彼は戦ってこなかったのだろう。少なくとも自分が知る範囲では彼は非常に友達思いで…きっとあの場面だったら間違いなく私と戦ったと思うのに。 キャンディはオリーブに視線を落とす。オリーブなら知っているのだろう。全てを見て、受け止めている彼女なら。 だが、オリーブはゆっくりと首を横に振った。 「駄目よ、キャンディ。私は知ってはいても、その気持ちを代弁する事なんて出来ないわ。 人の気持ちっていうのは本人が持っていてこそ輝くの。気になるのなら直接聞かないと……意味の無いものになってしまうから」 オリーブにさとされて、キャンディはためらいがちに頷く。どちらかといえば、こういう時こそオリーブのような力が欲しくなるものだ。言葉にせずとも気持ちが分かるというのに……。 それに…確証も無かった。それは本当だったのかさえ。もしかしたら自分がそう都合よく思い込んでいるだけかもしれない。 「……ねえ、オリーブ。これだけ聞いていい? あの時……キルシュは私に魔法を唱えてこなかったのよね?」 「……うん、そうだよ」 キャンディの言葉にオリーブは頷く。 少なくとも幻ではなかったらしい。あの時、キルシュが戦ってこなかった事も。 ……そしてキャンディとは戦えないと言った事も。 キャンディはオリーブに再び視線を移した。 今回の出来事で、魔法に対するこだわりも消えたし、今まで見えなかったものが見えるようになった。 ……今ならオリーブのように人の心も受け止められるだろうか。 人にわかって欲しいと願っていた逆の事、人を分かろうとする事は出来るだろうか。 ……オリーブのようにちゃんと受け止め理解する事が出来るだろうか。 今まであまりにも周りの人の気持ちを分かろうとしなかったから自信は無い。 だけど、キルシュの気持ちは聞いてみたかった。 あんなにワガママだったのに。あんなに苦しめたのに。あなたを傷つけようとしたのに。 それなのに…どうして戦おうとしなかったのか。どうして甘んじて攻撃を受けたのか……。 最初の光はオリーブがくれた。決して一人ぼっちじゃなかった事を。決して誰も理解してくれていなかった訳ではなかった事を教えてくれた。 ……キルシュはもう一つの何かを持っているような気がした。 きっとオリーブだったらすぐにわかる事なんだろうけれど、あいにくそんな力は持ち合わせていない。だけど…答えてくれるかは別として尋ねる事はできる。彼女のように知る術を持たないものが出来る唯一の方法だから。 「大丈夫よ、キャンディ。恐れないで。人の心を知ることって…怖い事ばかりじゃないから」 オリーブは優しく微笑むとキャンディの手を握った。彼女の温かさが手を通じて伝わってくる。それが安堵感をもたらした。 不思議と勇気がわいてくる。 オリーブは不思議な力を持った女の子だ。 今ならそれが分かるようになった。 オリーブは自分の事を理解してくれていたけれど、自分はオリーブの事を何も知らない。 これから知っていく事はたくさんあるのだ。 それを恐れずに受け入れられるように……。 とにかく気になったらまず行動だ。これに関しては昔から変らない。勿論、肝心の事が言い出せなくてウジウジしたり、嫌な自分もいっぱいあったけれど、こういう行動的な自分は結構好きだった。 動き出さなければ何も始まらない。それだけは確かな事だと思うから。 キャンディはまず魔バスの中を覗く。だが、目的としている人物は見当たらなかった。 彼はインドア派ではない。自分と一緒でじっとしているのが苦手なタイプだ。 キャンディは魔バスから飛び降りると近くを見渡す。 寒々しい死のプレーン。あの時は半分はエニグマの言いなりになっていたところもあったし、ガナッシュと戦う事ばかり考えていたから気が付かなかったが…改めて見れば見るほど寂しい世界だ。多くの命が新たな旅に出る、最後の死出の国。それに相応しいだけの環境である。 本当にみんなよく来てくれたものだ。助けようとしている目的はガナッシュだけだろうと思い込んでいたけれど、実際みんなキャンディの事を深く心配してくれていて、それゆえに怒られたのだという事も今なら分かる。 本当に知らない事が多すぎた。 今まで自分ひとりが生きているように思っていた。自分ひとりが辛いんだと思っていた。 だけどそんな事はなかったのだと今なら分かる。 もっともっと早く気が付くべきだったかもしれないのに。みんな、それに気が付いていたのだから。 私だって…気がつけたはずなのだから。 無機質な砂利道を歩く。向こうに金色の髪の少年が見えた。 地面を見ては何かを一生懸命探しているようだった。そして、何かに必死に飛びかかってばたばたしている。 ……何をしているんだろう。 不思議に思ったキャンディは彼のもとに近付いた。少年はキャンディに気がつくことなく何かを必死で押さえ込もうとしている。 「なにしてるの、キルシュ?」 「あ?……え?キ、キキキキキキキキキャンディ?!」 かけられた言葉に振り返った少年は、話し掛けていた相手がキャンディだと気が付くと大慌ての顔になって思いっきり逃げ腰に変わる。 だが、逃げ腰になられると追求したくなるのがキャンディだ。隠されると余計に気になる。 「何?何をしていたの?教えてくれたっていいじゃない」 キャンディにずいっと言い寄られて、キルシュはばつの悪そうな顔をして、おずおずと背中に隠していた両手をキャンディの前に出す。 キルシュの両手にはカプセルに閉じ込められたばかりの赤カエルグミが居た。 「……このカエルグミ、赤い!」 まともに見たことの無かったキャンディは驚きの声を上げる。カエルグミといったら緑やら青が相場である。お店でもこれしか見たことが無い。 キルシュは困った顔をしていた。 「……野生には赤も居るんだ。一番、元気になるんだぜ」 説明している口調はなんだかたどたどしかったが、珍しいものを見たキャンディにとっては気にもならなかった。 「わ〜、すっご〜い!これどうするの?キルシュの非常用?」 「……いや、人にあげようと思って……」 「誰?誰?アランシア?それともセサミ?あ、もしかしてマロン達?」 次々に飛び出してくるキャンディの追求にキルシュは当惑した顔のままだった。だが、キャンディの追求は止まらない。さすがに観念したのか、キルシュはその両手をずいっとキャンディに差し出した。 その時点でキャンディはそれが自分のために捕まえてきてくれたのだとやっと理解した。 だが、キャンディはやはり確信が持てない。それは思い込みなんじゃないのかと思う。 キルシュとは仲は良かったけれど、そこまでしてもらえるような関係でも無かったと思う。少なくとも、自分自身はそこまでではなかった。キルシュだけではなくあらゆる人に対してそうだったのだけれど。 キャンディはおずおずと尋ねる。 「……それ、私に?」 「…………」 言葉にするのが照れくさいのか、キルシュはキャンディの質問に無言で頷いた。首を縦に振り、肯定の意味を示して。 「……ありがとう」 信じられない気持ちでキャンディは赤カエルグミをキルシュから受け取った。一方のキルシュはキャンディが受け取ってくれて安心したのか、安堵の表情を浮かべた。 キャンディは赤カエルグミとキルシュを交互に見る。そして…最初にキルシュを探していた理由が重なった。 キルシュは本当に私のことを心配してくれているんだ。 キャンディはそれを強く感じた。思い込みなんかじゃない。都合よく解釈したわけじゃない。本当に、本当にキルシュはキャンディの事を心配してくれているのだ。そう、クラスメイトの心配とはまた違う雰囲気を持って。 「……ねえ、キルシュ」 キャンディは思い切って尋ねることにした。最初に聞こうと思っていたことを。今しかないと思った。 「……どうして私と戦わなかったの?」 キャンディは何とかしてその言葉をつむぐ。答えを聞くのが怖かった。だけど、聞かずにはいられなかった。だから、一生懸命、その言葉を発した。 対するキルシュはキャンディのその言葉に、明らかに表情が変わった。安堵して笑顔に戻りかけていた顔は青ざめて強張る。 彼にとっては触れられたくない話なのかもしれない。 キャンディは急にその事に気がつき慌てた。 また私は相手のことも気遣わずに酷いことを言っているのだ。自分勝手な気持ちのままで。 「あ、あの……言いたくなかったら良いの!!どうしてもってわけじゃないから!」 後半は嘘だけれど、キャンディは必死になって言い繕った。先ほどの自分の言葉で、キルシュの気持ちを踏みにじってしまったような気がした。それを何とか元に戻したかったのだ。 「……キャンディが悪いんじゃねえよ」 必死に言い繕うキャンディを見て、キルシュは言いにくそうにそう低い声で言った。その表情はとても辛そうだった。 「……キャンディが悪いんじゃねえよ」 キルシュはまたそう繰り返す。その右手は強く握られ、震えていた。 「……俺は……ただあの時どうして良いか分かんなかっただけなんだ。 キャンディが俺を殺したとしても、俺はやっぱり戦えなかった」 声が震えていた。俯き、握られた拳もその肩も震えていた。 「自分が許せなかったんだ、どうしても許せなかったんだ! キャンディがあそこまで思いつめてたのに気がついてやれなかった! 分かってやれなかった! 助けてやれなかったんだ……!」 キルシュは俯いたまま震えていた。泣いているようだった。だけど、彼は震えた声のまま続けた。 「……ごめんな、キャンディ。 ごめん……本当にごめん」 キャンディはキルシュの告白を黙って聞いていた。胸がどうしようもなく痛かった。そしてどうしようもなく熱かった。胸が一杯になって涙が零れて来た。 どうして気づかなかったのだろう。 彼はこんなにも思ってくれていたのに。こんなにも優しいのに。 どうして人はこんなにも分かり合うのに時間がかかるのだろう。 人の心が読めるオリーブにしたってこれは同じなのだ。本当に心が分かり合うのはとても難しい事なのだ。 キャンディは涙が零れるままに、俯いたままのキルシュをそっと抱きしめた。 「……ありがとう、キルシュ。 私こそごめんなさい……。自分勝手ばかりしてごめんなさい……」 そう、ちゃんと見回せば理解してくれる人はちゃんと居たのだ。 ずっと見守ってきてくれたオリーブ。大切に思ってくれていたキルシュ。こんなにも理解してくれる人は居たのに。 オリーブは周りを見つめ受け止めることを教えてくれた。 そして…キルシュは優しく人を思う気持ちを教えてくれた。 力だけが…優秀であることだけが全てではないんだと教えてくれた。 そう、私にはこんなにも素敵な友達がいるのだと心の底から嬉しかった。 だから、今度は私がキルシュのように優しく人を思う気持ちを持っていかないと。そうキャンディは思った。 嬉しかったから、本当に嬉しかったから。 しばらくして平静になったのかキルシュは今の自分の状況に気が付く。 ……今、自分を抱きしめているのは……大好きなキャンディ。 「うわあああああああ?!」 いきなり悲鳴にも近い叫びを上げるとキルシュは飛び跳ねてキャンディから離れる。 その大声に驚いて、キャンディはポカンとしていたが、大慌てでパニックになっているキルシュを見て笑い出す。 「あははははは!」 キャンディは楽しくておなかを抱えて笑い出す。だが、笑われていようがどうしようがキルシュはそれどころでは無い。どうして良いやら分からなくてひたすらオタオタとしていた。 大笑いしながらキャンディは久々に晴れ晴れとして楽しい気持ちを感じていた。こんな気持ちを感じるのは久しぶりだった。 人の気持ちは見えない。見えないけれど分かり合わなければ始まらない。 人の心を受け入れる気持ち、優しく思う気持ち。何より大切な気持ちを教えてもらった。 キャンディの心の中でオリーブとキルシュの存在が大きくなる。それがとても誇らしかった。 大切な気持ちを教えてくれた二人だから……。 だからきっとこれからはもっと優しい人になれるだろう。オリーブやキルシュのように。 素敵な友達を持っている自分が何よりも誇らしく思えた。 キャンディは改めて自分の前途が明るく拓けたのを感じていた。 終わり。 一応アンケートに基づいて書いたらしい話です。キャンディ中心とか多かったような気がするのと、私、キャンディを書くのが結構苦手なので…それじゃあ彼女を頑張ってみようかなと。 えっと、見事なまでにキルシュ×キャンディ!!とても本命がアランシア×キルシュで、キャンディのお相手は男主人公とか良いよねvとか思っている人とは思えない出来栄えでございます。キルキャン好きなんですよ、やっぱり。とても賛同者は少なそうな気がするんですが。 ちなみにこの話のきっかけは、ある方の感想を見て。実際、ゲームで直接パーティから抜けるのと抜けないのとでは感じ方もきっと違うんだろうなと思ったんですよね。 キャンディにとって、あそこで戦わなかった人っていうのは大きいと思うのです。自分に牙を向けなかった人っていうのは、やっぱり特別じゃないかなと。だからオリーブとキルシュって、彼女の中でまた違う存在なんじゃないかなと思うのです。そして、彼女を照らす存在なんじゃないかと思ったりします。 キャンディって恋より素敵な友情を見つけた子なんだと思っていますv とりあえず、うっかり書くと痛い話になりそうなキャンディですが、やわらかい感じでまとまって良かったです。キャンディの話が見たいと言って下さった方々はきっとキルキャンが見たかった訳ではないと思うのですが…書いた人はそういう人ですので諦めて下さい;; |