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ABO FAN


28.gif (298 バイト)血液型裁判

 血液型裁判が1審、2審とも判決が出ましたので、情報をまとめてみました。
 原告岡野さんの敗訴ですが、判決文には、“実質勝訴”と解釈できる文章があります。

 詳しく知りたい方は、岡野さんのサイトをどうぞ!


■最新情報 (H28.7.18)

 岡野誠さんの最新刊『血液人間学は科学的に実証されている!〜血液型は細胞型の問題と理解しろ!』が7月に発売されました。
#残念なことに、入手が難しいようです。(*_*)

 p169から紹介します。

 ところで、被控訴人[BPO]が指摘するBPOに伝達された視聴者からのクレーム件数とは具体的に何件だったのか。一審から再三に亘り、その質問を私が投げかけても無視される一方であった。正式に認知している数値は、本件要望に記載されている9件のみである。
 (中略)
 ここは、控訴審裁判官への正確な判断材料として、正確なトータルクレーム件数は何件だったのかをBPOは私[岡野さん]に返答すべきであった。この報告をBPOが高裁でも拒否したがため、クレームトータル件数は、9件と認定せざるを得ない。

 この記述が事実だとすると、9件のクレームでBPOは血液型を「差別」と認定できることになります。少々信じがたい話ですが…。

 こうなると、BPOの中立性や、この要望の妥当性について、少々疑問になってくるのは私だけなのでしょうか? -- H28.7.18
 


■控訴審判決文の全文を入手しました!

 先日、岡野さんから控訴審判決の判決文全文のコピーをいただきました。
 どうもありがとうございます。m(._.)m
 ざっと目を通しましたが、なかなか興味深い内容です。

 一言で言うと、「実質勝訴」です。
 これからは、たとえ占い系の番組でも、BPOが血液型番組に「要望」をする可能性は非常に低くなったと思います。
 というのは、また「要望」が出ると、岡野さんが改めて提訴ということもありえるからです。
 BPOや、当時の「要望」を出した中心の委員(=心理学者たち)にとっては全く割に合わない話なので、まぁ、そんなソンなことはしないでしょう。v(^^)

 これで、TV番組については、ほぼフリーハンドになったということになります。
 あらましは下に書いたとおりなのですが、そのほかに「要望」は「青少年」に限られるというのがポイントです。
 つまり、大人なら問題ないということになります。

 ちなみに、全文はこちらです。
 詳細な分析については、これからアップします。

 また、岡野さんは、次には某全国紙を相手に提訴するような話もしていました。
 野次馬の一人としては、面白いことになりそうなので、少なからず期待しています。(笑) -- H24.8.13
 

産経新聞 平成23年8月9日号 血液型で“法廷闘争” 「番組は社会的差別」BPO指摘に研究家反論、提訴

 Yahoo!ニュースで始めて見ました。[現在は削除]

 血液型で“法廷闘争” 「番組は社会的差別」BPO指摘に研究家反論、提訴
 
 産経新聞 8月9日(火)7時56分配信

 血液型をテーマにしたテレビ番組をめぐり、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が各放送局に行った「配慮」を求める要望で名誉を傷つけられたとして、血液型人間学研究家の岡野誠氏(52)が8日、同委員会を相手取り、要望の取り下げと慰謝料20万円などを求める訴えを東京地裁に起こした。

 産経MSNが最初だったようです。

「血液型番組は差別」に反発、血液型人間学研究家がBPOを提訴
 2011.8.8 22:45

ここで興味深いのが、はてブの反応です。

この中で、最も興味深いのが次のコメントです。

『血液型人間学は占いまがいのものではなく、学術的なものだ』学術的に何度も否定されてますね。統計として相関関係は見られないと。 2011/08/09
 しかし、「統計として相関関係は見られない」というのはウソです。
 口が悪い言い方ですが、「統計として相関関係は見られない」と信じている人は、典型的な「疑似科学」や「オカルト」大好き人間と言えます。
 現に、まともな人は、否定論者でさえ「統計的に関係がない」は否定しています(例:kikulog、NATROMさん)し、最近の心理学の論文では、軒並み差が出ています。

 やはり、現在でも、自分で科学的だと思い込んでいる人には、朱子学的伝統が生きているのですねぇ。
 妙に感心してしまいました。
 人によっては、進化論裁判を思い出すかもしれません…。

 時間がある方は、次のエントリーをどうぞ!

 「血液型人間学批判」の朱子学的理解
 [http://abofan.blog.so-net.ne.jp/2011-02-24]

 山岡重行さん 血液型性格判断の差別性と虚構性(続々)
 [http://abofan.blog.so-net.ne.jp/2010-09-21-1]  -- H24.1.7

岡野誠さん(原告)からのメール

 その後、原告の岡野誠さんからメールをいただいたので、ほぼ原文のまま公開します。

【1通目】

   前略 ABOFANさんへ
 
 謹賀新年!   本年もよろしくお願いいたします。 
 
 さて、ご無沙汰しておりましたが、訴訟の件で、ABOFANさんに経過を報告したかったのですが、何せ、一言で不可解な訴訟です。ただ今も、訴訟に関する資料をまとめるのに紛糾しております。能見正比古氏の文献を再度、念入りに分析すると、新たな発見をしたりと、なかなか充実しています。ABOFANさんホームページ資料も念入りに分析するまでの時間的余裕はないものの、何かと助かっています。特に統計的分析とBPOに対する指摘は参考になります。
 公判は、今月[1月]16日に三回目をむかえます。一審の判決がもしかして、4月までに言い渡されるかもしれませんが、僕としては、控訴までは視野に入れています。被告は、担当弁護士を二名付けていますが、こちらは僕一人ですので、訴訟が長引く分には、問題ないのです。
 
 ちなみに、ABOFANさんが気にしていた議事録なるものは、特に始めから用意されずに、簡単なメモ書き程度のものでまとめて、本件要望を作成したとのことです。
 
 とりあえず、本日の報告は、これにて・・・。敬具  岡野誠

−−−−−
【私の返事】

岡野様

新年おめでとうございます。
どうもお疲れ様です。
へ〜、むこうは弁護士2人ですか。
随分と警戒していますね。
どのような内容なのか興味津々です。
私的には、裁判の勝ち負けはともかく、BPOの主張が科学的に間違っている、それと「要望」がBPOの管轄範囲を超えているため無効である、という主張が公開されれぱ「成功」かなと思っています。
東日本大震対応も一段落なので、そのうちお会いできればと思っています。
頑張ってください。

追伸 お送りいただいたメールも、編集して一部も公開できればと思っていますが、いかがでしょう?

−−−−−
【2通目】

>追伸 お送りいただいたメールも、編集して一部も公開できればと思っていますが、いかがでしょう?
 
 昨夜のあの程度の内容であれば、どうぞ公開して下さい。内容的にやや抽象的な文体表現にしているのは、戦略上の問題とご理解下さい。[中略]
 
 また、だいぶ他の掲示板で僕を誹謗中傷する者もいるだけに、一人では何もできない無記名者等を牽制する意味から、「本件を理解したければ、まず原告の心情を知る必要性から、下記サイトの僕の複数出版本を是非読んで下さい。購読しないなら、各図書館でリクエスト手続きをして、借りて読んで下さい。」 旨をABOFANサイトで追記強調していただければ幸です。
 
   http://www.geocities.jp/...
 
   http://www.amazon.co.jp/...
 
 むろん、下記本件事件は、原告の私が弁護士を付けづに単独で主張している点は、特に強調願います。(何せ、弁護士を付けないと訴訟を提起できないと誤解している人も少なからずいるのです)
 
   http://sankei.jp.msn.com/...
 
 ヤフーサイトは、なぜかいち早く削除されていますね。元々、この記事は、産経新聞の記者さんが採用されたもので、昨年8月9日の朝刊で、同内容が掲載されました。
 その後、訴状審査が実施され、裁判所からの指摘があり、BPO青少年委員会を被告にするのは、当事者能力としての疑問が上がりました。つまり、当委員会は、2004年当時、BPO本体から諮問された立場であり、最終的な責任統治機構は、当委員会を維持運営するBPO本体であると原告の私が判断しました。然るに、被告は、BPOとなり、被告の代表者は現・理事長ということになります。この件は、詳細要素の一部ではありますが、掲載編集時にご利用下さい。つまり、被告を誰にするかも、時としてやっかいな問題となるのも訴訟です。ましてや、古今東西に渡り、皆無な事件だけに、一つ1つ手さぐりの状況で日々奮闘しております。
 
>どのような内容なのか興味津々です。
 
 一審の判決が出れば、ある程度、報告できるかと思います。ある程度と言うのは、僕の第二弾出版本を読んだ方なら理解していただけると思いますが、マイク付きプレゼンに執着する僕としては、詳細内容の報告は、何かどこかで、プレゼン機会に恵まれた際に報告したいと考えております。
 
>BPOの主張が科学的に間違っている、それと「要望」がBPOの管轄範囲を超えているため無効である
 
 この視点は、とても参考になります。むろん、私の読み方も甘いのですが・・・。また何か、ABOFANさんから見て、ポイントになりそうな視点がありましたなら、お知らせいただければ幸です。[後略] -- H24.1.7

おまけ

参考になるどうかわかりませんが、ABOFAN的視点で関係ありそうな事例を挙げておきます。

■「水商売ウォッチング」裁判

 http://b.hatena.ne.jp/...

私の印象では、(当然のことながら?)血液型やマイナスイオン水?を「裁判所に科学的に正しいと認めさせる」というスタンスでは、「科学的に正しい」という通説でもない限り、勝訴は難しいようです。

従って、原告の吉岡さんは一審で敗訴になっています。また、そのせいかどうかわかりませんが、吉岡さんは控訴はしていないようです。
ところで、裁判中は、原告の吉岡さん、被告の天羽さんのサイトの大量なコンテンツがあったのですが、最近では大幅に縮小されてしまいました。

これまた単なる私の印象ですが、被告の天羽さんのサイトは、以前の比べると大幅にトーンダウンしているようです。

 http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/...
 http://ja.wikipedia.org/wiki/...

そういう意味では、原告敗訴でも効果があった裁判(?)といえるのかもしれません。
もっとも、私はマイナスイオン水?には正直半信半疑です。(笑)
ただし、天羽さんの批判は非常に非科学的(権威主義的=朱子学的)と感じました。
そういう現象(マイナスイオン水?)があっても、科学的には全然おかしくないわけで、権威主義的な批判(?)はいかがかなと思います。

■「健康イオン家電」

 日経エレクトロニクス イオン健康家電の正体 2009年11月2日号
 http://abofan.blog.so-net.ne.jp/2009-11-18

こっちは、マイナスイオン水?とは逆のケースです。
「マイナスイオン」ドライヤーが、一時は“ニセ科学”として批判されましたが、パナソニックやシャープの広告にあるように、最近はかなり復活してきています。
ただし、こちらは裁判とは関係ありません。

これまた私の印象ですが、『日経エレクトロニクス』の権威(?)が、“ニセ科学批判者”の権威(?)に打ち勝ったと感じます。
私の感覚では、普通の大学教授(しかも専門外)よりも『日経エレクトロニクス』の方が、「健康イオン家電」についてなら権威(?)がありそうですから…。
ひょっとすると、“ニセ科学批判者”は、権威に弱いのかもしれません(笑)。
本当だとすると、ちょっと困ったことだと思います。

■「百人斬り」裁判

 http://ja.wikipedia.org/wiki/...

この裁判は――イデオロギーの好みもあるかと思いますが――新聞社(記者)相手の裁判です。
ただし、最高裁まで行っても、原告(=「百人斬り」は新聞記者の創作と主張)敗訴となっています。
現在でも「百人斬り」があったかどうか事実は不明ですが、少なくとも、この裁判以降は「百人斬り」の記事は(少なくとも全国紙では…)私が知る限り、皆無です。
#それまでは、毎年夏頃に恒例行事のように記事が出ていたのですが…。

ということは、「百人斬り」の記事は、取材した新聞記者の創作だった、と実質的に認めてしまった(?)ということかもしれません。
そういう意味では、これまた敗訴しても効果があった裁判(?)といえるのかもしれません。
ただし、私は、本当に「百人斬り」があったかどうかはわかりません…。

■ということは…

以上の教訓として、目的が血液型人間学への「不当な批判を封じる」ということなら、どうやら個人を相手に訴えた方が得策(?)のということのようです。
具体的には、このサイトにも何回も書きましたが、「血液型人間学は非科学的」という根拠を出すことはかなり困難ですから、BPOが「非科学的」だと断定した説明を、判断した個人名を出させて(あるいは根拠とした資料を明示させて)説明させる、という戦略が一番(イヤガラセとして?)効果的と思われます。
というのは、(心理)学者は裁判所に証人として呼ばれるのは絶対に避けたいこと(間違いなく学者としての評判が下がりますから)だからです。
つまり、岡野さんの裁判以降は、実名で「血液型人間学は非科学的」なんていう人は(ほぼ間違いなく?)ほぼいなくなる(?)ものと思われます。
「血液型人間学は非科学的」という根拠がなくなれば、日本民間放送連盟の放送基準の第54条には該当しません。従って、「要望」の根拠の一角が崩れることになります。要するに、BPOの「要望」は一部は根拠がなくなるということです。
逆に、「血液型人間学は科学的」と裁判所に認めさせるという戦略は、(勝負を考えると?あまり)得策ではないでしょう…。

まぁ、以上は、単なる私の印象ですので、なにが正しいのかは皆さん自身が考えてくださいね(笑)。

ちなみに、「血液型人間学は非科学的」を否定する論文は、いくつかあります。代表的なのは、例えば坂元章さんの論文です(ただし英語)。

■Scientific American 2011年2月15日

 2011年2月15日付けの Scientific American の記事を読んでいたら、以前お世話になったお茶大の坂元章さんの論文が紹介されていました。

Sakamoto, A., & Yamazaki, K. (2004) Blood-typical personality stereotypes and self-fulfilling prophecy: A natural experiment with time-series data of 1978-1988. In Y. Kashima, Y. Endo, E. S. Kashima, C. Leung, & J. McClure (Eds.), Progress in Asian Social Psychology, Vol. 4. Seoul, Korea: Kyoyook-Kwahak-Sa. Pp. 239-262. (pdf)

 驚いたのは、自己成就現象と断り書きがあるのを割り引くとしても、統計的に差があると明確に結論付けていることです。

This indicates that blood-typical personality stereotypes actually influenced the personalities - self-reported personalities, at least - of individuals, and that they also operated as a self-fulfilling prophecy, although the greatness of that influence could be discussed.

このこと[坂元さんのデータ]は、血液型ステレオタイプは、実際に個人のパーソナリティ(性格)に影響したことを示している――少なくとも自己報告のパーソナリティには。そして、血液型ステレオタイプは、自己成就現象を引き起こし たが、それがどの程度なのかは議論が必要である。

 英語だから、日本では話題にならなかったのでしょうかね?
 以前にこの論文を読んでいれば、私も苦労しなかったのですが。

 いずれにせよ、統計的に差があるかどうかの論争は、既に決着済み(だった)と言っていいでしょう。
 ちなみに、このScientific American の記事には、私のサイトも(批判的に)紹介されています。(^^;;

ついでに、もう一つ出しておきましょう。これは、韓国語の論文です。
わかりやすいように、マスコミの紹介文を示しておきます。もう少し詳しい内容を知りたい方はこちらをどうぞ。

■韓国・聯合ニュース 平成19年9月21日付け 「O型は外向的でA型論理的」、血液型研究を総合

O型は外向的でA型論理的」、血液型研究を総合

【ソウル21日聯合】血液型と性格の相関関係についてこれまで報告された研究を総合した結果、O型は外向的な人が多いのに対し、A型は内向的な傾向が強いことが分かった。ほとんどの研究が、A型は論理的で気質が安定しているが、B型はそのほかの血液型に比べ感性的とみているという。

 延世大学大学院の技術経営学科に在籍するリュ・ソンイル研究員と心理学科のソン・ヨンウ教授が21日、「血液型類型学研究に対する概観」と題する論文でこのように明らかにした。血液型による性格の類型化は大衆の人気を集めるテーマだが、学問的には相関関係がないと一般的に考えられている。論文はこれに反論するもので、これまでの血液型類型学の研究結果を総合した初の研究という点で注目される。同論文は韓国心理学会誌の秋号に掲載される予定だ。

 ぜひ、この論文を読んでみたいものです。でも、韓国語なんだろうなぁ。(*_*) 英語だったらいいのですが…。  -- H19.9.23

 その後、こんなニュースも見つけました

 http://jp.epochtimes.com/jp/...

血液型は性格に影響する=韓国研究者が証明

 【大紀元日本10月5日】人の性格は血液型と本当に関係しているのか。この問題に対してこれまで、医学的な根拠が示されなかったため、結論は曖昧だった。最近、韓国の研究者らは、血液型が確かに性格に影響を与えるとの報告をまとめた。

 韓国の最大手通信社である聨合ニュース9月21日の報道によると、同国の延世大学の心理学専門の孫栄宇教授と劉聖益研究員は、各国のこれまでの血液型と性格との関係に関する研究報告50例を分析し、「O型は外向的、A型は内気、B型は感性豊か」と結論付けた。二人は「血液型に関する類型学的研究」と題する論文を執筆し、『韓国心理学』の秋季号に掲載されるという。

 孫教授の研究チームは、血液型が性格に与える影響に関する各種の結論を集め、同じ傾向がある場合、加点し、その逆の場合、減点するという方法で検証した。その結果、A型が「内気である」は14点で、同項目におけるほかの血液型の得点より高い。A型が「理論的」と「情緒が安定している」はそれぞれ10点を獲得しているのに対し、B型はそれぞれ7点である。そのため、A型は理論的で、しかも安定感があると結論付けられた。一方、B型は感性豊か、O型はリーダーシップと協調性を持ち合わせており、社交的であるという。しかし、全てのことに二面性があるように、A型は情緒が安定しているが、ガンに罹る可能性はほかの血液型より高い。

 また、血液型で分析する性格は、相対的なものであると孫教授は指摘した。今回の調査結果によると、B型はA型とAB型より外向的だが、O型より内向的であるという。さらに、人間の性格は各種の遺伝的特性と環境の要素が総合的に作用した結果であり、各性格は絶対的なものではなく、相対的な目で血液型の性格に与える影響を見るべきであると強調した。

 孫教授は、血液型だけで性格を判断しないよう再三に強調したが、韓国の記者らは有名人の性格判断に躍起になっている。報道によると、記者らは、外向的かつ社交的な盧武鉉大統領は目標に向かって突き進む精神の持ち主で、典型的なO型であり、金大中前大統領は誠実で、慎重派として知られ、完璧主義でもあるため、A型そのものだと分析している。 

(翻訳・編集/高遠)

(07/10/05 01:00)

 これらの論文への反論は、私の知る限り提出されていないようですが、かといって、まだ学会の通説とまではなっていないようです。
 とうことは、まぁ、「血液型人間学は科学的」とまでは言えなくとも、少なくとも「論争中」ということは確実に言えると思います。
 つまり、
「血液型人間学は非科学的」という主張[BPOの「要望」の(一部の)内容]には、少なくとも現時点では、妥当な根拠があるとは言えないでしょう。v(^^)

 もっとも、裁判所がどう判断するのかは、別の問題ですけどね。 -- H24.1.7

 その後、判決が確定したので、とりあえずの分析をしてみました。 

 なお、以下の文章は岡野さんのサイトから抜粋したものですが、読みやすくなるように一部を改変しています。

一審の経過

 原告の岡野さんの敗訴になりました…。

■訴状 (岡野さんのサイトより抜粋)

 BPO血液型慰謝料請求事件

 東京地方裁判所 御中

 原告 岡野誠 印

 2011年8月8日

 埼玉県和光市●●●
 原告  岡野誠
  電話・FAX ●●●

 東京都千代田区紀尾井町1-1
 千代田放送会館7階 被告 放送倫理・番組向上機構(BPO)
  代表者  理事長  飽戸 弘
  電話  03−5212−7333 
  FAX 03−5212−7330

 請求の趣旨  

  1. 被告は、原告に対し、金20万円および2004(平成16)年12月8日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。
  2. 本来の血液型人間学(ABO式遺伝子の人間学)に関する番組を放送することは、民放連が定める放送基準の「第8章表現上の配慮」54条には抵触しないことを確認する。
  3. 本来の血液型人間学(ABO式遺伝子の人間学)とは、4つの性格の話でもなく、占いの世界でもない学術的なものであることを確認する。
  4. 2004(平成16)年12月8日付け、被告から放送各局へ要請した「血液型を扱う番組」に対する要望を即刻取り下げろ。
  5. 放送倫理・番組向上機構(BPO)ホームページ上に現在掲載中の上記本件要望をすみやかに削除しろ。
  6. 訴訟費用は被告の負担とする。

 との判決及び仮執行の宣言を求める。

 請求の原因は、別紙のとおりとする。[省略]

■経緯

○請求の要旨

  1. 被告は、原告に対し、金20万円および2004(平成16)年12月8日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。
  2. 2004(平成16)年12月8日付け、被告から放送各局へ要請した「血液型を扱う番組」に対する要望を即刻取り下げろ。

●被告の答弁書陳述の要旨

  1. 本件要望には、原告の名前が出ているわけでもないから、原告から提訴される覚えはない。
  2. 原告が本訴に及ぶことで、原告自身に何の得があるのかが意味不明のため、原告に訴えの利益はない。
  3. 原告は、本来の血液型人間学(ABO式遺伝子の人間学)とは、4つの性格の話でもなく、占いの世界でもない学術的なものであることを本法廷で確認することが目的であるため、被告に対し慰謝料請求20万円を請求する根拠がない。

●被告答弁書の陳述の中で確認された矛盾

  1. 本件要望においては、本来の血液型人間学ないし、血液型人間学について何ら触れていない。
    (注)しかし、「血液型をめぐるこれらの考え方や見方を支える根拠は証明されておらず・・・」と言う文言が本件要望に記載されている限り、被告は明らかに、本来の血液型人間学にも触れている。
  2. .放送各局は、番組の改善をしつつ配慮するなら、血液型を扱う番組自体を放送するのはよい。
    (注)しかし、実態は血液型と性格に関わるすべての番組をお遊びなものとする内容になっているため、本件54条に抵触する解釈の要望となっている。つまり、各放送局がこの種の番組を肯定的に放送しにくくなるように、被告は結果的に仕向けている。

■判決

 請求の趣旨2と3は却下、その他の請求は棄却 →原告敗訴

 本件要望は、単に原告の考え方とは異なる内容が含まれているだけで、特段、原告の名誉を棄損したり、原告の表現の自由を阻害するものではない

 なお、BPOは、当初から弁護人2人が対応し、岡野さんが意図していたBPO関係者(現BPO理事長と現BPO青少年委員会委員長)の証人喚問はできませんでした(裁判長が却下)。

控訴審の経過

 こちらも、原告である岡野さんの敗訴になりました…。

■判決

 慰謝料20万円請求と本件要望取り下げは棄却 →原告敗訴

■考察

 ところで、岡野さんのサイトによると、控訴審ではBPOの態度に変化が現れたようです。

「本件要望は、たとえば血液型占いなど明らかに科学的でない事柄をあたかも科学的であるかのように扱うことに対する見直し、改善を求めているのであって、科学的根拠が実証された事柄を放送することについて問題視したり、排除したりしているものでもない。」

 それは、血液型人間学(=能見説)は、BPOの「要望」には含まれないということです!
 ちなみに、判決文には、もう少し明確に書いてあります。

「本件要望が、(中略) 血液型と人間の性格、行動パターン、病気等との関係を学術的に研究する学問自体の存在自体を否定したり、これについても占いの類と同列であるとして否定的な評価をしたりするものではないし、学術的に裏付けられた内容で、しかも、青少年にも配慮して番組を制作することを否定する趣旨を含むものとは解されない。したがって、本件要望が、統計学を駆使し、学術的に血液型人間学を研究しているという控訴人を侮辱したり、控訴人の名誉を毀損するものと解することはできないし、控訴人の表現の自由や幸福追求権を侵害するということもできない。」

 やはり、血液型人間学(=能見説)は、BPOの「要望」には含まれないということになります!

 つまり、「占い」はダメですが、統計に裏付けられた「血液型人間学」なら、どんどんテレビで放送していいと、裁判所がお墨付きを出したということです。

 岡野さん、やりましたね!v(^^)

 たぶん、BPOは、今後は血液型に対する「要望」を出すことはないでしょう。
 というのは、 誰だって面倒な裁判に巻き込まれるのはまっぴらゴメンだからです。
 そういう意味では、「実質勝利」と言ってもいいのかもしれません。 -- H24.7.30

to be continued...

 新しいネタが入れば更新があるかもしれません。面白かった人は、次回をお楽しみに!


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最終更新日:平成24年7月30日 [H28.10.2モバイル用に微修正]