「血液型と性格」の新・常識!?&入門にも書きましたが、一番大切なポイントですので、改めて説明しておきます。
私のサイトを一読すればわかると思いますが、別に血液型で有名になろうと思っているわけではありません。
ですので、それでいいやとず〜っと思っていたのですが、つい最近、ショッキングな事実を知ることになりました。(*_*)
実は、「血液型と性格」について、ある程度正確に理解している人は、予想外に少ないのです。
もちろん、全部を正確に理解している人なんてほとんどいませんし、そんなことは期待していません。そうではなく、基本的な考え方や、ポイントを理解している人が、予想外に少ないのです。
もう1つショックだったのは、能見正比古さんを知ってる人が、どんどん少なくなってきているということです。
能見正比古さんといえば、誰もが知っている「血液型と性格」のパイオニア、と思っていたのですが、どうも最近はそうでもないようです。
というのは、彼が亡くなったのは昭和56年なので、既に20年以上が経っているからです。
20代以下や30代前半の読者は、リアルタイムで読んでいないのですから、彼を知っている人の方が少ないと考える方が自然でしょう。
これではいけない、と思って作ったのがこのページです。
能見正比古さんを知らない人に、ちょっとでもいいから『血液型人間学』の素晴らしさをわかってもらえれば…と期待しています。
そして、正比古さんを知っている人なら、楽しく読めると思います。(^O^)
Special Thanks to 新・血液型性格診断のO型管理人さん m(._.)m [H28.9.3リンク切れ]
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昭和48年8月、サンケイ出版から黒い表紙の本が出版されました。この本の著者こそ能見正比古さんで、題名は『血液型人間学』です。血液型3部作の第1作である、この『血液型人間学』は、またたく間に30万部を超えるベストセラーとなり、日本中に血液型ブームを巻き起こすことになります。続いて、第2作の『血液型愛情学』、第3作の『血液型活用学』が出版され、 「血液型と性格」は、日本人の常識となってゆきます。
最近の『血液型の説明書』ブームは、内容こそかなり違うものの、当時の血液型ブームの再来といっていいでしょう。
サンケイ出版による紹介「能見正比古の血液型シリーズ」の広告から抜粋しておきます。これで、当時の状況を想像できると思うのですが…。
血液型人間学 | あなたを幸せにする性格分析 | 血液型と性格の基本的な関係を、克明なアンケート調査、30年にわたるタフな観察、取材により、科学的に実証、追求した話題の大ベストセラー | 昭和48年8月 258P |
血液型愛情学 | 愛と性のドラマ・20,000人の証言 | 心の動きである愛情が、気質、すなわち血液型と密接に関連することを、約2万人のデータをもとに科学的に立証した、初の本格的愛情レポート | 昭和49年5月 278P |
血液型活用学 | 自分を生かし、人間関係をよくする本 | 血液型と性格に関する知識を、自己の管理や向上、人間関係への柔軟な対応や改善のためにいかに活用させるか、科学的資料をとに分析詳述する。 | 昭和51年5月 288P |
血液型エッセンス | 性格と人間関係の実用百科 | 百科事典にも取り上げられているABO式血液型と性格との関係。著者多年の調査研究をコンパクトにまとめた要保存版。各界スター知名人血液型全名簿付き。 | 昭和52年6月 240P |
血液型政治学 | 政治を動かす衝撃の事実! | 血液型による政界新地図。国会議員・全国知事・市長約2,000人のデータをもとに、血液型と政治の関係について追求。好評、血液型シリーズの最新版! | 昭和53年6月 318P |
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では、能見さんの血液型人間学をちょっとだけ解説しておきます。
雰囲気だけでも感じ取ってもらえればうれしいですが、私の力でどこまでできるものなのか…。(^^;;
ここでは、『血液型エッセンス』をテキストに、そろりとスタートすることにします。
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まずは、だれもが一番気になる対人性についてです。
■O型の対人性(83〜84ページ)
とにかく、信頼関係を第一におく、その有る無しによって、とことん開放的にもなり、友人としての信義も厚く、よき親分よき子分ともなり得る。それがないときは異常なほどの警戒心の高さが目立つのだ。私は特定分野のデータを集める際、よく多勢で手分けして、血液型問合せの電話をかけてもらうが、その場合も、O型の相手からは、 「それはどんな目的ですか?」「どんな形で使うのですか?」 根掘り葉掘り問い返しを受けることの多さに、誰もが目を見はるのである。 暖かさ、包容力、人間味、積極的親切……。一方では用心深さ、猜疑心(さいぎしん)、権利主張、頭を抑えよう、抑えられまいとする勝負意識、ライバル性……それらの極端な違いも、ただ、この信頼関係の一点にかかる。 |
確かにそのとおりなのですが、O型の人に聞いても、あまりにも当然なこととして、何の疑問も感じていないことが多いようです。
例えば、AB型の私からすると、よく知らない人を警戒するのはわかるけど、なにもそこまで露骨に態度に出すことはないのに、と思ったりもします。が、本人は誰もそうだと思いこんでいるようなのです。
親分子分関係もそうですね。だから、割と最近まで、首相はO型が多かったのは当然だと思います。
義理人情に厚く、仲間思いで、面倒見もよく、よき親分子分となれるなら、当然のことながら人望もあるでしょうから、O型がリーダーになっても全く不思議ではないでしょう。
余談ですが、私の知り合いのO型は、展示会で景品をもらうのが大好きです。AB型の私は、なにもそこまでしなくともと思うのですが、本人は「勝負だから」と言って、何の疑問も持っていません。普段は、おおらかで人がいいという印象を受ける人なのですが、こういう場合や、他人との勝負となると目の色が変わり、まるで別人のようです。まぁ、彼からしたら、AB型の私の方が例外なのかもしれませんね。(^^;;
別のアラサーの男性は、明るい性格で人あたりも良く、上司の命令によく従ういい部下なのですが、給料野は無しになったとたんシビアになります。O型は、一見豪快なようにみえても、財布のひもを締めるべきときには締めるので、お金の使い方はうまいものです。それが的確な経営判断や、マネタイズの才能につながるのでしょうね。《この段落はH28.9.4追記》
■A型の対人性(85ページ)
人に対して細かな心づかいとサービス精神、一面では人を信じ切れず、胸襟(きょうきん)を開く相手が限定される。二重性が大きな特徴である。 見通し悪い場所では、自分の周囲が、絶えず清安で、同様のない安定した環境としておくことが大事な生存条件となる。人間関係も、そうした環境の要素の一つである。A型は周囲の人々とは、常に波風の立たぬ状況の維持に努力を傾ける。そのため、自分の言動に対する相手の反応に敏感とならざるを得ない。 それが、よく気のつく人として、A型への好評となる。その代り刺激的な極端な表現をさけるため、当たりさわりのない紋切り型となり易く、肚(はら)が判らぬ、八方美人などの不評を買う場合もある。A型自身も、このような努力の結果、人に対するストレス、疲労を蓄積させたりする。 |
A型的心づかいに触れる場合も多いでしょうから、感動した人も少なくないに違いありません。
しかし、我が家の女性はA型なのですが、このとおりかというと、全く違います。(笑)
A型に限らず、内面(うちづら)と外面(そとづら)が違うのは当然ですから、ひょっとして外面ではそうなのかもしれません。
もっとも、我が家の女性が例外なのかもしれませんが。(^^;;
さて、A型の大きな特徴は、判断基準を自分の外部に求めるということです。そういう意味では、一般的に言われる“内向的”ではなく、“外向的”ということになります。
よくあるパターンで、男性とはかくあるべき、母親はこうあるべき、子供は…という調子で、客観的な基準を持っていることが多いのもA型です。基準を持っているのは悪くはないのですが、他の人の基準とぶつかる場合は調整するのが結構大変です。AB型の私は、そんなら少し基準を変えればいいじゃないかと思うのですが、A型はまず変えようとしません。その典型例が、“命”をかけて「郵政民営化」を実現させた小泉首相です。これは、O型の目的指向性とはちょっと違い、信念と言った方がいいかもしれませんね。
■B型の対人性(89ページ)
他の血液型と違った叙述しにくさがある。B型は人間関係に対し、積極的に働きかけることが少なく(つまり比較的気をつかわず)、何か状況の変化が起こって、初めて対策を考えるのがふつうだからだ。だから、よくB型は、気がつかず、気をつかわない人と見られたりする。半分は当たっているだけ、そう言われても仕方がないのだが、反面、人の考えを理解することや、相手の立場になってやれ、その感情に同調し、同情できる点では、B型は最高にすぐれ、かつ、きめ細かいのである。 これをA型と比較すると、A型は、いわば事件の予防に肝胆(かんたん)を砕き、B型は、事件の解決に力を注ごうとする。A型は発生した事件については、とかく硬直的というか、柔軟な対応で応じきれないのに対し、B型は不用心な言動で周囲に無用の刺激を与え傷つけ、わざわざ人間関係に波瀾を引き起こしてしまうが、解決に当たっては、実際的な柔軟な態度をとることができる。 |
B型の特徴は、A型と違って、判断基準が自分自身にあるということです。そういう意味では、一般的に言われる“外向的”ではなく、“内向的”ということになります。
ということですから、女性とはかくあるべき、父親はこうあるべき、などということはB型はあまり考えません。それは、社会が決めるのではなく、自分で決めるものだと思っているからでしょう。当然、相手に気をつかうことも少ないので、気がつかない人と見られることも多いのです。しかし、一旦相手に集中すると、基準は自分で決めるので、○○は××であるべきだといった硬直的な判断をすることはなく、柔軟に対応することができます。
確か、能見さんは、「予防のA型、解決のB型」と言っていたような気がします。
なぜそうなのかは、これでおわかりかと思います。
■AB型の対人性(91ページ)
一口に言えば、「他人に対して、常に一定以上の距離をおく」のが特徴的傾向である。 この姿勢から、一方では、人に対して、冷静で公平客観的な分析眼が生れる。他面では、今一歩、他人と共感しあうところの少ない物足りなさを抱かせるのである。 この距離感は、後天的に成長し、定着したものであろう。平均してAB型は、その本能的欲望の直接的な強さにおいて、O型と最も対照的である。恐らく人間の持つ欲望のギラギラした、きれいごとの言葉のかげにひそむエゴイズムの強烈さに出会い、AB型の子供は、驚き、怯(ひる)み、時には恐れさえ抱き、ついには、他人と常に一歩遠ざかろうとする姿勢が身につくのであろうと思われる。 |
そのとおりですので、ノーコメントとさせていただきます…というわけにもいきませんね(笑)。
AB型の特徴は、相手への共感が少ない分、直接的な人間関係よりは、何かを介した間接的な人間関係をつくりたがります。それは、言葉や約束である場合もありますし、あるいはビジネスやお金を通じてという場合もあります。能見正比古さんは、AB型はお金がないと度を失いがちと書いていましたが、それはこのためです。「他人に対して、常に一定以上の距離をおく」AB型は、ビジネスやお金を通じて人間関係を築くと非常に安心します。しかし、お金がなくなってしまうと、即社会参加の手段が失われることになり、それが恐怖につながることになりるのです。いつもにこやかに、ビジネスに有能なAB型というのは、というのは社会参加の確保に意味もあるのです。《この段落はH28.9.4追記》
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■相性は努力で良くするもの(115〜116ページ)
「私は何型です、一番相性のいいのは、何型とでしょうか?」 申し訳ないが、この章[血液型と相性エッセンス]の初めに当り、このような質問はなさらないように、まず、お願いする。相性に、絶対的な良い悪いはないからである。… だから、次の質問こそ大歓迎なのだ。 「何型と何型なんですが、相性から見て、どんな努力をしたら、いいですか?」 |
この文章ほど、能見さんの考えをよく表してるいるものはないでしょう。
「相性に、絶対的な良い悪いはない」のです!
私は、この文章を読んで感動したことを昨日のことのように思い出します。
そして、やはり能見さんはすばらしい、と思いました。
しかし、どういうわけか最近では、○型と×型との相性の良し悪しがどうこう、という話題が流行っているようです。
これはいいこととは思えません。
正比古さんは、人間関係は、相互の心がけと努力次第で良くもなるし悪くもなる、とも述べています。
また、“いい相性”を求めるのは、努力しないで幸せを欲しがる虫のいい願いが秘められているのではないか、とも言っています。
性格や相性は、確かに遺伝に影響される部分も少なくありませんが、実際に100パーセント遺伝で決まるのではなく、環境との相互作用で決まります。
もし、血液型の相性が固定的なものなら、IQだって性格だって100パーセント遺伝で決まるということになってしまいます。
おかしいですよね?
私は、「血液型と性格」の原点に返り、改めて「相性に、絶対的な良い悪いはない」と主張したいと思います。
能見正比古さんを知らない人のために、簡単にサンケイ出版の「能見正比古の血液型シリーズ」と、処女作である『血液型でわかる相性』を紹介しておきましょう。私にとっては、まさに血液型と性格の原点、そして原体験です。
日本中に血液型ブームを巻き起こしたこの本は、昭和48年8月に出版されています。総ページ数は258ページと大して厚くはないのですが、内容は非常に画期的なものでした。 また、マーケティングも秀逸だったと言えるでしょう。斎藤茂太さん、楠本憲吉さん、吉村真理さん、大宅昌さん(大宅壮一さん夫人)など、 当時李のそうそうたるメンバーが推薦しています。そして、出版社も産経新聞社の関連会社ということですから、その点もかなり用意周到と言えるでしょう。 |
それでは、裏表紙に書いてある血液型の特徴を引用しておきましょう。現在の特徴とほぼ同じであることがわかると思います。
血液型ブームを巻き起こした『血液型人間学』があまりにも好評だったので、すぐに第2作『血液型愛情学』が出版されました。この本は、1年後の昭和49年9月に出版されています。なお、総ページ数は278ページです。 『血液型人間学』の読者、5,904人に対するアンケートの他に、約5千人の気質アンケート、7千人近い人の血液型資料を ベースにして書き上げられています。その内容は、現在でも決して古くなってはいません。とにかく、データ量の多さには圧倒されます。 |
それでは、ここでも裏表紙に書いてある血液型の特徴を引用しておきましょう。
炎のような恋も、血液型によって、その色合いを変える。
O型は、まっしぐらに相手を獲得しようとし、
A型は、一筋に思いつめて損得利害を忘れる。
B型は、ただ相手との接触に熱中し没頭し、
AB型は、ひとり憧れをエスカレートさせる。愛の気質を知ることで、愛の灯は静かに燃えつづけ、それに無知であるときは、炎は心に火傷を負わせ、冷たい灰を残すこともある。
(第5章“愛とセックスと血液型”より)
これが、現在の“血液型愛情占い”の原点です。
『血液型人間学』『血液型愛情学』からちょっと間をおいて、第3作の『血液型活用学』が昭和51年5月に出版されました。総ページ数は288ページです。 少々長いのですが、「補章 心の案内図−血液型の信頼性」から抜粋しておきます。能見さんの考え方や、よくある反論について述べています。 [反論は、私に来るものも含めてほとんど変わっていないのが残念ですが…] |
裏表紙に書いてある血液型の特徴です。
血液型は、初めて科学的に実証された心の案内図である。
O型は、人の性格を簡単に割り切りすぎることがあり、そのために人に造反もされる。しかし、この案内図を知ることで、もっともよく、それを人間関係に活用する。
A型は、足らないところを苦にしすぎ、自らを責めて萎縮することがある。しかし、この案内図によって、最もよく心を安定させ、自信獲得に向かう。
B型は、人間関係にまごつき、自分の才能を社会に生かす野心をなくすことがある。この案内図で、最も科学的に自他の長短を知り、社会行動を軌道に乗せる。
AB型は、社会への奉仕と人間不信の二面性の矛盾で、一歩の積極性が出ないことがある。この案内図で、人間理解の視野を広め、大きく、人間信頼感を増す。
能見さんの血液型シリーズの処女作であるこの本は、昭和46年9月に青春出版社から出版されています。しかし、当初はあまり評判にならなかったようです。また、その後の血液型シリーズとはやや違った記述が目に付きます。となると、その後に『血液型人間学』が出版されるまでの2年の間に、能見さんは相当研究をしたものと思われます。総ページ数は282ページです。 やはり、実質的な処女作は、大ベストセラーとなって日本 中に血液型ブームを巻き起こした『血液型人間学』と言えるでしょう。 |
この本は、昭和52年6月に出版されました。血液型3部作の内容を240ページとコンパクトにまとめ、新しい試みとして、各界スター知名人血液型全名簿を巻末に収録しています。 裏表紙に書いてある血液型の特徴を引用しておきましょう(でも、ちょっと特徴が極端すぎますね)。
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昭和53年6月に発行され、総ページ数は318ページです。巻末に付録として、衆議院・参議院議員のデータ、全国の知事・市長のデータが掲載されています。 すでに 30年以上前のデータになっていましたが、内容は古びてはいません。例えば、最近の日本の首相は、自民党の派閥の長(O型が多い)がなることが減ったので、O型の率がだんだん下がっています。これも、時代による日本の政治構造の変化といえるでしょう。また、衆議院議員のO型の多さは、現在ではほぼ消滅しています。これも時代の流れによるものでしょう。 『血液型政治学』のデータは、竹内久美子さんの『小さな悪魔の背中の窪み』や、それを批判する『トンデモ本の世界』など、いろいろや本に引用されています。しかし、 残念ながら、すべての引用が正確とはいえませんので要注意です。 |
能見正比古さんのその他の著作を紹介しておきます。
下のリストを見るとわかると思いますが、上に紹介したものの改訂版や、他の出版社から同じタイトルで出版した(内容は微妙に違うようです…)ケースが多いようです。ちなみに、私はほとんど全部持っています。v(^^)
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このコーナーでは、血液型人間学のエッセンスを、能見さん自身の要約でお届けしましょう(能見正比古 O型は人間は権力志向型なんだって−血液型性格学 別冊宝島6 『性格の本−もうひとりの自分に出会うためのマニュアル』 宝島社 S52.8 太字は私)。
能見正比古さんが、血液型に興味を持ったのが中学[現:高校]のころだったそうですが、その後20年ほど特に進展はしなかったそうです。理由はというと…。
最大の原因は、従来の常識的性格観に、 とらわれすぎたせいである。人々はすぐ性格に類型をつくりたがる。私も、O型はこれこれのタイプ……という決め方をしようと焦っていた。そんな類型をつくり得るほど、性格の本質は、とらえられていないのである。さらに日常に使われる性格用語を、それぞれの血液型にあてはめようとしては、失敗した。性格をあらわす言葉と思われているのは、じつは、表面に出た見た目の行動の断片をいうにすぎないものが多い。見た目が静かだったり考えこんだりしていろと内向的、大声で笑ったり騒いだりすると、外向的だなどという、大ざっぱなものが多いのだ。昼寝をしている姿を見て、ライオンは、おとなしい性格というようなものである。 |
この点は、いくら強調しても強調しすぎることはありません!
血液型による性格特性が、性格を表す言葉と1対1で対応する、という先入観は捨てる必要があります。能見さんが言うように、「内向的」というのは、単なる見かけに過ぎないのです。もちろん、普通はそれでもいいのですが、そう思いこんでしまうと、血液型と性格はまず絶対に理解できませんので、十分注意してください。(*_*)
では、具体例で説明してみましょう。
例えば、O型は普通は独立心旺盛で、自分のポジションに敏感です。また、それをストレートに態度に表します。ということはどういうことかというと、「よき親分子分」ということです。
あるいは、上位に立った場合と、下位にいる場合では態度が大きく変化するということにもなります。O型自身の独立心は強いのですが、自分が弱い立場だと、逆に上位の人を頼ったりしますので…。
これを文章化すると、O型が「独立心旺盛」とは必ずしも言えません。
逆に、B型は自分のポジションには割と鈍感です。そういう意味では「マイペース」と言えます。ですから普通は、「よき親分子分」ではありません。
では、O型とB型でどちらが独立心が旺盛なのか?
「立場によって変わる」というのが一番正確でしょう。(^^;;
ただし、これだけでは何の説明にもなっていません。
性格を抽象的に文章化すると矛盾するという一例です。
#数学的には、反応が線形でないと言った方がわかりやすいでしょう。
#従来の心理学の研究は、線形のデータしか分析していません。
#それで差が出ないから差がないはずだというのは、どうかと思います。
さらに厄介なことに、「独立心旺盛」かどうか質問をすれば(条件が一定なら)たぶん何らかの安定的な差が出るはずです。これが、「O型は独立心旺盛」と誤解される原因になるのです。 極論すれば、文章化すれば必ず矛盾すると言ってもいいでしょう。
繰り返しになりますが、血液型による性格特性が、性格を表す言葉と1対1で対応する、という先入観は捨てましょう。血液型と性格の関係を誤解する最大の原因なのですから…。
ところで、既存の性格心理学は、性格は言葉で表せる、かつ状況に対して固定的なものである、というのが前提です。しかし、既に書いたとおり、現実は必ずしもそうではありません。既存の学問(性格心理学)で関係があった(なかった)から…というだけではダメなのです。
遺伝子なのか血液型物質そのものなのかわかりませんが、確かに性格には影響を与えています。ただ、このように、その影響は言葉をベースにした性格心理学で正確に表せるものではないのです。
もう一つ、「A型が神経質」というのも説明してみましょう。
ここでは、『新・血液型人間学』から引用しておきます(101〜102ページ 傍点は下線に変更)。
“神経質”は困った言葉 神経質という言葉は、古代ギリシャの時代から使い古されてきた言葉である。これこそ絶対、性格用語の本命のように思われている。しかし、改めて吟味して見ると、これまた性格を示す言葉としては、使いものにならないことがわかる。 つまり、ある状況の下には神経質だとか、ある方面には神経質であるとか、ないとかは言うことができる。だが、全方向に神経質な人は、まず、絶対といっていいほどいない。ある人は着るものに神経質で、別の人は食事に神経質だろう。その違いが、性格を語るのに重要なのである。 最近聞いたO型のある高級官僚氏は、趣味の音楽鑑賞はうるさく、神経質なくらいと言われていた。その同じ人が、湯たんぽのお湯を平気で煮炊きに使うという。神経質なんてそんなものである。もし病的な神経質で周囲を手こずらせている人がいれば、その人は、周囲の人の感情には、ドンカン、無神経ということになるのだ。 神経質な人の血液型別の方向を、簡単に列記してみよう。お断りするが、これはあくまで神経質と見られる人の傾向である。 O型は身体や健康について神経質。病的な潔癖症や高所恐怖症もある。社会の中での他人の目、好意や悪意にも神経質となる。 A型は周囲の動きや反応、それに対する自分の姿勢に神経質。物事のケジメ、善悪の評価などに潔癖。未来への悲観主義や、仕事などの完全主義傾向も一種の神経質だ。 B型は自分の気分調整に神経質。行動を制約された状態ではイライラ。過ぎたことにクヨクヨ。事実関係の正誤にもうるさい。 AB型は、人間関係で神経質となりがち。対人恐怖症も一部にいる。自分の社会的役割りや仕事面の蝿張り保持に神経過敏。経済生活の基盤がガタつくと、度を失い気味。 以上の例でも判るように、現在、日常で性格を指す言葉として使われているもので厳密には、性格を明示するに足るものは、ほとんどない。 |
なかなか納得できる説明だと思うのですが、どうでしょうか?
念のため、ちょっと解説しておきます。一般的に神経質と言った場合はA型です。しかし、あくまでも平均すればの話で、A型がすべての面で神経質なのではありません。また、血液型による差はせいぜい10〜20%ですから、びっくりするような差ではないのです。他の影響もかなりある、と考えてくださいね。(^^)
情緒が安定・不安定という表現もあります。これも、能見さんの分析ではこうなります(能見正比古 O型は人間は権力志向型なんだって−血液型性格学 別冊宝島6 『性格の本−もうひとりの自分に出会うためのマニュアル』 宝島社 S52.8 )。
O型は一般に情緒安定型と見られている。感情の表現は大きい人もあるが、その動揺によって自分や、自分の生活を見失う人は、ごく少ない。ただ、そのO型が追いつめられた状況が、ある限界をこすと、突如、感情は大混乱し、情緒は、不安定どころの騒ぎではなくなるケースが、よくある。 A型は、対照的に見える。元来、昔男性心理性[注:情緒不安定型?]と見られがちなA型は、周囲の動向に敏感である。完全主義でもあるA型は、ふかく、物ごとのプラス面より、マイナス面を、かぞえやすい。従って状況が悪くなるにつれ、過敏なほど動揺も増す。ところが、その悪さが、これまた、ある限界を試すと、O型とは逆に水を打ったように冷静に落ち着いてしまうことが、よくある。一種の開き直り。 B型 気分屋お天気屋の傾向は一番強い。だから、その情緒はたえず波立っているといえる。お調子にも乗れば、すぐガックリきたりもする。かんしゃくも起すし、奥様方の評判では、どうやら一番手も早い。だが、そのくせ周囲の状況には、一番左右されないのである。つまり、波は立つが、波立ち方は、どんな時も、ほぼ一定といえる。 AB型は、複雑な様相を見せる。ひどくクールで冷静な面がある。スポーツ選手のAB型には大へん特徴的に出たりする。その半面、(特に家庭などでは)ひどい気まぐれさを見せ、唐突に泣き笑う姿を見せる。 以上の四つのケースの、どれを情緒安定といい、不安定といったらいいのだろうか。O型は、ある限界点を境に、安定から不安定へ。A型は逆に不安定から安定へ大転換する。B型は部分的に見れば不安定、巨視的に眺めれば安定だ。AB型は安定と不安定の2つの面を使い分けている。 |
このように、情緒安定・不安定という表現は、ある時点のその人の状態を示すだけの話で、性格 の実態を正確には表していないと考えるしかありません。(下の図は『血液型エッセンス』の41ページから)
従って、
従来の性格観の大きな誤りは、性格を固定的な言葉で規定できると考えてきたことだ。事実は、性格は状況によって変わるし、時間的にも年齢差でも、大きく変化を見せるものである。もしそれを集約的に表現できるとすれば、1、2の単語で表わすものではなく、関数表現ということになろう。 |
となります。
血液型は意外と単純ではありません。残念ながら、既存の性格心理学で簡単に分析できるような代物ではないのです。
さて、能見さんによる各血液型の特徴は次のとおりです。以上のことを頭に入れて読んでみてくださいね。(^^)
〔O型の主な特徹〕 ○生きる欲望が強い。バイタリティが盛ん。 |
〔A型の主な特微〕 ○“何かのため”に生きる生き甲斐を求める。 |
〔B型の主な特徴〕 ○マイペースの行動。しばられ、抑制されることを、ことにいやがる。 |
〔AB型の主な特徴〕 ○ドライに見えるほど合理的な考え方。 |
→もっと詳しい解説は、各血液型のページへどうぞ!
H20.11.3作成 |
おっと、ここで時間がなくなってしまいました。続きは次回に…。
面白いですか? 面白いと思った人は次回を楽しみにしていてください! ではでは。(^^)/~