脳科学の研究


ABO FAN


 茂木健一郎さんの活躍で、脳科学の研究が一般化してしばらくたちます。
 いよいよ血液型にも脳科学が押し寄せてきたようで、ここでは日本と韓国で行われた脳科学の研究を紹介します。

Red_Ball12.gif (916 バイト)《日本編》光トポグラフィーを使った研究

 脳の活性化部位を調べるのために「光トポグラフィー」というシステムがあります。
 仕組みを簡単に説明しておきましょう。この「光トポグラフィー」というシステムは、一言で言えば脳の血流を測定するものです。脳の特定の部位が活性化すると、当然のことながら活動するためのエネルギーが必要となるので 、その部分の血流が増えます。そこで、この増えたり減ったりする血流を観測することで、脳の活性化部位を特定するというものです。

 結論から先に言うと、A型は論理的な思考を司ると言われる左脳が活性化し、B型は感覚を司る右脳が活性化したそうです。確かに、A型は論理にこだわって、筋の通った考え方で物事を進めようとします。逆にB型は、マルチタスクが得意なので、同時並列的に物事を処理しようとします。なるほど、という感じですね。

 詳しくは、シンポジウム記録を読んでみてくださいね。

装置の外観

活性化部位をビジュアルに表示したもの

 引用・参考文献

Red_Ball12.gif (916 バイト)《韓国編》脳波測定装置を使った研究

 韓国のデータベースで検索したところ、韓国心理学会誌の論文も含めてデータベース化されているということがわかりました。
 ここでは、韓国心理学会誌の論文で取り上げた以外の論文を紹介します。
 うまいことに、韓国語は機械翻訳の精度が高いので、Yahoo!の機械翻訳にかけると、ほぼ原文の意味はわかります。ラッキーですね。v(^^)

 ということで、こんな面白い論文を発見しました。 なぜ日本で話題にならなかったのでしょうか?
 #脳波で測定しているので、「思い込み」にはなりようがないですね。:-p

■O型はストレスに強い!?

 韓国産学技術学会論文誌 Journal of the Korea Academia-Industrial cooperation Society / v.12 no.6, 2011年, pp.2554-2560

 成人の血液型と性格と抗ストレスとの関連性の研究 A Study on the effects of one's blood type on emotional character and antistress of adults
 [http://kiss.kstudy.com/journal/...]

 キム・チュンシク(ソウルベンチャー情報大学院大学); イ・ソンギュ(ソウルベンチャー情報大学院大学)
 Choong-Shik Kim 1 and Seon-Gyu Yi 1* 1 Dept. of Information Management Seoul University of Venture & Information

要約 この研究では、成人の血液型が性格やストレス抵抗力との相関関係があるかを個人が持つ脳神経生理学的指標である脳波測定を用いて比較してみた。対象者は、2006年9月から2009年12月までに韓国精神科学研究所に脳波測定依頼した成人(20歳-59歳)を基準に選定した。男性1415人、女性3221人で総数は4636人である。血液型の分布は、A> B> O> AB型の順であった。分析の結果、成人の血液型と感情的な傾向とは無関係だった。しかし、ストレス抵抗力とは有意差があった。つまり、O型が他の血液型に比べて注意指数や抗ストレス指数で非常に異なっていた。ストレスを乗り越えることができる能力が高いと言えるだろう。この研究の結果、いくつかのカテゴリで血液型と意義のある相関関係を示した影響や遺伝的な役割がどのように影響するかの作用機序を解明するための研究が必要であると考えられる。

脳波の種類

装置の外観

分析結果

 ところで、この論文の英語は文法がちょっとヘンです。まぁ、意味がわかれば…。私も人のことを言えるほど上手くもないので。f(^^;;

Abstract This study is focused on the effects of one's blood type on emotional character and anti-stress by comparing each individual's brain wave. Observed records are from those kids who volunteered for KRIJUS(Korea Research Institute of Jungshin Science)'s brain wave measurement from September 2006 to December 2009. The whole 4636 adult(20-59 age) group consists of 3221 female and 1415 male. Blood types are as follows; A>B>O>AB dominately ordered. The result shown no relations between the blood types of adult and their emotional character. But meaningful difference had been revealed between the blood type and stress resistancy; type O rated higher scores in awarness and stress resistancy then other types, which shows that type O has more ability to redudce its stress. This study revealed meaningful relation between blood types and emotional character among several categoties, while suggesting follow-up researches figuring out more detailed explanations for its effect and genetic role.

 【ストレス抵抗力部分の抜粋】

4.3 ストレス抵抗能力
 血液型とストレス抵抗能力との関連を調べるための分析の結果、表6では注意指数(左)(p=.023)注意指数(右)(p=.003)と抗ストレス指数(右)(p=.022)で有意な差を見せている。すなわち、O型が他の血液型に比べてストレスを勝ち抜けることができる能力が高いと言えるだろう。注意指数は脳の覚醒位と注意力そして疾病やストレスに対する抵抗力を現わす指数だ。指数の高いほど脳が清く覚醒されていて学習能力と免疫機能が高いということを意味する。注意指数は12〜15HzのSMR波にシータ(θ)波の比率分析を通じて求めることができる[12]。抗ストレス指数は内外的環境要因による肉体的精神的疲れに対する抵抗値を現わす数値だ。肉体的ストレスは人体の緊張と不安、興奮状態を表して精神的ストレスは心理的な緊張と不安、興奮状態を表す。抗ストレス指数は高いほど病気に対する肉体的、精神的ストレスに抵抗能力が大きいというのだ。抗ストレス指数はデルタ(δ)波と高速ベータ(fastβ)波の相互連関性によって求めることができる[13].

[12] J. F. Lubar, "Electroencephalographic Biofeedback of SMR and Beta for Treatment of Attention Deficit Disorders in a Clinical Setting," pp. 1-23. pp. 10-14., Biofeedback & Self Regulation Vol. 9, 1984.
[13] E. G. Peniston, "Alpha-theta EEG biofeedback training inalcoholism and posttraumatic stress disorder". pp.5-7. The international society for the study of subtle energies and energymedicines, 2. 1992.

 これは、O型がストレス抵抗力が高いというのに一致します。 コーティソルはストレスがあるときに分泌されるホルモンで、O型が一番低いという報告があります(ただし有意差はないらしいです)。

 Locong AH, Roberge AG (1985), Cortisol and catecholamines response to venisection by humans with different blood groups, Clin Biochem, 18(1):67-9. [http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/...]

■おまけ

 その後、韓国のデータベースで文献を調べていたら、面白そうなものがいくつかヒットしました。
 参考までに、「血液型」と「性格」で検索した結果を書いておきます。
 [http://kiss.kstudy.com/]

研究論文:血液型に応じた性質の分類と脱毛感度
イジェスク(JaeSukLee) 韓国美容協会, <韓国美容学会誌> 13巻3号. 2007 pp.1501-1507
(PDF file / 7 pages)

自然科学編:血液型別の性格特性と体力検査成績に関する研究-慶尚南道地域内の男女高校生を中心に-
ジョンソボン(SoBongJung) 慶尚大学慶南文化研究所, <慶南文化研究> 5巻0号. 1982 pp.123-134
(PDF file / 12 pages)

今月の研究室:人文系、実業系の血液型別の性格特性と体力検査成績の比較
ジョンソボン、ジョンソンテ 大韓体育会, 174巻0号. 1982 pp.85-91
(PDF file / 7 pages)

今月の研究室:出生順、血液型別の性格特性と体格検査成績の比較
イヨウンウン、ジョンソボン(YoungUngLee、SoBongChoung)
大韓体育会, 172巻0号. 1982 pp.83-88
(PDF file / 6 pages)

 -- H26.8.17


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最終更新日:平成26年8月17日 [モバイル用に微修正]