多くの心理学者は、昔は統計的な差があることを否定していたのですが、2005年以降には(なぜか?)差があるという見方が主流となりました。
それでは、血液型と性格に「関係がある」ことになったかというと、結論はウヤムヤになってしまったようです。(^^;;
どうやら、統計的な差は「思い込み」によるものだから本当は関係はない、となったように思えるのですが…。
しかし、実際のデータを調べてみた限り、どう考えてみても思い込みだとは思えません。
ここでは、金澤正由樹さんの『統計でわかる血液型人間学入門』による説明がわかりやすいので、図を拝借して単純化して説明します。
では、スタート!
もし、統計的な差が「思い込み」によるものだとすると、自分の血液型の性格特性を知っていればいるほど、他の血液型との回答の差(=統計的な差)が大きくなるはずです(下のグラフでは、上半分の濃い実線)。逆に、統計的な差が「思い込み」によるものではないとすると、その性格特性を知っているかどうかと、他の血液型との回答の差(=統計的な差)は関係ないことになります(下のグラフでは、下半分の薄い実線)。これをグラフにすると次のようになります[出典:金澤正由樹さん 統計でわかる血液型人間学入門]。
なお、その血液型の性格特性を知っている割合が25%以下で線がないのは、血液型は4つなので、偶然でも1/4は当たるので意味がないからです。(^^;;
そこで、2つの心理学論文のデータを組み合わせて、本当のところを分析してみました。質問項目は複数の血液型本に共通するものを選びました。4つの血液型ごとに7項目で合計28項目です。この28項目を被験者全員に回答してもらいます。
例えば、「ものの言い方や表現法はもちろん、欲望の表し方もストレートである」はO型の特性なので、O型の人は他の血液型より「当てはまっている」と回答する人が多くなることにな るはずです。そしてまた、O型の人の多くが、この特性を知っていないとおかしいのです。
■実際の質問項目として採用した血液型性格特性の一覧
血液型 性格特性 A型項目 礼儀正しい 内向的で、問題を自分の中だけで解決する 協調性がある 思慮深く、物事に対して慎重な態度をとる 責任感がある 本音よりも建前を重視する方である 感情が豊かで、繊細である B型項目 すぐに動揺してしまうことがある 人情もろい 友人関係が広く、気さくで社交性がある マイペース型で、周囲の影響は受けにくい 楽観的である 慎重さに欠けている 行動派であり、好奇心旺盛である AB型項目 親密な人間関係を避けたがる傾向がある ソツがなく、意外と親切である 妙にメルヘンチックな面がある 合理的にものを考える傾向がある クールでドライな印象が強い 飽きっぽい 気分にムラがあって、ともすると2重人格のように見えることがある O型項目 人がよくて人間味がある 積極的で、かつ実行力がある 目的のためとあらば、最大限の勇気と根性を発揮する 意志が強い ものの言い方や表現法はもちろん、欲望の表し方もストレートである 個人主義的で、ともすれば自己中心的になってしまう 情熱的である その性格特性が自分に当てはまっているかどうかを1(最小)〜5(最大)の5点法で評価
その結果、全体のほぼ半分を占める血液型に興味があるグループでは、15項目に統計的に意味のある差が検出されました。しかし、実際のデータを見て、質問項目をよくよく眺めてみると、次の7つの項目が奇妙であることに気が付きます。
1. 内向的で、問題を自分の中だけで解決する A型の質問項目→AB型の数値が高い
2. 人情もろい B型の質問項目→O型の数値が高い
3. 友人関係が広く、気さくで社交性がある B型の質問項目→O型の数値が高い
4. 飽きっぽい AB型の質問項目→B型の数値が高い
5. ものの言い方や表現法はもちろん、欲望の表し方もストレートである O型の質問項目→B型の数値が高い
6. 個人主義的で、ともすれば自己中心的になってしまう O型の質問項目→B型の数値が高い
7. 親密な人間関係を避ける傾向がある AB型の質問項目→B型の数値が高い
そこで、とりあえずこの7つの“奇妙な”回答は除くこととして、「正しく」回答した質問項目をグラフ化してみました[出典:金澤正由樹さん 統計でわかる血液型人間学入門]。
見ればわかるとおり、現実のデータの傾向は、その性格特性を知っているかどうかと、他の血液型との回答の差(=統計的な差)は関係ないのです。つまり、統計的な差は 「思い込み」によるものではないということになります!
追試はされてないのですが、これが本当だとすると「百年の血液型論争に終止符を打つ。」は、まんざら誇大広告でもないことになります。(笑)