「紅葉する老年」と云う言葉があります。好きな言葉です。人生の収穫期!どうにか峠を越えた!後は下り坂だけ・・・。峠から見おろした、里山の景色はよかった!チョッート霞んでいたけれど。桃源郷の如くな、里山が見えました。今は霧でぼやけていますが確かです。いや、多分、見えた気がしただけだったのかな・・・。兎に角、あとは下って行けば辿り着けます。そんなに先を急ぐとこもありません。まだ、陽はは高い。ここらで一服して老輩の駄文でも読んでやって下さい。

題して「カフェブロッサム繁昌記」2017年1月の巻きです。


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

 2017年1月31日(火)晴、風有
朝より風有て寒。首に襟巻をグルグルやって、自転車で飛駒に向かう。昨日とはうってかわり寒さ戻る。西寄りの寒風だ。しかし、この所、脚の筋肉も少し鍛えられてきているから、アゲンストの風に逆らい突き進むのだ。難所も無事通過。1時間半で店に到着する。間もなくして、人来。フォンヂュ、エスカルゴを供する。グローバルな人文科学な方面に博学な紳士で、話がとても面白い。こういう人とも遭遇出来るから、店の仕事は面白い!風が強くなるといけないので、陽ざしのあるうちに退散!今日で、一月もお終いだ。耳はトラブル続きであるが、目のほうは読書にも耐えられるので、有り難い限りだ。近いうちに「う」でもって、栄養補給を心掛けたい。
 2017年1月30日(月)晴
朝より晴、暖。9時半自転車で飛駒に向かう。陽ざしは遮るもの無く、風も吹かない。途中の田園風景は将に春の如し。ラジオでは現在の関東地方は4月中旬の陽気だと云う。11時前に無事店に到着。昼の外気温は17度。今日は、埼玉方面より、デジタルなライカを持って訪れる紳士が居る。現役時代は老輩同様、貿易をやっていたと言う。外国為替の事なども交えて、暫く歓談。やはり、埼玉県からドライブしてきたと謂うカップルも来。この店に来るのが唯一の目的であると言う。有り難いではないか!今日は、帰宅途中、耳鼻咽喉科訪。この頃、耳の聞こえ具合がおかしいので先生に診てもらったが、昨年の2月に鼓膜に施して貰ったチューブ周辺の状態が、難聴の原因であると云う。月一位でメンテナンスをする事を老輩は忘れてしまっていたのだ・・・。今週末チューブを入れてもらう予約をする。耳も大事な機関であるから、大切にしようとおもう。そうでなくとも、老輩は、人の話は聴かないという傾向にあるのだから、人の声はしっかりと聞こえるようにしたい。夕、粗食飯。かくの如くして、晩冬の一日は過ぎゆく。
 2017年1月29日(日)曇後晴
昨日に続き暖。今年の1月は2日から、スゥエーデン作家の「ミレニアム」シリーズに魅了され、シリーズを全部読むことに明け暮れした。この推理モノを始めて読んだのは2008年の暮れで、「ドラゴンタトゥーの女」というサブタイトルが付いていたようにおもった。パソコンを操り企業の極秘情報を盗み出すことにたけたハッカー、企業の不正を暴くジャーナリスト、元ソビエトの高級情報将校、インターネットの世界観・・検札、警察という組織の人々の活動・・・・・、そう云うモノが複合的に重なり合って事件が解決に向かい、更に、別の事件が起こる。初版を読んだ後、大分ブランクがあったが、ふとしたはずみで、読みだしたら止まらないミステリー小説だ。今年はシリーズの5が出版予定だと云う。愉しみなところだ。
 2017年1月28日(土)晴
風無く暖。飛駒は晴天だ。丸岩岳の白いものも消えている。春の兆しであろうか。梅の蕾も紅色に膨らむ。早速犬連れのお客さんが、庭先に席を取り、恵まれた陽ざしのもと団欒。まさに、店のあるべき風景だ。終日焼き物に専念する。帰宅途中、美味しそうなイワシを買い、ソテーにしてシャルドネで飯。
 2017年1月27日(金)晴、暖
晴れて東風有り。終日休息。他、特に記す事無。
 2017年1月26日(木)晴
起床の折、愛妻の夢を見ていたことを思い出す。今日は、世が世であれば、老妻の誕生日であった!思わず合掌。上天気なので布団を干す。午後、長椅子に横臥し、読書。晩餐は牡蠣フライを拵え、シャルドネで飯。他、特に記す事無。
 2017年1月25日(水)晴
日一日と、僅かだが、陽射しが長く、強くなっている。冬、自転車で飛駒に通勤することは無理であろうと思っていたが、防寒対策さえしっかりしていれば何とかなるだろうと思う次第。しかし、登り道で冷たい向い風に遭遇すると、難儀する。この頃、ステーキの添え野菜に、玉ねぎを暖炉の火で炒める時がある。試食してみると、ホクホクした食感となる。この先を追求すると面白そうだ!
 2017年1月24日(火)晴、寒
朝より晴。店を開ける為に、自転車で飛駒に向かう。今日は北寄りの寒風が激しい。厚手の手袋を付けていても、名草まで来ると手の感覚がなくなってしまう。ポケットに手を入れ、暫く温める。須花坂を越える時は、体が暖かくなる。店が終了して、3時の外気温は2.5度。谷間に陽射しはまだあるので、急いで谷を下る。帰宅後例によって風呂につかる。晩餐は牡蠣フライを拵え、シャルドネで飯。
 2017年1月23日(月)晴
朝、6時半頃目が覚めたが、寝床から意気上がるのが億劫で、再び寝入り9時起床。10時に自転車で飛駒に向かう。強い陽射しが背中を温めてくれる。店が済んで3時の外気温を2度。4時過ぎ帰路につく。途中、左脚裏が痛んできた・・・。谷も暗くなり、寒風降り注ぐ。上等な手袋をしていても、手がかじかんで、其の内に、感覚がなくなってくる。手に付けていた手袋は、オーロラを見るため北極圏に出掛けた時にも、使用したモノだ。犬ぞりに乗っていた時にも使用していた。其の時も、今のように感覚がなくなった覚えがない。勿論、老輩のCPUはかなり劣化しているから、その記憶は不正確化もしれないが・・・・。そんな訳で、須花坂のトンネルの手前で、自転車を降りて、手をズボンのポケットに入れて感覚を戻すまで休息する。今回は、帰宅するまで、数回休息をしたのであった。今日も、帰宅後直ちに風呂に入る。この一時は表現できない程の極楽だ。晩餐は牡蠣フライを拵え、途中で買った鮟鱇を圧力鍋でどぶ汁にして飯。
 2017年1月22日(日)晴
飛駒、9時の外気温は0度。室温10度。昼、室温28度。人、三々五々人来。帰宅後、陽の当たる長椅子に横になって読書。「ミレニアム4」を読了。このシリーズは全世界で8000万部売れていると言う。しかも、「ミレニアム4」は、最初の著者が50歳の若さで死んでしまい、別の作家が登場人物の持ち味を上手く引き継いで、小説の展開をしたものだ。量子コンピュータの話なども出て来て、楽しめるミステリー小説。50歳とは如何にも若い・・・。漱石は49歳であった。朝日新聞に入社して新聞掲載小説を始めたが、一作ごとに、胃潰瘍を悪化させたという経緯がある。この北欧作家もこんなに面白いものを書くのであるから、きっと体を使ったに違いない・・・命と引き換えの作品だ。しかし、そのお陰で、極東の片隅で生息する老輩の無聊を慰めてくれるのだから有り難い限りだ。命と引き換えと云えば、老妻も或時、「勝っちゃん!お医者さんが、大事に使えば私の体もあとちょっとは持つと言ってますよ!」と、相談したい風に言ったことがある。つまりは、老輩がお医者さんの処に出掛けて、家族の立場で話を聴けという事なのであろうが、しかし、そうなると、我等二人のライフスタイルにも関わって来ることであるから、お医者さんの話を聞く事を、先延ばしにしてしまった。今にして思えば、老妻には申し訳ないと言う気持ちになるが、しかし、あの時は、二人で忙しくして居る事に、互いの存在意義があると思っていたのであるから、それはそれで、しょうがない事なんだと思う次第。本年2017年にはミレニアムシリーズの5も発売予定だと云う。愉しみなところだ・・・。
 2017年1月21日(土)晴、暖
9時半外気温は0度。昼に至り風無く暖。この頃、陽ざしが日ごとに強くなる。昼、室温26度。終日焼き物に専念する。
 2017年1月20日(金)曇後雪
昼前より、絵が好きな仲間に誘われ、展覧会に出掛ける。会場は佐野市民会館。昼、プチボヌールにて飯。帰路、館林県立美術館に寄る。目の保養をする一日となった。
 2017年1月19日(木)曇後晴
今日は病院へ行く日だ。尿検査、血液検査とも良好との結果を得る。しかし、コレステロール値は高め推移である・・。昨夜、読んでいたミステリーの中に舌平目のムニエルの事が出て来て、病院の帰り、イオンモールでヒラメをみて、さばいて貰い、夕飯に拵えて飯。食べながら、これもバターをたっぷり使ってしまったので、検査の数値の事を思い出し反省する事頻り也。
 2017年1月18日(水)晴
風無く寒。店を開ける為に、今朝は風もない様なので、自転車で出掛ける。心配していた筋肉痛も生ぜず、無事到着。暖炉に火を入れ、間もなく、来店有。店を終えて復路、谷間の向こうに陽が没し、日陰がちの道路を走ると、冬の空気の冷たさが体に浸み込んでくる。3時の外気温は5度。帰宅後早速風呂に入る。この瞬間は極楽也。昨日、文化村の付近で、映画を観る前の腹ごしらえをする為に入った店で、灰田勝彦の歌が流れていた。「東京の屋根の下」「新雪」「野球小僧」等・・・。戦後間もなくの頃の有楽町、日比谷界隈の風景が浮かぶようだ。長崎ちゃんぽんの店で、忙しくたち働いている若い大将は長崎の出身だと言う。ぼんやりと懐かしい音楽に浸って居ると、程なく湯気を立て、美味しそうな汁たっぷりのチャンポンが出て来た。丁寧な作りで、思いのほか時間が経った様だ。映画は3時15分に始まる。今、3時5分過ぎ。目の前が劇場の入り口でもあるから、途中で残しても店を出て映画に駆け込もうと思い、箸で麺をつまんでひと啜りするとこれが「美味しい!」今まで休眠状態であったお腹が空腹であることを思い出したようだ。レンゲでスープをすくって口に含むと「誠に美味」、こうなると、体と精神は分裂状態となる。体はチャンポンを更に欲して、「麺を!スープを!」と要求する。気持ちはあと5分しかない!。劇場はエレベーターで6階まで上がらなければならないから、「もう、諦めて、店を出なければならぬ!」と命令する。しかし、体は「もっとスープを!麺を!」と要求する。スープは体に浸み入るが如く、老輩はあいだに挟まれ、錯乱状態に陥る。いつぽう、手は皿から口へとチャンポンを自動的に運んでいる・・・。汗を拭き々エレベーターに駆け込んで、劇場に到着すると、既に、予告編が始まっている。係りの人に、平身低頭して、劇場に入れさせてもらった次第。しかし、灰田勝彦「東京の屋根の下」は良かった!チャンポン旨かった!
 2017年1月17日(火)晴
午後、道玄坂のル・シネマにて「アイヒマンを追え」を観る。老輩は第二次欧州大戦時代の事象から目を離すことが出来ない。そう云う事に関心を持つ人間は、身の回りには見当たらない。しかし、映画館に出掛けてみると、年齢的にも同輩ばかりで、しかも、満席状態であるから都会の高密度というモノには、驚く次第だ!今回の映画で何よりも感激したのは映画の内容ではない。それは、準主役を演じる男優の顔が知り合いに酷似している事だ。「他人の空似」と云う諺がある。老輩も、長い人生の中で、一度や二度はそういう事を、目撃、いや体験したことがあるが、しかし、そうなると、もしかしたら、広い世間には愛妻と似た人物がいるかもしれない・・・どうなのか!声が似ているとか・・・。そう云う視点で、人の多いところに出掛けて、観察したなら、百点満点とは言わなくても、80点位な人を目撃できるかも知れない。幸運にも、そういう人を目撃する事があったならば、その時、気持ちがどう作用するかしばし思案する。夕刻、知り合いと待ち合わせて、甥の店にて、今年の挨拶を済ませ、神泉にて若人と会食して、終電に乗る。
 2017年1月16日(月)晴、寒
飛駒、3時の外気温は2度半であった。陽ざしはあれど、寒風吹き抜ける寒い日となる。無来店者。店の片づけ、清掃をしてぬくい二階の客席で読書。夕、粗食飯。
 2017年1月15日(日)曇、寒
日本列島を強烈な寒波が襲う。飛駒、9時の外気温は0度。地面は薄っすらと白く、風花も舞っている。昨夜、雪が降ったらしい。暖炉に薪を頻りに入れる。昼の室温は29度。こんな天気にも関わらず、三々五々人来。暖炉にあたりながら、雪景色は風流だと云う人もある・・・・。帰宅後粗食飯。食後「声」を読む。アイルランドのくミステリーだ。警察刑事モノ。小説の底流に父と子の関係性が事件とは別に描かれている。老輩も著者の描写に共感する。この作家はヨーロッパでベストセラー作家であると云う。そうすると、ヨーロッパでもテロや今日的な事象を除くと、この父と子の関係性は関心のあるテーマなのだろうと、しみじみと思う次第。
 2017年1月14日(土)晴後曇
今朝は10時になっても外は1度だ。風花も舞っていた。だから、暖炉に薪を入れてガンガン燃やす。昼は室温28度、外気温は5度。来店する人はあまりの温度差に驚くこと頻りである。其の内の一組の人は、暖炉が珍しいので、今度、法事で使わせてもらいたいと、予約を戴く。フォンヂュもよく出る。ニュースでは日本列島に寒波襲来と報頻り。3時の外気温は2度。
 2017年1月13日(金)晴
朝より晴れ。朝食後、陽ざしを浴び、読書。昼、粗食飯。午後、長椅子に寝転がって読書、午睡。3時半頃より雲が出て来て、陽ざしを妨げられる。炬燵の部屋に移り、読書。晩餐はヤリイカと野菜を炒め、シャルドネで飯。
 2017年1月12日(木)晴
朝より晴。布団を干す。陽の当たる長椅子で「ミレニアム4」を読み始める。昼、粗食飯。長椅子で再び読書、午睡。週ごとに陽ざしの強さが増し、季節の推移が解る所が面白い!
 2017年1月11日(水)晴、寒
朝より、自転車で飛駒に向かう。峠に差し掛かると、左脚の膝裏の痛みが現れ、仕方がないので、自転車を降りて、歩くことになった。トンネルを貫けると、トンネルの入り口左側に、白い車がボンネットを開けて止まっている。尋ねると、バッテリーが上がってエンジンが止まってしまった様だ!この付近は、電話も圏外になって、どうすることも出来ない。最寄りのスタンドまでは5キロぐらいはある。老輩は、もし、待っているのであれば、これから圏内に下っていくから、自動車修理屋さんに連絡して牽引に来てもらいましょうかと相談しているうちに、真新しいトラックに乗った若い人が、声を掛けてくれたので、その人に事後の事は任せて、坂を下り店に向かう。今日は来客無。こういう時は、早く家に戻りたくなる。まだ、日の高いうちに自転車にまたがり帰宅。この頃、報道で改元の動向が伝わってくる。陛下にはご苦労様と言いたい。晩餐で独酌をしながら、平成元年の頃を思い浮かべる。1989年1月7日が昭和の最後であったと言う。老輩はあの頃、北米の東海岸と足利をしょっちゅう往復していて、仕事人生において、猛烈な勢いで前進していた頃だ。何しろ、周りの人達がやった事が無い、事業内容に着手、詳細はアメリカの現場で勉強する必要があったので、事があるごとに東海岸に出掛けていた。夢中でしたね。なにしろ、そう云う事を把握しているのは日本人の中で自分一人だと云うような自負もあったから、面白かった。あまり最先端の事柄なので、身近に相談する友人も、先輩もいない。頼りになるのは自分の見聞と感性だけでありました。そんなところに、今度は愛妻の乳癌事件が発生したのです。結婚記念日のフレンチレストランでの晩餐の最中、ヨーコさんが「勝っちゃん!私、乳癌!。初期じゃないのよ!」老輩はこの分野は門外漢!驚いて、オロオロするばかり。今であれば「ヨーコさん!軽く言ってくれたぜ!」と言えるかも知れないが、その時は、慰める言葉もないのでありました。そして、昭和天皇のお葬式の日にヨーコさんの乳癌摘出手術行われたのだ。確かこの、1989年春には中国にも行っていた。帰国してまもなく天安門事件をテレビで知り驚いた次第。しかも、その秋にはベルリンの壁崩壊もあった。この崩壊のニュースを老輩は滞米中に出会う。ニューヨークの郊外にある古いホテルでの晩餐が済み、部屋に戻り、テレビのスイッチをいれたら崩壊の報道が流れて、あたかも、歴史的一瞬に立ち会った如くな心地がしたのを今思い出した次第。
 2017年1月10日(火)晴
晴れて穏やかな日和となり、3週間ぶりに自転車で飛駒に向かう。滑り出しは快調であったが、名草付近に差し掛かったところで、左脚、膝裏に痛みを生じ、ペダルを踏ん張る事が出来ない事態なる。しかし、ここまで来たのであるし、峠を越えれば、何とかなるであろうと、右足を頼りに、トンネルを貫け、通常より30分時間を掛けて、店に到着。お客さんの応対が済んで、帰路についたが、ここでも、朝の左脚膝裏に生じた痛みが現れ、だんだん激しくなる。幸い、須花坂を越えるまでは、下り道であるから、足をだましだまし、峠の登り口に至るも、限界を感じて、歩いて峠を越え、ようやくにして、帰宅する事が出来た次第。やはり、3週間のブランクがあり、いきなり、20キロのロードを走るのは無茶であったのかと反省する次第。帰宅後直ちに風呂に入り冷えた体を温める。粗食飯。夜、読書。昨年11月半ば頃より、読書生活がとてつもなく面白くなった。以前は、本を読んでいると、目がこそばゆくなり、長時間の読書は耐えられるものではなかったが、どういう風の吹き回しであろうか、長時間の読書に目が耐えられるようになり、毎日3~4時間の読書時間を得る。しかも、休日は午前中より深更まで本を読むことが出来るのだ!驚くべし、驚くべし!また、読み続けられる、面白い本に出会えたのが幸運なのであろうと思う。
 2017年1月9日(月)雨後晴
成人式。老輩も半世紀前に、成人式があった。あの頃は、自分の前には、膨大な時間が横たわっていているように思えて、それを、どういうふうに消化して良いか解らず、途方に暮れていた。そして、もしかしたら、将来英語は必要になるのではないかと思い、英会話を勉強し始めた。20歳になり、勢いで、「ヨーロッパ放浪旅行」という、目標をたて、それに向けて全てを捧げる。3年後それを達成できた時には、自分の人生を築く足掛かりができた様に思えた。あの時の気分は登山と同じで、足元を見詰めて重い荷物を担いで、一歩一歩進んで行くような日々であった。感慨無量也。
 2017年1月8日(日)曇後雨
この所、報道で「ブザンソン」と云う地名をよく耳にする。懐かしい響きの地名だ。昔、聞いたことのあるフランスにある山地で、しかし、そこに行ったことはないので・・・と記憶を辿っていると、スタンダールの「赤と黒」のジュリアンソレルが育った環境であることを思い出した次第。いつ読んだかは思い出せないが、深い森林を有する「ブザンソン」と云う場所が記憶に残っていたのだ。19世紀では僻地で、しかし、その頃から、パリのギャルソンを供給する土地柄であったようだ。また、パリの煙突掃除をする人たちもブザンソン出身者が多かったと云う。どこまで、自分の記憶力が頼りになるかは、この頃半信半疑なところだが、今日は「ブザンソン」を思い出して気分がスッキリした。
 2017年1月7日(土)晴、風無く暖
穏やかな日和となる。しかし、8時半、飛駒の外気温は-2度。早朝、夢の中で久しぶりに愛妻が出て来た。「勝っちゃん!元気でやってますか!」こちらは、「お陰様で生活も慣れて来ましたよ」と答え、「そちらの方は如何です?」と尋ねると、「大丈夫!何の心配もありませんよ!」と答えた様な如くだ。昼前より人来。終日暖炉で焼き物に専念する。しかし、忙しくなって、料理の配達も手伝う。階段を登る事二十数回余り。運動になった・・・・。
 2017年1月6日(金)晴
午前中、市中散歩、午後、読書。他、特に記す事無。
 2017年1月5日(木)晴、寒
今朝は風があり、自転車に乗れないので、歩いて鑁阿寺に初詣に出掛ける。その足で図書館により、小説を借りる。この頃は、何処の本屋さんに寄っても、実用書ばかりで、面白い本に巡り合う事は、困難だ。もっとも、この頃は、銀座あたりに出向いても、映画を一本観ると草臥れてしまい、本屋さんで書棚を探すエネルギーが湧いてこない。帰路、久しぶりに鮟鱇でも食べたいと、魚屋さん寄っても、新年早々なので用意が出来ないと言う・・・・。午後は、読書。晩夕、粗食飯。この頃、晩餐に昔のフォークソング、例えば、ナターシャセブン、高田渡、フォークルセダー等を聴く。青春時代を思い出しのは精神衛生上も有意義だと思うのだ。今日、ふと「イムジン河」をフォークルセダーで聴いてみたら大変胸を打つ、感動モノの音楽だ。老輩も機会を得て、実際の「イムジン河」の淵に佇んだこともある。この曲は本当に人の心を打つモノだが、あの国の現況とはとてつもなく距離があり驚く次第。
 2017年1月4日(水)晴
終日晴れ。午前中、布団を干す。日向に寝ころび「ミレニアム2下巻」を読み始める。展開は非常にスリリングだ!しかし、登場人物が北欧の名前であり、しかも、数え切らない程の小説の中に詰め込まれているので、場面展開において、混乱をきたすことがある。小説から一時離れ、例えば、昼食の準備を台所でしている時、主人公や重要な周辺の人物の名前を思い出そうと思っても、名前が全く出てこない!!しかし、雑用が済んで、本を開くと、物語の流れに、すんなり入っていけるのだから面白い・・・。連休の予約も入り始める。有り難き哉。
 2017年1月3日(火)晴
朝、お天気が良いので、布団を干す。洗濯物も外に干す。午前中、市中歩。昼、粗食飯。午後、長椅子で読書。夕、粗食飯。長椅子で読書。深更「ミレニアム2上巻」読了。ミステリーは面白い!
 2017年1月2日(月)晴
風無く暖。昼より三々五々人来。昭和5年生の婦人も来。2年前に大腿骨骨折をしたと言って、杖も持っている。老妻が存命中、二人が病院に行った折、家内の骨密度を調べたことがあったが、女性は老年になると骨粗鬆症になり、骨が折れやすい傾向にあると、あるという事で、暫く、薬を服用したことがあった。そんなことも話題にしながら、老輩の骨折、回復経験をお話して、暫く話が盛り上がった次第。晩餐後「ミレニアム」を読み始める。
 2017年1月1日(日)晴
朝より晴れ。宵の内から深更まで「緑衣の女」を読んでいて、朝寝をしてしまった。電話で孫の家より雑煮の準備が出来たと連絡が入り、入歯を入れて出掛ける。孫たちにお年玉を渡し、お節を戴き、あたふたと、店に向かう。天気晴朗、途中の風景はのどか!今年の我が身辺は穏やかでありたいと願うばかりです。今日のローストビーフの焼き加減は、上等の出来だ。幸先が良いではないか!店が終わり、帰宅後、再び読みかけの「緑衣の女」に戻り、読了!去年あたりはフランスの作家ミシェル・ウエルベックの作品を一所懸命読んでいた記憶があるが、この頃はアーナルデュル・インドリダソンだ。この作家が面白いです。今夜は先日拵えていた、ブフブルギ二ョン風の料理を用意して、ボルドーの赤、ブルゴーニュではありません、クラレットです・・・、その1999年を開け新年に乾杯!皆さん、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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