これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの「繁昌記」2016年の2月の巻。
既に、老年70を越え、激変する世界、「一体世の中はどうなってしまうのか」とおろおろするばかり。最近、今日の世界を俯瞰するような「21世紀の資本」といタイトルの本が翻訳されみすず書房より出版になったと聞き及びます。草堂に時を過ごす中、一度目を通して、一条の光を得たいと思うこの頃です。
さて、「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。

最近読んだ気になる文章
「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場所に等しく訪れるわけではない」リンダ・グラットン著 「ワークシフト」より


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2016年2月29日(月)曇
朝より曇、暖。午前中より、陶芸家の童太君にお手伝戴き物置の雨もりを補修。先ず、屋根の棟に登り二人で避雷針のシャフトを取り除く。風は少しあるが、寒くはない。此処にも春の兆しがある。慎重に作業を進め、無事終了。午後になって、俄かに雲行きが怪しくなり一時激しい雨有。絶妙なタイミングで雨漏りの補修が出来て良かった!
2016年2月28日(日)晴、暖
午前中より、フェラーリ、アルピーヌ来。午後に到り福島よりキャンピングカー来。昭和16年生の婦人もチーズフォンヂュとローストビーフを堪能していく。キャンピングカー氏は那須は近いから新鮮味が無く、それでは、他にどこがあるかと、探し回った末にカフェブロッサムに辿り着いたと謂う也。有難いではないか!最近、漠然と将来展望を模索するなかに、「72歳になる老人の、前に進もうとする原動力は何であろうか?」と謂う問いが、常に目の前にぶら下がっている。おぼろげながら、答えを探ると、次の事に行き着くのだ。1:人生行路の中で、自分が知り得た事を若い人たちに伝えたい。2:伝えると謂う事を全うするには、自らを鼓舞して、前進せねばならない。3:痴呆に陥らない為には、体に適当な負荷を掛けての運動が必要である。4:前進するためには、常に精神を刺激して、新しい明日を迎える心がけが必要である。5:その為にはお店に出て、お客様には大変迷惑かも知れないが、来店する方々の話相手をして、自分の内面への刺激を保つことを心がける必要がある。以上の5点に集約される。此処まで来て、次に何を話そうかという事を失念してしまったので、今日はここでお終いにいたします。次回をお楽しみにお待ちください。
2016年2月27日(土)晴
8時半の室温11度。12時の室温26度。東の窓をみると、クリスマスローズが咲いている。地面にはイヌフグリの小さな花も沢山ある。裏の梅の花は満開だ。今年、この梅の花はこの2月初旬より咲き始めたから約一カ月咲いている事になる。途中で寒さが激しくなって花もちがしたのか・・・・。陽射しは暖か、春は近いのである。
2016年2月26日(金)晴、寒
終日休息。夕方、織姫山に出掛けようと外へ出たら、思いの外寒いので厚いコートを着て出掛ける。他特に記す事無。
2016年2月25日(木)晴
昨深更雪有。朝より寒。今日はお休みだが、春になったら着ようと思っている革のジャケットに付いていたボタンが取れてしまったので、アウトレットの修理屋さんで直してもらう。森田屋にて昼飯。帰宅後、エッセイを纏める。産みの苦しみが続くなり。
2016年2月24日(水)曇、寒
朝より寒。飛駒は来客有らず。エッセイの推敲を頻りにする。陶芸家婦人と次の読書会について相談。3月の18日ごろを目安とする。
2016年2月23日(火)薄曇、暖
朝より暖。枯れ枝を集め、暖炉に入れ燃やす。今日は静かなので、とりかかっていたエッセイを概ね纏める。しかし、肝心な落としどころが浮かばない・・・。悩ましい時節だ。夕方織姫山散歩。
2016年2月22日(月)晴時々曇
薪が少なくなって来たので、昨年伐採しておいた、庭木を薪にして暖炉に入れる。今日は昨日と異なり、風無く暖。20年前の立派な米国車来。店が終わり、一段落した折、エッセイを勘案、今回は、呻吟頻り也。
2016年2月21日(日)晴、風強
朝より風有。しかし、寒風ではない。8時半の室温15度。10時の室温は27度。ローストビーフが焼きあがる頃、人来。続いて昼まで続いてほぼ満席となる。そうなると、老輩は焼物にまわり、仔羊、ステーキを焼く。愛犬家も来。赤ちゃんずれも来。
2016年2月20日(土)曇
朝より曇、昼前より雨が降り始める。ローストビーフが焼きあがる頃になり、来客有。続いてまた人来。話を合わせたように続いてゆく。今日は、雨模様であるので、のんびりする日であろうかと思っていたが、気がついてみると満席。お客様にはゆっくり寛いでもらい、順次料理を運ぶ次第。
2016年2月19日(金)晴、暖
朝より風無く暖。昼前より織姫山に登り、そのまま両崖山まで脚を伸ばしてハイキングコースをたどる。あれは、いつごろであったろうか、ヨーコさんとこのコースを楽しんだ事がある。コースを辿りながら、しんみりした気分になる。昼は、織姫山山頂に在る「いとう」という蕎麦屋で飯。途中、予約も入り始める。有難き哉。
2016年2月18日(木)晴、寒
朝より佐野厚生病院訪。検査では特に注視すべき数値は無。「このままの生活を続けるように」と先生もおっしゃる。有難き哉。今日は、気分もよいので、宇都宮の郊外に在る「美濃里庵」で美味しいおそばを戴き、帰路、HANNAという宇都宮市役所付近に在るギャラリーで昭和6年の建物を見学、座敷に入り、美味しいコーヒーをご馳走になる。ガラス戸越しの庭、手入れの行き届いた室内、久しぶりに目の保養になる次第。
2016年2月17日(水)晴、寒
飛駒、10時の外気温は8度。終日寒。帰宅後、録画した植木等さんの「日本無責任時代」を観る。昭和37年の作で、その当時の東京の街が映し出されている。車社会が到来する以前の東京の街がある。物語よりも、その記録性に着目して熱心に見入る。あの時代、黒沢明監督の「用心棒」はこの前年であった記憶がある。映画の記録性は素晴らしいではないか!
2016年2月16日(火)晴、寒
朝より寒。来客無、掃除を頻りにする。他、特に記す事無。
2016年2月15日(月)曇、寒
昼の外気温は5度。人、三々五々来。一区切りついて、暖炉の前のソファーに寝転び、暫く午睡。至福の一時を得る。
2016年2月14日(日)晴
朝より風無く暖。4月の陽気である。お手伝い戴く近所のお嬢さんよりチョコレートを戴く。東京では春一番が吹いたと謂う。他特に記す事無。
2016年2月13日(土)晴後曇
今朝より陽気は春の如し。10時半の外気温はすでに15度、風無く暖。昼時、人が集中して、あわててしまい、火傷をした。しかし、直ぐに冷水にて手を冷やし、熊の油を塗る。夕方には、油が効いて、症状は非常に改善される。店を閉め、帰宅後織姫山を散策。神社には観光客の姿は増えたようだ。
2016年2月12日(金)晴、暖
午後より店に出掛け、店内を整理、整頓、清掃をする。室内の空気をかきまわす天井のファンもきれいに拭き取る。夕飯を付近に住む陶芸家夫妻とともにする。
2016年2月11日(木)晴
今日は愛妻の月命日也。お天気も良いので、所要の為、銀座に出掛ける。昼、グルガオンにて飯。表通りは中国の人で賑わっている。為替は大きく円高にふれ、110円台と云う。他、特に記す事無。
2016年2月10日(水)晴、風有寒
ニューハンプシアの大統領予備選サンダース氏とトンプソン氏が票を得たと報有。さすがは宗主国、ドラスティクな展開だ。この後は波乱含みでどういう風な展開になるのか、興味のあるところだ。ヨーロッパでは金融関係の連中が何かしくじったらしい。ヨーロッパ発の株価急落が東京マーケットにもめぐって来ている。TVでは毎朝、難民の報道有。原油も下がっている。此処暫くの間は、生活しやすくなる事は確かだ・・・。店では終日暖炉の火は絶えず。
2016年2月9日(火)曇
このところ、宗主国の大統領選挙の報道がさかんだ。オバマ大統領が就任してから8年がたつとしだ。それは2008年のことで、この年の10月、老輩は店の建物の側に在る高い松の木の頂上付近から落下して骨折、50日ほど入院した。退院後、まもなく、深夜近くになって、ワシントンよりの就任演説を聴いて、胸があつくなった思い出がある。今後の動向に注視したい。外為は115円で終了。株価も900円下げた。リーマンショックを思い出す次第・・・。
2016年2月8日(月)曇
飛駒、9時半の外気温は1度、室温は13度であった。終日暖炉を燃やす。今日は店は暇であったから、ゆっくりフレデリック・フォーサイスの本を読む事が出来た。
2016年2月7日(日)晴、やや風あり
今日は珍しく風がある。人三々五々来。帰宅後、織姫山を散歩。脚が重いのは体重が増えた事によるとわかったから、今日は少し気合を入れ、早足で一気にてっぺんまで登っていった。いつぞやは、山を下りてフレッセーまで来たら、急に血糖値が下がって歩く自信がなくなってしまい、タクシーを呼んで貰って帰れたが、今日は何事もなく無事に家まで着いた。こうして、いつまで元気でいられるのであろうか?先の事を考えても仕方がない。体力ずくりを心がけるべし・・・・。
2016年2月6日(土)晴
風無く暖。9時の室温10度。12時28度。人三々五々来。愛犬家も来。裏庭の梅も満開。春は既に訪れている気配である。帰宅後、織姫山散歩。昨日、坂道を登る際に脚の動きがやや緩慢になると思い、体重を測ったらこの10日間で1.8キロ増えていた。驚くべし、驚くべし!
2016年2月5日(金)晴
午前中耳鼻咽喉科訪。先生は、術後の状態も大丈夫だとおっゃる。音楽も聴こえるし上等である。昼は外食。午後、本を読みながら炬燵で午睡。愛犬と愛妻が夢の中に出て来て賑やかだ。目覚めた後も、気持ちがうきうきしていて愉しい。例によって織姫山散歩。風無く暖。今年も一年こうありたい・・・・・・。
2016年2月4日(木)晴
午前中、耳鼻咽喉科を訪れ、両方の耳にチューブを入れてもらう。直径1ミリ弱のチュウブを鼓膜を割いてねじり込み、鼓膜が元の姿に回復する作用を利用して固定する仕組みになっているようだ。これで、悩ましい問題が解決した。慶賀にたえない。昼過ぎ、友人が車で迎えに来て、佐野市のコンサートに出掛ける。ショパンのノクターンやクライスラーの「愛の喜び」、モンティの「チャールダーシュ」などが楽しめた。
2016年2月3日(水)晴
この頃は、深更よりの冷え込みが激しい。しかし、昼間になってしまうと、風もなく穏やかな日和となる。今夜は、晩餐どきに、録画した「ヒチコック」を観た。ヒチコック監督の「サイコ」と謂う作品を世に送り出す苦労話をつづった作品であって、ヒ夫妻がハリウッドに所有するプール付きの邸宅の様子が描かれたシーンで飛駒の店で使っているガーデンチェアーが出て来たので驚いた。時代は1958年頃の設定である。ハリウッドは飛駒の店に在る様なタイプの椅子が好みなのか・・・・と思う次第。この椅子はイングリットバーグマンが出る、「カサブランカ」の冒頭シーンにも出てくる。
2016年2月2日(火)晴、寒
朝より寒。10時の室温13度。外気温は3度。暖炉を頻りに燃やし、室温を上げる。昼に到り人来らず。ソファーに横になって、読書、暫く寝入る。薪が燃え尽きて、再び薪を燃やす。群ようこさんの馬琴の話は面白い。足尾、以前、真山青果の「随筆滝沢馬琴」は読んだ事があるが、一家の事情を嫁に絞っている所が面白い。馬琴の「八犬伝」は大好きだ。文章の流れが素晴らしい。話の舞台となるところが足尾、古河、大泉と身近なところが沢山出てくる。夕、帰宅後、織姫山散歩。夜、粗食飯。
2016年2月1日(月)曇
終日曇であったが、日中は穏やかな日和である。暖炉の前で、読みかけていた群ようこさんの「馬琴の嫁」開いて読み始めたら、まもなく寝入ってしまった。店を片付けて、帰宅。織姫山散歩。今日は、思いの外寒かった。粗食飯。

カフェブロッサムのトップページに戻る