これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの「繁昌記」2014年の11月の巻。
「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。

最近読んだ気になる文章
「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場所に等しく訪れるわけではない」リンダ・グラットン著 「ワークシフト」より


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2014年11月30日(日)曇
前橋方面寄り自転車で来る人有。約3時間を要すると言う。昼食後、暖炉も前で十分に温まり帰る也。明日より師走だ・・・・。
2014年11月29日(土)雨
朝より雨。紅葉は雨にも負けず、午後の陽に輝く。今年も残すところあと一か月・・・。何事もなく過ぎてほしいと願うのみ。
2014年11月28日(金)曇時々晴
曇時々晴。終日休養。他、特に記す事無。
2014年11月27日(木)晴
久しぶりに浅草に出て、浅草寺周辺を散策。尾張屋にて飯。午後に至り、銀座で3Dの映画を観る。夕刻、かねてより孫と約した洋服屋さんで合流してスーツを調達。晩餐をマキシムで過ごす。
2014年11月26日(水)雨、寒
朝より雨。終日雨、休養。他、特に記す事無。
2014年11月25日(火)雨、寒
連休営業の疲れが出て、朝寝をする。老妻は高倉健さんと同じ悪性リンパ腫を患ったことでまだ気を病んでいる。午後、老妻を連れて、日用品の買い出しに外出。日赤に怪我で入院した孫の様子をみに病室を訪ねる。元気そうで安心也。
2014年11月24日(月)曇
今日は終日曇、やや寒。三々五々人来。食事を済ませ、暖炉の前のソファーに腰かけ、コーヒーを飲んで貰う。足元から暖かく、居心地の良さに驚く人を見ると、薪割りをしたかいがあったと思う也。敷地の片隅には、数年前にお客さんからもらったモミジの苗木を植えたものが、忘れていた頃には、見事に紅葉をしている。昨年の今頃は、老妻の入院で紅葉を楽しむ余裕はなかったので、ことのほか味わい深いカフェブロッサムの庭也。無事、連休の営業も終了、天に感謝多。
2014年11月23日(日)晴、暖、無風。
早朝よりローストビーフを焼き始める。周囲の木々に日が差し込んで、地面まで紅葉気分だ。千客万来・・・。北海道より出て来た両親を連れて来店する人有、我等と同年齢、お孫さんを抱いている。将に収穫の秋の風景!
2014年11月22日(土)晴、無風暖。
飛駒に向かう道中は山々の紅葉が始まり、秋の長閑な里山風景が満喫できる。庭内に入りれば、これも、秋の色どりの真っただ中にいるがごとくで、長閑この上ない。我らの人生もかくのごとくありたい・・・。
2014年11月21日(金)晴、暖
朝より暖。休息に努める。衆院解散の報有。為替は118円となる・・・。他特に記す事無。
2014年11月20日(木)曇
北米ニューイングランド方面では寒波で雪が降っていると報有。午前中は、エッセイ勘案。昼粗食飯。甘いものが欲しくなり、上州屋にお団子を買いに出掛け、粟大福を得る。腹を満たした後、飛駒に出掛け薪作りに精を出す。今日は、暫くほおっておいた小枝を手斧で細かく刻んで薪に拵える。大きなまさかりを振り回して、体が熱くなっているから外で作業も出来るが、手元が見えなくなって来たので途中で止めにする。今日は曇であるから暗くなるのが早かった。5時を過ぎて外気温は5度也。老妻は高倉健さんが悪性リンパ腫で命を落としたと知り、自分の病名と同じであり大いに気をもんでいる。慰める言葉が無い・・・。
2014年11月19日(水)晴
昼前より飛駒に出掛け、薪作りをする。風がややあるが、周辺の秋色深まる。日が沈み作業を終了。暖炉に火を入れて、先日来読んでいる「東欧革命1989年」の続きを読む。
2014年11月18日(火)晴
朝より老妻を乗せて太田の病院訪。検査の結果は概ね順調。昼、蕎麦飯。午後、二人で「グレース・オブ・モナコ」を観る。シャルル・ドゴールが大統領の時代の話だ。ドゴールの暗殺未遂事件の事が話題に出てくる。フレディリック・フォーサイスはその事件を扱う「ジャッカルの日」を書いてベストセラー作家になった。消費税延期の報有。高倉健さん逝去・・・・。83歳。干支は老輩より一回り上の「未」也。
2014年11月17日(月)曇
昨日、バルナックライカを首からかけた青年来。美品である。暫く、ライカについて歓談。尾張町の交差点付近にライカや金属カメラを展示している写真屋さんがあって、仕事の帰りにふらりと入って名機を眺めて暫く時間を過ごすとが楽しみの一つであった。あの周辺もすっかりかわってしまった。
2014年11月16日(日)晴、風なく絵にかいたような秋日和
朝よりローストビーフを焼く。製作工程の第三コーナーを回り始めたころ、暖炉も前に設置したソファーでしばしの休息を目論見、身を横たえたが、早朝の疲れもでて30分ほど寝てしまい、店を手伝っていただく「うぶちゃん」に「マスター!暖炉の火が消えちゃいますよ!」と注意を受けた次第。秋も深まり、暖炉の前で横になり、火の温もりを全身に浴びながら寝入るひと時は、何とも言えない、至福の一時だ。例えば、食事を済ませて、食後のコーヒーを暖炉の前でこんな風に過ごすことは、これこそが、将に「贅沢」というものであろうと思う。さて、一段落してまもなく、青年から挨拶をうけた。その人はかつて、自治医大病院で医学を勉強の折、時折当店を利用して頂いたご仁。今より、7〜8年前、医師になり九州へ戻ったのである。今日は、当地に所要の為訪れた機会を利用しての来店だと言う也。だから、その後の激変する老妻の境遇、老輩の波乱万丈の近況を熱心に伝え、一緒に記念写真に収まったのである。
2014年11月15日(土)晴
朝より晴。この頃、近所の電線に鴉が数羽留っている。薪割りをしていると、互いに話をする様に啼く。多分「おい・・・。またあの爺さんが来たぜぁ・・・。よく飽きもせず、斧を振り上げてやってるぜ・・・。」「この頃は、ばさま見かけねえが、どしだだ!」「おらほも、暮れてくるから、そろそろ、山さけえるけぁ!」と、賑やかに、話をしている如くに啼くのである。
2014年11月14日(金)晴
今朝は、興味深い事があった。というのも、昨夜、12時ころ寝て、今朝8時半までぐっすりと寝込んでしまったのだ。若いころと違い、こういう現象は珍しい。普段は、早朝に目を覚まして、排尿をしてまた寝入るのが普通だが、排尿もあらずして、通しで寝てしまった。昨日は熱心に薪割りをしたが、しかしそれは普段からやっていることで、珍しい事ではない。イレギュラーな行動は、「東欧革命1989年」というベルリンの壁が崩壊して、旧ソ連体制が崩壊するまでを扱った現代史だ。以前、トニージャットの「ヨーロッパ戦後史」という面白いナラティブヒストリーを読んだが、老輩が現役時代夢中で過ごしてきてしまった時代を丁寧に説明してくれる読み物は読んでいて一番面白い。読み始めた「東欧・・・」はけして難しい事が書いてあるわけではないが、話が込み入っていて、丁寧に文字を追って読み込んでいかないと、頭に入らない。だから、普段より時間を掛け、その時代のアジアや北米に起こったことなどを思い出しながら、普段より頭を使って読んだ。多分、そのことが、快眠の原因となったのだと思い至った次第。極東の対極にあるヨーロッパの現代史を調べていると、現在、極東で起きている出来事が俯瞰しやすくなり面白い。しかし、どうして、日本ではこういう現代を扱うナラティブヒストリーが現れないのかと少し考えてみたが、仮に、日本の歴史家が研究して書いたとしても、読者は日本人だけて、印税も限られてしまうという経済的な限界があるように思う。仮に英文に翻訳されたとしても、極東の現代史など誰も興味を持って読む人はいないのではないかと思う。これが、朝鮮半島の事であれば、例の朝鮮動乱の時代もあったから、扱いは別格であろうと思う。今日は、いつになく饒舌になってしまった。今日もお天気がよかったので飛駒に出掛け、ひとしきり、薪割りに汗を流す。
2014年11月13日(木)晴、風有、寒
朝より晴。午前中より独りで飛駒に出掛け、薪割りをして、汗をかく。午後も作業を続行。夕暮天空に星輝く。
2014年11月12日(水)少雨後曇
予報では暖とあったが、きわめて寒。朝より病院訪。検査の結果特に異常は見られないと謂うことで、帰宅。昼、ハムサンドと発泡ワインで飯。読書、午睡、読書。晩夕、家内がなべ物を拵え飯。
2014年11月11日(火)曇
終日曇。終日休養、読書。他に特に記す事無。
2014年11月10日(月)晴
「砂の器」を観る。制作年は1974年。映画はその時代の風景を写しこんでいる。都内の景色は別の国の様だ。日中関係正常化のに向かう兆しあり。このところ、小笠原周辺にて宝石珊瑚密漁の報頻り也。
2014年11月9日(日)雨
店の周辺秋色の気配有。終日雨。千客万来、暖炉の温もりを味わい寛いでいくしと多。いよいよ、暖炉も本格稼働也。昭和9年生の矍鑠たる老生来。訊けば、毎日、一時間半散歩をするという。見習うべし・・・。
2014年11月8日(土)晴後曇
昼を過ぎて、ミニ愛好家来。駐車場に集まること二十余台。壮観也。終日暖炉の火絶えず。著名な自動車評論家、徳大寺恒有氏の訃報有。老輩も氏の著書を愛読した頃があった。ある時は、銀座通りでダンディーな姿を見かけたこともあった。享年74歳という。感慨無量・・・。
2014年11月7日(金)晴、風有
この頃、家内は連続ドラマを観ている。老輩も昼の時間に一緒に見ていたら、芝居の中でスペイン風邪の事が、事件の主題になっている。そうすると、第一次世界大戦の後で、大正10年ころの時代背景かもしれない。昔読んだ本の中で、欧州大戦に参戦する米軍団が港に集合してその中にスペイン風邪に感染した者があり、その集団の中で大流行を生じ、大変な死者が出たと謂う。一説には、戦争で生じた死者よりも,風邪で死亡した兵士が多かったということだ。日本文学関係では劇作家の島村抱月が犠牲者になった。午後より、老妻を伴い店に出掛け、明日よりの営業準備をする。風有。外為115円をつける。他、特に記す事無。
2014年11月6日(木)曇
昨日同様曇。昼過ぎより飛駒に出掛け、夕方まで薪割り。汗が大量に流れる。小休止で野原に出でると、周囲は色づき始めた樹木に満ちている。啄木鳥の音も届き長閑である。外為115円を付ける。共和党上院、下院とも過半数を越える。刻々と変化する世界と、自然の流れに任せる世界に二股をかけ過ごせるのは幸せの限り也。
2014年11月5日(水)曇
昼前より二人で飛駒に出掛け店内整理整頓、薪作りをする。チエンソーの刃を棒ヤスリで目立てをすると切れ味が蘇った。夕、帰宅。晩餐中NHKの番組でベルリンのブランデンブルグ門を背に「ベルリンの壁崩壊から25年・・・」という解説が流れて来た。あの俄かに信じがたい事件は1989年の晩秋であった。老輩はその時、マサチュセッツ州のホテルの一室で夜分にニュースを観ていたら、その画像が飛び込んできたのでよく覚えている。この、1989年という年は色々なことが起こった。まづ、昭和天皇がお亡くなりになり平成となった。陛下をお見送りする日は、愛妻の手術の日となり、午前中は雪が降っていた。病棟の待合所で手術が終了するまで、窓から白い雪が見え、印象的であった。中国では天安門事件もあった。我が家では、長男がカナダに旅立った。だから、この年は内外とも激動の時代であったのだ。あれから25年が過ぎたということなのだ・・・・。
2014年11月4日(火)晴
午前中市中散策。昼、粗食飯。午睡後市中散策。渡良瀬川堤防にて富士山、妙義山望。晩餐の食卓に菊花の酢の物が出る。美味也。
2014年11月3日(月)晴、風有
今日の、店の外で啄木鳥の音がする也。ロンドンのドル相場113円台と報有。リーマンショック以前の円安に大きく振れている。一昨年の80円台から30パーセント近くの円安だ。これだけ為替が振れると、国境を越えて、ショッピングの集団が来るだろうと思う。昔、ポンドが暴落した時は、大陸からロンドンへ買い物を目的の大群がが押し寄せ、ロンドンは群衆でごった返していると謂うニュースを聞いたことがあった。老輩も、70円台のドル安の頃は、しばしば渡米、値札も観ないで欲しいものを買い、行き当たりばったりで、高級ホテルを泊まり歩いた、極楽トンボのような思いをしたこともあった。オレゴンの尊厳死の報有。合掌・・・・。
2014年11月2日(日)晴後曇
朝霧、山麓を被い幽玄仙境に入る如し。昼に至り晴、千客万来。孫も手伝い、老輩は終日暖炉にて焼きモノに専念。
ハワイから来たという人に声をかけられる。店が一段落後、外に出ると、啄木鳥の仕事をしている音が届く。この季節は毎日聞こえる。去年の今頃の事を思い感慨にふけること頻り也。
2014年11月1日(土)雨
終日雨。三々五々人来。千葉からも来。「今日は農業が休みで来てみた!」と謂う人来。来月は12月だ。クリスマスのメニューをヨーコさんも勘案する時節となった。

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