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カフェ・ブロッサム 繁昌記

*2005年 1月から9月10日までの繁昌記

オーナー、モーガンに乗る図

吾古(いにしえ)の儒学寺門静軒先生の顰(ひそみ)に習い繁昌記なるものを著さんと欲し之を「カフェブロッサム繁昌記」と名づける。
さて前段はこの位にて、「カフェブロッサム繁昌記」の始まりといたしませう。

今の世、デフレ、不景気と申しても太平の世の中、泣く人ありて笑う人もあるのが人の世の常。かく申す私めの生業もこの頃はカフェの亭主、庭の整理、店の準備に怠り無く、過ごしております。之はそのブロッサムの人の出入り出来事を日毎、月毎に記録するものです。

これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの。
「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。

最近読んだ気になる文章
「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場所に等しく訪れるわけではない」リンダ・グラットン著 「ワークシフト」より

改訂版カフェブロッサム繁昌記目次



■ 2005年の繁昌記↓ ■ ========================================================
2005年9月10日(土) ●快晴(バーモントにて)
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昨日、ターシャの生息する付近にある「ガーデンツアー集合場所」の下見をした。
地 元の観光案内所で尋ねてみたが不明。
バーモントより日本にファミリーから送られた 案内書にしたがって、森の中を不安を抱えながら進んで行くと集合場所に到達した (これで一安心、なにしろ、はるばる飛行機に乗って出かけてきたのである、道を間 違えて時間に間に合わず会えなかったのでは泣くになけない)。途中鹿にであい思わ ぬ楽しいときを得る。周辺は針葉樹、広葉樹の混じる鬱蒼とした広大な森である。
人々は、その森の中にひっそりと住んでいるようである(八ヶ岳周辺にある原村に近 い風景)。

今日は、2時半の集合予定に遅れないように、下にある町で昼食を済ませ、予定より 30分ほど早めに集合場所に向かうと、すでに先着の車2台があり、家族の出迎えを 受けている。
僕達も受付を済ませてギフトショップで家内の買い物に付き合い、店内 を回っているうちに、ふと、外を見るとたちまちのうちに10台ほどの車が到着し て、店内も人であふれるばかりである。総勢約30人、これが、今回の「ガーデンツ アー」のメンバーである。アメリカ東海岸周辺より集まった人たちである。日本人は 我等二人のみ。
今回はここまで・・・。次回をお楽しみに




ターシャのギフトショップ


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2005年8月29日(月) ●快晴
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この頃では珍しい快晴。来客万来、お客様の中には「カフェブロッサム日和」をはず して、なるものか!とマシーンを飛ばしてやってきた人もある。日差しは強いが、湿 度なく、爽やかな風あり、「値千金」の日和であった。

先週土曜日の「夏の夜のジャズ」盛況に終了。個人的にも観客の熟女の皆さんと、親 しくお話をする楽しい一時をもて、有意義な夜となる。裏方で奮闘した若人に感謝 多。

ところで、9月4日より急遽夏休みを取ることになった。と、もうすのも、先日来、 家人、しきりにウ゛ァーモントのターシャに会いたいと言う。ヴァーモントの冬は早く、厳 しい。訪ねるなら、今をおいて、そのときは無い。早速先方に電話で連絡を入れ、会 える手配をした。

ニューイングランドと言えば、現役時代の私のテリトリーの中心であった。すべての ことが掌のなかのごとく、熟知している。早速、エアラインチケットの手配、ハーツ のJFケネディー空港での車の手配、だいぶ古くなったが周辺のロードマップを書斎の 奥より見つけ出して荷物の中に入れる。JFケネディー到着は夕刻である、通関を過ぎ て、マンハッタンのどこかの店で夕食を済ませ、とりあえず、郊外に出てどこか適当 な宿を探すつもりでいる。

以上のような理由で、9月5日(月)より9月14日(水)まで臨時休業となります。ご 来店予定の皆様におかれましても、そこらへんのところのご理解、よしなにねがいま す。



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2005年8月14日(日) ●晴
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先週より、大気の状態不安定とて、連日、にわか雨が続き、下界の政変と妙にシンク ロして、いみぶかきことぞどと、案す。
この頃は、店の横裏に、拡大せし、桑の木のもとに、テーブル、椅子をならべ、店の あいまに、涼を得る。緑陰、風ごとに汗のしずむを味わうこと、誠に「値千金」也。
久しぶりに横浜より「サーヤ」の妹、ななちゃん、来。すっかり、白くなりしが、 姿、顔、サーヤとあまりにも、そっくりになったので、驚くことしきりなり。
一時の 慰めを得、感謝多。



「サーヤの妹・ななちゃん」

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2005年7月17日(日) ●暑
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きのうは、久しぶりに楽しい思いをした。
家人の学生時代同室の寮生が何十年ぶりかで、遠方より我が家に集い滞在後、家人は 婦人連と小旅行を企てたのである。店の引継ぎ万端の準備で家人忙しく、土曜日は、 僕が初老の婦人連を引き受けて、足利を案内することになった。
足利学校を一通り見学して、昼には「栗田美術館」の門をくぐり、昼食をすませ、い よいよ館内を見学することになった。
僕は、昨年、同館にビジネスフレンドを案内した事があり、その経験で1〜2時間の 見学のつもりで館内に足を踏み入れたのである。
断っておくが、この分野では門外漢である。初老の婦人連も陶磁器にさしたる心得が ある連中とは見うけられなかった。
所がである・・・・・!!。
館内、整然と陳列されたものを、順を追って見て回るのであるが、時々、陳列せし物 の前でふと足がとまってしまう事がある。その陳列物が向こうから話し掛けてくるの である。そうなると、話を聞かざるを得ない。改めてもう一度、形、模様、色、もろ もろを丹念に見直すのである。あるものはその線のよさ、あるものは、その力強さ・ ・・・・。そのありようはさまざまである。
どうしても、そのように不思議に足が止まってしまう。
ふと、みると、連れの婦人連も同様であった。まったくの門外漢がその陳列物に引き 付けられ、魅せられてしまう。不思議なのである!!。気が付いた時には、瞬く間に 5時間が経過していた。全員、館内にあふれる、良質な陶磁器のかもしだす摩訶不思 議な気配を満喫して外に出た。

思うに、人間、年を経て、それなりの経験の後、人は、誰でも、内面には、程ほどの 見識が育ってくるのではないかと思う。それが、一流品と云うか、本物に出会ったと き、おのずから共鳴し、その様な作用が生ずるのだと、考えるに至ったのである。
そう考えてみると、多少腰が痛い、腕がだるい、足が重いという事も、我慢出来る。
なにしろ、眼力が一段と向上するのであるから。それで上等である。
久しぶりに貴重で、良質な時間を過ごすことが出来た。
素晴らしい陶磁器達に感謝多。。



「老嬢等と足利学校にて」

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2005年6月16日(木) ●小雨
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宝くじは買ったことがない。家人曰く「わずかにでも、当たる可能性がある!」と言 う。
僕はその僅かな可能性は問題としない。
その代り、おみくじは買う。今朝も「大日」に参拝、イベント無事終了の報告をはた し、1本引いてみた・・・・。果たして、大吉であった。
その瞬間はいいがたい達成感があり、爽快であった。
小吉であれば、謙虚に反省して、明日よりの指針とするのである。何が出て来ても心 が柔軟に動く。
老いたるお蔭と、天に感謝多。




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2005年6月3日(金) ●小雨
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この頃、庭の枯れ松で啄木鳥がよく仕事をしている。その木の下にいつて、仕事振り をながめていると気配を察してどこかに飛んでいってしまうのであるが、最近は害を なさぬものと心得てきたようで、見学者を無視して、多少の音にも動じず、ひたす ら、木に取り付いて穴をあけている。
朝夕、ホトトギスも盛んに鳴いている。初夏、周辺の山々、雲低く垂れ込め暮れ行 く。

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2005年5月13日(金) ●曇、寒
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葬儀二件。家人は店にて明日の準備に忙。夕、一人「ゆり」にて飯す。薄暮に帰路、 露天の「アラジン」にて喫茶し帰宅。静かに時は過ぎ行き、逝く人を偲ぶ。

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2005年5月9日(月) ●晴
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色々あったけれど、連休を、多忙中、沢山の人達に助けてもらいながら、どうにか乗 り切れた。音楽イベントも大盛況であった。 今日は昨日と打って変わり閑、常連さんと歓談快。庭、雉、しきりに鳴く。 今年の課題は質を保ちつつ臨機応変、速やかなる接客、これに尽きる。


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2005年5月1日(日) ●薄曇
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本日「ワールドミュージックフェス」 開演に先立ち、常のごとく、常連のメンバーによる準備が滞りなく進む。一方、駐車 場にては、交通整理のメンバー諸氏の整然とした誘導で100台余の車は遅滞なく収 まる。 本日もサーヤの献花あり。一時、瞼の熱きをおぼゆる。ありがたきかな。 今日の一日諸事万端、めでたく盛況に始終するは「草葉の陰よりといえども愛犬サー ヤが一所懸命の結果」と、家人ともども思い至り素直に合掌す。 プロバンスより今日一日家人の手助けの為に忙しく飛んで来てくれたマリサ女にも感 謝多。


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2005年4月26日(火) ●気定まらず 
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飛駒の周辺、新緑盛りなり。朝、店の周辺を散歩、途中、多幸山を背景に店の写真を 撮る。
自然の美・・・・・見事也。


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2005年4月16日(土) ●曇り後雨  
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山の色が日々に変化して魅せられる時節到来である。
自前の薪は終了したのであるが 近所より薪を大量にもらいうける。
閉ざしていた暖炉の扉を開け、その薪を利用して 直火のグリルを始めたのであるが、食べる人には好評である。
仔羊も自家製ソーセー ジも絶好調の今日この頃でありました。


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2005年4月10日(日) ●晴 
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風なく、暖。ようやくにしてこの地にも季節が移り春來。いつになく桜の時を待望。
庭に桜花めでたく咲き安堵。私にはいつになく長い冬を過ごした心持がする。この頃 は縮んでいたからだの各部品が気持ちよく伸びるように思われる。掲載する写真はお 気に入りの窓よりの風景。さりげない色気とそそとする姿がいいではないか!
今日もサーヤに献花あり、ありがたきかな・・・・。
庭にて一時を過ごす人、多。


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2005年4月1日(金) ●晴 
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鬱々と、心、さだまらぬ時節を過ごしていたのであるが、久しぶりに慶事あり。
深草に住まう、知人を訪ねた折、絵を見せられた。隅々まで力みなぎり、作者の画 風、確立せしモノであった。描きては、婦人という。
聞けば、ある作品は県下芸術祭で賞を受けたという。まことに天晴れな婦人である。
今年はそののりで上野にも出展を目指し、創作活動に余念なきとみうける。この飛駒 の地に画家誕生を知りて、心晴れたる一時を得る。ありがたきかな。

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2005年3月21日(月) ●晴、暖 
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寒気薄らぎ暖、漸くに春めきて、この頃は千客万来、お客様の応対に始終。心の闇も 薄らぐ。春の演奏会、5月1日(日)と決まる。庭の水仙の蕾、未だ開かず。

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2005年3月2日(水) ●晴
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寒ゆるみ穏やかな日和となる。夕、サーヤ、ついに逝くなり。享年15老衰。この10日 間は世の中に我、家人とサーヤ3人のみ、在るような心地にて過ごしける。
夜半、上弦の月、紅くあるは怪・・・・・・合掌。
家人「心静かに終日過ごしたい」とぞいいけるは、あわれなり。


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2005年2月21日(月) ●晴
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ひざし春めき、穏やかな日となる。先週末、サーヤ食欲不振にて入院、本夕刻、退 院。病の重大なるを告げられる。いずれの日にか「それ」は訪れるとおぼろには考え ていたが、動揺、激。このごろ、愛犬もなんとはなしに気持ちを通わす場面が多く見 られるようになったのであるが、観念を定めても、胸、騒ぐは治まらぬ。家人沈す。

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2005年2月13日(日) ●晴、寒気弱まる

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今週は犬づれのお客様の多い日であった。
土曜日は、大型犬のトレーニングの教室が、当店で早朝より行われた。今日は、県央 よりピレネー犬、シフォンちゃん訪れ、このところ食欲不振をかこっている、サーヤ に良質な餌を戴き、それを食べ、サーヤ元気になる。何しろ、普段の餌も、チーズ や、その他のおやっも食べないので、心配するかたわら、多忙ゆえ、なかなか先生の ところにも連れて行けず、気をもんでいたのであるが、これで少し安心する。今週 は、サーヤの件で、色々と教えられる事の多い日々である。飼い主の皆様に、感謝 多。

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2005年2月7日(月) ●晴 

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昨日までの寒気、ややおさまり、穏やかな日和となる。新年度の営業が始まり1週 間、体の動きも、大分スムースになってきた。冬枯れの寒さの中、ご来店いただく 方々には、心より感謝を、申し上げる、次第です。
ところで、最近、岩波文庫のギッシング著「ヘンリ・ライクソフトの私記」を愛読し ている。この書、今を去る40年前、初読。いぶし銀のような記述、その当時、僕は、 まだ見知らぬ、上等な大人の世界を覗き見るような、読後感があり、「我も、いずれ の日にか、このような静かな黄昏の隠遁生活をしたい!」と憧れたのである。言わ ば、我人生の教科書そのものであった。その時の原本は、多分、「開かずの間」その 奥地に、他の本と束ねられて、埃を被っているはずである。今、手になるは、最近、 書店で見かけて、つい懐かしさのあまり買ったものである。
現在、炉辺で、この本を読んでいると、青春時代の日々が走馬灯の如く思い出され、 其れと共に、悪戦苦闘せし40年の時を経て、やっと、たどり着いた、この生活を考え ると、感慨無量な気分にひたるのである。
兎も角も、隠遁生活を目指す諸氏には、一読を奨めます。


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2005年1月30日(日) ●晴、寒

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島流しにあったような、世界の孤島的、極東奥地の小さな世界にぬくぬくと、時を過 ごしていると、山の彼方に、轟々と音を響かせて、流れている、激動せし21世紀世界 が存在することを忘れてしまう。流れの渦中に入らずとも、時代の様子だけ、せめて 匂いだけでも嗅いでみようと、冬休みを利用、奮起して飛行機に乗った。
パリまでと、思ったのであるが、寒いのでやめ、空気のマイルドなサンフランシスコ で降り周辺を探索した。牧歌的な北海岸、凛と聳え立つヨセミティの岩、鬱蒼たる Redwoodの森、喧騒な中華街、全て、感動の余韻を漂わすスポットであった。
開店まで残すところ二日、店内清掃、準備は順調に推移している。


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