八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成23(2011)年度


弥生時代後期の墓域を新たに発見!
≪方形周溝墓と土器棺墓が見つかる≫

弥生時代後期の墓域や平安・鎌倉時代の居住域を確認

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中田遺跡(なかたいせき)<第53次調査>
刑部(おさかべ)四丁目



中田遺跡東部の刑部四丁目地内で、発掘調査を行いました。
その結果、弥生時代後期後半(2C)、平安時代後期末〜鎌倉時代初頭(12C末〜13)の遺構・遺物が見つかりました。

 

今回の調査では、弥生時代後期に墓域を構成した方形周溝墓とその周溝内に設けられた土器棺墓1基が見つかりました。
方形周溝墓については、調査範囲が限定されているため全容は不明ですが、おそらく方形周溝墓の南辺である可能性があります。

 周溝内から発見された土器棺墓は、口頸部を欠いた大形壺(体部最大径約70cm)で、径1.0m・深さ0.5mの掘方内に南側に傾けて埋められていました。なお、北約100mの地点からは、弥生時代後期の大形器台が発見されており、それらの集落に関わる墓域であった可能性が考えられます。


 一方、平安時代後期末〜鎌倉時代初頭の遺構については、近接する御剣神社周辺で見つかっている中世集落の中心地であったようです。


 



平安時代後期末〜鎌倉時代初頭の掘立柱建物の柱跡



弥生時代後期の土器棺墓




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