八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成22(2010)年度


各地から八尾に人々集まりて!
山陰・四国・東海地方の土器出土

古墳時代前期の井戸を発見!

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小阪合遺跡(こざかあいいせき)<2010-105>
青山町(あおやまちょう)四丁目



今回の調査で見つかった居住域が作られた古墳時代前期前半(3C後半)には、遺跡範囲の中央部を「小阪合分流路」と呼ばれる河川が流れていました。

「小阪合分流路」は河内平野を南北に流下し、北部で河内湖に注ぐ当時の主要河川で、河内地方と大和地方を繋ぐ重要な水上交通の中心的な役割を果たしていました。

小阪合遺跡を含むこの河川流域の遺跡群は「東郷・中田遺跡群」と呼ばれ、古墳時代初頭〜前期前半
(3C前〜後半)にかけて数多くの集落がつくられました。
またこの時期は大和盆地南東部に邪馬台国が成立した時期にあたります。この時期、八尾市内一帯の遺跡群は、西日本各地と邪馬台国を繋ぐ「人」「物」「情報」の中継地的な役割を果たしたものと推定されます。

今回の調査で見つかった山陰・四国・東海地方の特徴を持つ外来系土器は、当時の地域間交流や社会情勢を物語る重要な資料です。





大木の辺材を井戸枠に用いた井戸〔古墳時代前期前半(3C後半)〕




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