八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成21(2009)年度


奈良時代の墳墓3基を発見

律令期火葬墓の研究に新たな知見!

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東弓削遺跡(ひがしゆげいせき)<第18次調査>
(八尾木(やおぎ)五丁目)




東弓削遺跡は八尾市南部に所在します。

今回の調査では、平野部では珍しい古代墳墓3基が見つかりました。種類は火葬墓と土葬墓(土器棺墓)です。特に土壙墓のような火葬墓(墓1)には「卍」をヘラ書(がき)した須恵器小壷が副葬されていました。府下最古の事例です。


火葬墓は奈良時代前期、土器棺墓は奈良時代後期と考えられます。火葬が導入される時期の葬法を考える上で貴重な発見です。


なお調査地点近辺の古代寺院(金剛蓮華寺跡や弓削寺跡)とのかかわりも注目です。





「卍」(右卍)の文字がヘラ書きされている須恵器小壺
墓1の副葬品(8世紀前半か)



火葬墓の下にあった墓壙と人骨<墓1>
(8世紀前半か)


土師器の甕を蔵骨器にした火葬墓<墓2>
(8世紀前半)


奈良時代後半頃の土器棺墓<墓3>
(8世紀後半)



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