八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成20(2008)年度


溝で囲まれた平安時代後期の寺跡を発見!

平安時代後期〜室町時代の遺物・遺物を確認
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中田遺跡(なかたいせき)2008-378調査
<中田(なかた)四丁目>



 中田遺跡北西部の中田四丁目地内で調査を行いました。
 平安時代後期から室町時代後期の溝が見つかりました。溝内からは土器類のほか、瓦類が見つかりこの付近に寺院があったことが明らかになりました。
 
  
 


 調査面積が18u程度の小規模調査ですが、東西方向に延びる溝(幅2.2m、深さ30cm、延長13m以上)と南北方向に延びる溝(幅50cm、深さ15cm、長さ2m以上)が見つかりました。
 溝内から、多くの瓦類が見つかっています。調査地の字名が「寺ノ内」であることから、瓦類は寺院に伴うもので、溝は寺域を区画する区画溝であった可能性があります。
 出土遺物から、平安時代後期に創建され室町時代中期に廃絶した寺院であったと推定されます。近接する位置にある善坊寺(ぜんぼうじ)(中田四丁目)の旧寺域であった可能性があります。

 



寺域を区画する溝
<室町時代>

(上)八弁蓮華文軒丸瓦
(下)唐草文軒平瓦 
<平安時代後期>

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