八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成20(2008)年度


生駒西麓に甍の波高く
幻の古代寺院「高麗寺(こまでら)跡」


飛鳥時代中期〜奈良時代の土器類・瓦類が出土
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高麗寺跡(こまでらあと)2008-14調査
<服部川(はっとりがわ)二丁目>



 市域東部の生駒西麓部に位置する服部川二丁目で発掘調査を行いました。
今回の調査は高麗寺跡で行われた最初の調査で寺院に関連した遺構・遺物が見つかりました。
 


  高麗寺跡
 高麗寺跡は、市域東部の生駒山地西麓部の服部川二丁目一帯に存在した古代寺院です。付近一帯に、「高麗(こうらい)(古来)」「堂ノ前」「堂ノ西」等の小字名が残り、古くに採取された瓦類から、創建時期は飛鳥時代中期(7世紀中葉)で、鎌倉時代(13世紀)まで続いた寺院と推定されています。なお、創建時には教興寺(教興寺六丁目)と同様、西琳寺(羽曳野市)式系の軒丸瓦が使用されています。
 
 今回の調査では、高麗寺跡推定範囲内で柱穴2個や整地層の他、瓦類・土器が見つかりました。これらの調査成果は、高麗寺跡の寺院建物や伽藍配置を推定するうえで大変貴重な資料と言えます。

   
     



高麗寺跡遠景(南西から)


柱穴検出状況


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