八尾市立埋蔵文化財調査センター
発掘情報
平成20(2008)年度


溝か!古墳の周溝か?
古墳時代後期の溝から須恵器・管玉が出土!

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中田遺跡(なかたいせき)2007-290調査
<八尾木(やおぎ)北三丁目>




中田遺跡
 中田遺跡は昭和40年代後半に行われた区画整理事業に伴う発掘調査で、弥生時代前期以降の複合遺跡として認識されました。
 
 特に、古墳時代初頭〜後期の集落が広範囲にわたって見つかっています。調査を行った八尾木北三丁目一帯では、楠根川の右岸(東側)を中心に古墳時代中期(5世紀)〜後期(6世紀)の集落および「中田古墳」をはじめとする埋没古墳が随所で発見されています。

 今回、見つかった溝も古墳の周辺を区画する周溝であった可能性があります

 八尾市内の埋没古墳について

 八尾市域で見つかる古墳の中には市域東部の生駒山地西麓部に位置する心合寺山古墳や高安古墳群のように墳丘を直接見ることができるものと発掘調査で初めてその存在が明らかになるものがあります。なかでも、平野部分の発掘調査で見つかる古墳については、古墳築造以降の河川氾濫により埋没したものが大半をしめています。

 これらの古墳を総称して「埋没古墳」と呼んでいます。八尾市域の中でも平野部に位置する多くの遺跡で埋没古墳が見つかっています。今回の調査地点に近接する八尾木北六丁目からは、豊富な埴輪類が出土した中田古墳(古墳時代前期後半−4世紀後半)が見つかっています。




調査地近景(南西より)


周溝内須恵器出土状況

 


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