近鉄八尾駅北200mの地点で調査しました。
弥生時代中期から江戸時代に至る遺構・遺物を確認しました。
東郷遺跡
東郷遺跡は、河内平野南部の長瀬川と玉串川に挟まれた低位沖積地に位置する弥生時代中期以降の複合遺跡です。中でも、古墳時代初頭〜前期にかけて、集落域の拡大がみられ、当時の中心的な役割を果たした遺跡の一つであったと考えられています。
一方、弥生時代においては、周辺に位置する多くの遺跡が弥生時代前期に成立しますが、東郷遺跡の成立は比較的遅く弥生時代中期後半です。弥生時代の集落域を構成した遺構については、遺跡範囲南西部の第15次調査・第49次調査のほか、今回調査の第72次調査を含めて東西約250mの間で散発的に分布が認められますが、時期的にも限定されていることから、短期間で小規模な集落であったと推定されます。
なお、第49次調査からは、紀伊地方(和歌山県)から持ち込まれた搬入土器(壷)が出土しており、当時の地域間交流の一端が推定されます。
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