八尾市立埋蔵文化財調査センター 発掘情報 平成20(2008)年度
弥生土器、容姿極まる!
水差形土器(みずさしがたどき) <弥生時代中期後半>
弓削遺跡
遺跡は八尾市中南部に位置する弥生時代中期以降の複合遺跡です。旧大和川本流の長瀬川の左岸に位置しており、南部は柏原市の本郷遺跡(縄文時代晩期以降)と隣接しています。 第8次調査では、弥生時代中期の水差形(みずさしがた)土器・高杯等の弥生土器が見つかりました。中期のムラの範囲は、弓削遺跡南部から本郷(ほんごう)遺跡の北部に広がっています。 また、奈良時代の軒(のき)丸瓦が見つかっていることから、当時の主要街道であった渋河道(しぶかわみち)に近接した寺院等の建物が存在したことが推定されます。
水差形土器 水等の液体を注ぐ容器です。把手の反対側の口縁が高く、この部分が注口になっています。弥生時代中期後半の一時期のみに盛行した器種で、底部は平底と台付きのものがあります。弥生時代中期に特有な流水文や櫛描刺突文などの模様で加飾された華麗な土器で、作者のこだわりを感じます。
調査地近景
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