全日本吹奏楽コンクール高校の部
仙台一が見事銀賞



 高く,低く,ダイナミックに,デリケートに。若者が創造した音の世界が,集まった聴衆を酔わせた−第三十回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟,朝日新聞社主催)の高校の部が,三十一日,東京・杉並の普門館で開かれた。
 本県からは東北代表として仙台一が初出場し,堂々とした演奏をみせ,銀賞を獲得した。
 午後の部の四番目のステージに上がった仙台一は,荒井弘さんの指揮で課題曲に四曲の中から岩河三郎作曲「サンライズマーチ」を選び,自由曲ではグローフェ作曲組曲「大峡谷」から「山道をゆく」「豪雨」を披露,バイオリンとピアノを編成に加え,曲の持つ情感を豊かにうたいあげた好演奏で,聴衆の感動を呼んだ。
 仙台一は進学校のため,三年生部員が少なく,毎年一,二年生だけの小編成部門で東北地区大会を勝ち抜いているが,編成の規模が小さく,規定で全国大会へ出場できなかった。今年は三年生九人の参加を得て最初から大編成部門に挑み,見事に全国大会出場を果たした。演奏後,荒井さんは「三年生が加わって,演奏の幅が出た。本番でも気後れすることなく,いつもの調子でやれた」と話していた。

昭和57年11月某日 某新聞より 転載