化石ごろごろ |
大分県九重町の野上層から産出の化石 大分県九重町
地質概略
大分県九重町黒猪鹿地域に分布する中期更新世の淡水成堆積物は野上層と呼ばれて
いる。黒猪鹿の南の谷では、かって野上層の珪藻土が採掘されたことがある。黒猪
鹿の南の谷で最も下位にあるのは火砕岩層で層厚5m以上、級化構造が見られる。
火砕岩層には白色ガラス質黒雲母流紋岩が貫入している。 火砕岩層の上には層厚
15m以上の火砕流堆積物があり、白色ガラス質黒雲母流紋岩、流顆を含む灰黒色〜
灰白色ガラス質黒雲母流紋岩、角閃石安山岩などの礫が取り込まれている。火砕流
堆積物を野上層が不整合に覆う。野上層の下部には層厚 255m以上の軽石層が挟ま
れている。野上層は主として凝灰岩や砂岩の薄層を挟む泥岩からなり、珪藻土が発
達する。珪藻土層の上には泥炭層があり、材、種子、昆虫、化石が多く含まれてい
る。泥炭層は降下火山灰層に覆われている。野上層の堆積した時代については中期
更新世と考えられる。
参考文献(1)<大分県立図書館>抜粋
大分県九重町の野上層から産出した中期更新世の昆虫化石
(林 成多・八尋克郎・北林栄一)
参考文献(2)
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小さな化石の標本室/第26回企画展「大分県九重町の化石」
(注:画像の文字は渕野が挿入しました)
大分県玖珠郡九重町下原から奥坂石は第四紀更新世中期の野上層(約40〜50万年前)
が分布しており、日本一の珪藻土産地です。この珪藻土中に含まれているノジュール
からは保存状態の良い魚化石が産出されています。
ノジュール
ノジュールは化石や砂粒を核として岩石中の珪酸や炭酸塩などが濃集沈殿しながら
固まってできたものです。同じ砂岩層中に数多くまとまって存在する珍しい地質現
象です。
2013年8月30日、Tさんが「野上層から産出した化石だ」と言って丸い石ころ
を花壇に並べていました。Tさんは興味を示した私にその石ころの一部を紙袋に入れ
てくださった。
化石のクリーニングの方法を知らないので、インターネットで検索するも要領を得な
かった私は、まゝよと思いハンマーで恐る恐る石を叩いてみました。
y1(石の長さ 18cm 最大幅 7p)
カワムツ Zacco sp. ? 大きさ15cm。非常に稀産の種のようです。
y2(石の長さ 17cm 最大幅 8p)
ビワマス Oncorhynchus masou ? ヤマメの祖先とされています。
y3(石の長さ11.5cm 最大幅 9.5p)
植物の葉:ドロノキ Populus sp. ?
y4 (横径 9.5p/縦径 7.5p)
コプライト/フン(糞)の化石
(横径 7.1cm/縦径 6.5p)
ドロノキ Populus sp. ?