ソウル俳句会

    ソ ウ ル 俳 句 会

    で あ い    2008年6月2日

 「ブログ陽鳥?!の方からやってきました。
 大分県は愛媛県のように俳句が結構盛んなようですね。」
 2008年6月2日、ソウル俳句会の杉山杉久さんから、このようなメールが届きました。
 そして後日、ソウル俳句会第十一句集及び第十二句集をお届けいただきました。

                          

   その後は毎年新しい句集をお届けいただいております。


 ソウル俳句会の活動

  原則つき2回第1、第3土曜句会開催。1回は勉強会、1回は吟行、ともに
    終了後の懇親会つき・年一回の一泊旅行。全国名所旧跡探索。
  年一回日本から著名な俳人を招き、講演会及び句会開催。
    これまでにお招きした方々は
   金子兜太先生、黒田杏子先生、坪内稔典先生、長谷川櫂先生、星野椿先生など。
  句集発行 年1回。
  会員数は日本人、韓国人をふくめ約50数人

                      
  2018年2月6日杉山杉久さんご逝去、63年の生涯でした。
   3月6日、杉久さんの御兄様から哀しいお知らせがございました。
   杉久さんが大分にお遊びに来られたおり、藤の花を見に西寒多神社を
   二人で訪ねた懐かしい思い出が甦ります。
   ご冥福をお祈り申し上げます。

  


  2017年10月12日
 杉山杉久さんからお便りに添えて<ソウル俳句会第二十二句集>が届きました。

 ソウル俳句会 第二十二句集   2017年9月12日発行



ソウル俳句幹事長原山伸太氏から一年の
 活動が振り返られた記述によると
2016年5月:山口禮子主宰の就任十周年
 記念特別句会開催と感謝牌の贈呈。
恒例の一泊旅行(10/8~9)
 一日目は冬のソナタの舞台となった春川へ、
 句会の様子が韓国のテレビで放映された。
 二日目は湖を船で渡り清平寺へ
2017年春:山口主宰の音頭で一人で桜の
 句を百句詠む「花百句」、挑戦者28名全員
 の完走、一冊の本にまとめられた。
2016年は多くの方のソウル俳句会の入会
 に感謝して、「ソウル俳句新時代の旗手」と
 題し、今回の句集に新入会員のソウル俳句
 への思いを掲載することになった。
俳句会開催
 318回~338回(吟行11回・勉強会9回)



  自 選 十 句

自選十句は題名が付されて49名の佳作が紹介されています。
                     
自選十句から一句を選ばれての山口禮子主宰の鑑賞が味わい深く述べられています。
主宰の選ばれた一句と出来るだけ重ならないようにと思い、渕野陽鳥のお気に入りの
一句をご紹介させていただきます。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
明易し古墳の山に誰かゐる 戸津真乎人 とづ・まこと
ひとりでに玩具の鳴りて子は昼寝 金碧雲 きむ・へきうん
終電のチンチン電車走り梅雨  尾田真幽美 おだ・まゆみ
見下ろしてこそ秋天の城下町 杉山杉久 すぎやま・さんきう
燗酒を重ね遠き日引き寄せむ 山口禮子 やまぐち・れいこ
誰が為の別れのブルース年忘れ 神山洋 かみやま・ひろし
潮の香の強き隅田の卯波かな 古谷彰宏 ふるや・あきひろ
狩座や獲物を晒す川の音 延与紀舟 えんよ・きしゅう
残菊や何回道を曲がつたやら 牛島竹志 うしじま・たけし
メビウスの輪頓珍漢に嚏する  田中八戒 たなか・はっかい
頭に載せしポッタリ渡る島秋夕 (注1) 金和園 きむ・ふぁうぉん
鳴りやまぬ風鈴胸の木に吊るす 金利惠 きむ・りえ 
放課後の平均台に赤とんぼ 呉花梨 お・かりん 
夕やみを白菊ぽかり浮びをり 柳明 りゅう・めい
詰襟の笑顔晴れ晴れ桜咲く 野村好士 のむら・こうし
菜の花や帽子の泳ぐ其処此処に 池内志郎 いけうち・しろう
花に逢ふ日の水渉り苔渉り 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
初風や京都四條におこしやす 西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
改札を通り抜けたる春コート 中川洋子 なかがわ・ようこ
ポンテギの匂ふ炎暑の古着市  (注2) 石川桃瑪 いしかわ・とうま
ラムネ壜ごつしいかめし孫の口  高杉老馬 たかすぎ・ろうま
夏あざみ猫だけの知る通り道 文茶影 むん・ちゃかげ
木枯しや軍服像の太き眉 山田昌克 やまだ・まさかつ
おむすびころりん地底はネズミの運動会 芳賀三念 はが・さんねん
万巻の経蔵くぐる涅槃西風 新名小鰭 しんみょう・こはだ
春の鳥赤きかしらの君の名は  阿武正英 あんの・まさひで
秋うららサッカーボールを蹴り上げて 高田雅弘 たかだ・まさひろ
春干潟かもめは空の色と化し 吉田鎮雄 よしだ・しずお
草枯るる土手銀輪の影長し 李仁煕 い・いに
休暇明け粘土細工の残る部屋 原山道崇 はらやま・みちたか  
唐辛子吊るされ千羽鶴のごと 堀妙子 ほり・たえこ 
吉野山花の吹雪に晴れ女 川合鉢 かわい・はち 
被災地の路地にふたつの菊の鉢 小川裕司 おがわ・ゆうじ
寒鴉啼くだけ啼いて去りにけり 坂下佳風 さかした・かふう
道端にサングラス売るサングラス 江上一郎  えがみ・いちろう
墓洗う母に重なる祖母の顔 向島かうり  むこうじま・こうり
夢の跡洗ふ磯波実朝忌 櫻井俊也 さくらい・としや 
綿あめをちぎる手小さき花見客 小野塚真砂 おのづか・まさご
春一番ぴんと踏ん張る横断幕 朴宙  ぱく・そら
着ぶくれて足取り鈍き子犬かな 尹恵 ゆん・けい
炎天に千年の皺石仏 澤田俊樹 さわだ・としき
春の街陽射しと風とハイヒール 雨宮白路 あまみや・はくろ
百千鳥参拝客に紛れこみ 永井美夏 ながい・みは  
夕映えに時止まりたる冬木立 原浩朗 はら・こうろう
青桐の風がおりなす影光 与那国進 よなぐに・すすむ
雪の道滑つて転んで星を見て 永井土鈴 ながい・どれい
春霞突き抜けバスは海印寺へ  池畑佐千 いけはた・さち 
後ろ手に歩める僧の春衣  湊月呷 みなと・げっしん 
山峡の茅舎の氷柱縦一丈  奥山貞舟 おくやま・ていしゅう 
扇風機廻る古着屋主人なし 権周水 くぉん・しゅうすい 

 (注1) ポッタリ / 包み
 (注2) ポンテギ/ 韓国語で蛹のこと。一般的に茹でて食す蚕の蛹をいう。



   ソウル俳句会 第二十一句集 2016年9月20日発行

 2016年10月25日、今は静岡県に在住の杉山杉久さんからお便りに添えて
 <ソウル俳句会第二十一句集>が届きました。

  自 選 十 句

自選十句は47名の佳作が紹介されています。
                     
自選句の中から渕野陽鳥のお気に入りの一句をご紹介させていただきます。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
恬淡を旨とし生きる冬木立 金碧雲 きむ・へきうん
渡されし孫の重さよ梅雨に入る 尾田真幽美 おだ・まゆみ
さへづりや切株といふ忘れ物  杉山杉久 すぎやま・さんきう 
あめんぼう水を拒みて水に棲む 山口禮子 やまぐち・れいこ
すれ違ふ力士の御慶短けれ 古谷彰宏 ふるや・あきひろ
酉の市そつとあくびのアルバイト 延与紀舟 えんよ・きしゅう
秋うらら三色ボールペン拾ふ  牛島竹志 うしじま・たけし
杏子咲く畑の向こうの検問所 田中八戒 たなか・はっかい 
髪切りて肩より初夏の街へ出づ 金和園 きむ・ふぁうぉん
風花について見知らぬ街に出る  金利惠 きむ・りえ
渋滞の車窓にあたる花吹雪  呉花梨 お・かりん
こでまりや丘にそびゆる大聖堂 横山全徳 よこやま・ぜんとく 
落葉踏むしゞまかすかにきしませて 柳明 りゅう・めい 
油蝉ぽとりと落ちぬアスファルト 野村好士 のむら・こうし
こつそりと揺らしてみたし藤の房  野村三千代 のむら・みちよ
春雨の路地を駆けゆく赤い靴 池内志郎 いけうち・しろう
ほ乳びん洗う手順や花の昼 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
オルガンの音ぎこちなき桜二分 西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
あしたまで飛んで行くのか秋茜 中川洋子 なかがわ・ようこ
鯉の背のぬらりと動く春の水 石川桃瑪 いしかわ・とうま
行く春や干潟に続く鉄条網  矢本明 やもと・あきら
老母の顔つくづくと見むお元旦 高杉老馬 たかすぎ・ろうま
遊覧船浮かべて眠る冬の河 文茶影 むん・ちゃかげ
木枯しや修道院の硬き門 山田昌克 やまだ・まさかつ
太陽の季節は昭和終戦日 芳賀三念 はが・さんねん
いまは亡き媼のうちの梅紅し  阿武正英 あんの・まさひで
大根を摩る音秋刀魚の焼ける音  高田雅弘 たかだ・まさひろ
韓屋の人なき路地や草の秋 吉田鎮雄 よしだ・しずお
赤鉛筆磨り減りまくる師走かな  李仁煕 い・いに
アマリリス流るる時の穏やかに 原山道崇 はらやま・みちたか  
青芝を囲い鵲囲いけり 堀妙子 ほり・たえこ 
古寺や陽だまりの中寒牡丹  川合鉢 かわい・はち 
旅先の床屋に座る秋の午後 小川裕司 おがわ・ゆうじ
パパがさあパパがさあつてさくらんぼ 安藤修一 あんどう・しゅういち 
白靴に試行錯誤の陶土かな 石橋宗春 いしばし・そうしゅん
昼食のマッコリの酔い草いきれ 安達雅之 あだち・まさゆき
水馬まあるい影を連れ歩く 高橋菜尾 たかはし・なび
白息を吹きかけて居る電話かな 坂下佳風 さかした・かふう
朝もやに漢江抱きしめられる春  江上一郎  えがみ・いちろう
幾年を喜に悲に半島花は葉に 向島かうり  むこうじま・こうり
らつきようを剥きて見惚れる真珠色 櫻井俊也 さくらい・としや 
ほろほろと飴とけてゆく春の丘 朴宙  ぱく・そら
空つぽの頭を覆ふ冬帽子 尹恵 ゆん・けい  
夜の更けてせみの幼虫木に登り 澤田俊樹 さわだ・としき
ペダルこぐ父子を照らす春日かな 雨宮白路 あまみや・はくろ 
桃の花望遠レンズで引き寄せる 永井美夏 ながい・みは
干上がるなオタマジャクシの水溜り  与那国進 よなぐに・すすむ 


 

  ソウル俳句会 第二十句集 2015年11月25日発行

  自 選 十 句

自選十句は48名の佳作が紹介されています。
ソウル俳句会主宰山口禮子氏が自選句の中から一人一句を選ばれて鑑賞の
俳句をご紹介します。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
沖泊まり灯影の濡れて春の月 戸津真乎人 とづ・まこと
一息にビール酌み干す米寿かな 韓汀舟 はん・ていしゅう
旅鞄持ちてしばらく花見かな  金碧雲 きむ・へきうん 
放蕩子灯を掲げ持つ鵜舟かな 尾田真幽美 おだ・まゆみ
大寒波来るらし流し台べこん 杉山杉久 すぎやま・さんきう 
砂浜の足あと遠き日の夏帽 山口禮子 やまぐち・れいこ
風除にリヤカー立てて朝市女  古谷彰宏 ふるや・あきひろ
丸茄子を買ひて信濃のみやげとす 神山洋 かみやま・ひろし
姫女菀素直なやうで強情で 牛島竹志 うしじま・たけし 
ネクタイの白と黒ある春ホテル  田中八戒 たなか・はっかい 
冬空へ十兵衛杉の裸身かな  畔柳海村 くろやなぎ・かいそん 
長月や百歳酒引つさげ廻り道  (注1) 金和園 きむ・ふぁうぉん 
笛の音を連れて白南風海にでる 金利惠 きむ・りえ
春浅しテル子のママの帰国かな 呉花梨 お・かりん
冬の雲動かずいづこより来たる  柳明 りゅう・めい 
諍ひてひとりの夕餉雪積もる  金三無 きむ・さんむ
団扇以て亭主に指図あれこれと 野村好士 のむら・こうし 
いかづちを間合よろしく高鼾 野村三千代 のむら・みちよ
日向ぼこ嘘で始め愚痴で終へ 李秀珉 り・しゅうみん 
冴返る駅の手摺のステンレス 池内志郎 いけうち・しろう
今日サラダ記念日だからキュウリ買う  西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
樽の栓ぎりぎりと引き新走 石川桃瑪 いしかわ・とうま 
薄氷を歪みし月の渡りけり 中川洋子 なかがわ・ようこ
三伏や労組長と狗食らふ 高杉老馬 たかすぎ・ろうま 
木の葉舟流るる毛虫流さるる 文茶影 むん・ちゃかげ
風鈴の変ホ長調碑膝枕  山田昌克 やまだ・まさかつ
牛飼いの恋の相手は桜の木  芳賀三念 はが・さんねん
田楽を返す手の舞割烹着 新名小鰭 しんみょう・こはだ
かなかなやがれきの子らの背にひびき  阿武正英 あんの・まさひで 
診察を待つ間の一句春の風邪 吉田鎮雄 よしだ・しずお  
若大将去つて句会の冬ざれて 高田雅弘 たかだ・まさひろ 
住み慣れし異国は異国秋の風  横尾美帆 よこお・みほ 
アザーンの声尖塔に大夕焼 安藤修一 あんどう・しゅういち 
箸四膳並ぶ夕餉や夏休み 李仁煕 い・いに 
天竺の旅終え春を屋根の上 原山道崇 はらやま・みちたか
冬のミサ扉の分かつ静と動 堀妙子 ほり・たえこ 
延命を望まぬ母と花月夜 小川裕司 おがわ・ゆうじ
駅集合色さまざまの冬帽子 安藤寿梁 あんどう・じゅりょう 
風船で携帯ショップ花のよう  石橋宗春 いしばし・そうしゅん 
蹄の音近づく冬の初めかな 安達雅之 あだち・まさゆき
漢江の凍ては天気のバロメーター (注2) 黒柳佑介 くろやなぎ・ゆうすけ 
蒸篭の湯気に塩ふる衣かつぎ 高橋菜尾 たかはし・なび 
肩書の錘りはづれて日向ぼこ 坂下佳風 さかした・かふう 
吊り革の反る背曲がる背初仕事 寄田猛  よりた・たけし
漢陽都城残る夏草掻き分ける (注3) 仁科耕文 にしな・こうぶん 
久々の吟行うれし髪洗ふ 尹恵 ゆん・けい 
スラッカン腕を振るつて春ナムル (注4)  白井美友紀 しらい・みゆき 
アンニョンで別れる二月逢う三月 原田静香 はらだ・しずか 

(注1)百歳酒(ペクセジュ)
(注2)漢江(ハンガン)
(注3)漢陽都城(ハニャントソン
(注4)スラッカン王様の食事を用意する王宮内の厨房

  

杉山杉久氏から<ソウル俳句会第十一句集~二十二句集>を届けていただきました。

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