ソウル俳句会

    

    ソ ウ ル 俳 句 会

           で  あ  い    2008年6月2日

 「ブログ陽鳥?!の方からやってきました。
 大分県は愛媛県のように俳句が結構盛んなようですね。」
 2008年6月2日、ソウル俳句会の杉山杉久さんから、このようなメールが届きました。
 そして後日、ソウル俳句会第十一句集及び第十二句集をお届けいただきました。

                          

   その後は毎年新しい句集をお届けいただいております。


 ソウル俳句会の活動

  原則つき2回第1、第3土曜句会開催。1回は勉強会、1回は吟行、ともに
    終了後の懇親会つき・年一回の一泊旅行。全国名所旧跡探索。
  年一回日本から著名な俳人を招き、講演会及び句会開催。
    これまでにお招きした方々は
   金子兜太先生、黒田杏子先生、坪内稔典先生、長谷川櫂先生、星野椿先生など。
  句集発行 年1回。
  会員数は日本人、韓国人をふくめ約50数人
          ソウル俳句会のごあんない
           杉山杉久さんのWebサイト/微ニ入ルソウル

    

   ソウル俳句会 第二十一句集 2016年9月20日発行






 2016年10月25日、今は静岡県に
在住の杉山杉久さんからお便りに添えて

 <ソウル俳句会第二十一句集>
が届きました。








   目 次
ソウル俳句会第二十一句集発刊にあたって ソウル俳句会幹事長 原山道崇
自選十句
ソウル俳句会の俳句                   ソウル俳句会主宰 山口禮子
俳句が結ぶ日本と韓国 日韓文化交流ワークショップ
  第一部・韓国人と俳句            講演 ソウル俳句会名誉会員 金碧雲
  第二部・俳句を作る・俳句を味わう    指導 ソウル俳句会副主宰 石川桃瑪
季語についてー季語の成立プロセス、そして実作の中の季語         岸本尚毅
ソウル俳句会活動記録 二〇一五年四月~二〇一六年四月 ソウル俳句会幹事会
なにわ支部の変遷           ソウル俳句会なにわ支部事務局 中川洋子
思い出のアルバム
編集後記                      ソウル俳句会副主席 石川桃瑪
                             【題字・絵 坂下佳風】

  自 選 十 句

自選十句は47名の佳作が紹介されています。
                     
自選句の中から渕野陽鳥のお気に入りの一句をご紹介させていただきます。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
恬淡を旨とし生きる冬木立 金碧雲 きむ・へきうん
渡されし孫の重さよ梅雨に入る 尾田真幽美 おだ・まゆみ
さへづりや切株といふ忘れ物  杉山杉久 すぎやま・さんきう 
あめんぼう水を拒みて水に棲む 山口禮子 やまぐち・れいこ
すれ違ふ力士の御慶短けれ 古谷彰宏 ふるや・あきひろ
酉の市そつとあくびのアルバイト 延与紀舟 えんよ・きしゅう
秋うらら三色ボールペン拾ふ  牛島竹志 うしじま・たけし
杏子咲く畑の向こうの検問所 田中八戒 たなか・はっかい 
髪切りて肩より初夏の街へ出づ 金和園 きむ・ふぁうぉん
風花について見知らぬ街に出る  金利惠 きむ・りえ
渋滞の車窓にあたる花吹雪  呉花梨 お・かりん
こでまりや丘にそびゆる大聖堂 横山全徳 よこやま・ぜんとく 
落葉踏むしゞまかすかにきしませて 柳明 りゅう・めい 
油蝉ぽとりと落ちぬアスファルト 野村好士 のむら・こうし
こつそりと揺らしてみたし藤の房  野村三千代 のむら・みちよ
春雨の路地を駆けゆく赤い靴 池内志郎 いけうち・しろう
ほ乳びん洗う手順や花の昼 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
オルガンの音ぎこちなき桜二分 西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
あしたまで飛んで行くのか秋茜 中川洋子 なかがわ・ようこ
鯉の背のぬらりと動く春の水 石川桃瑪 いしかわ・とうま
行く春や干潟に続く鉄条網  矢本明 やもと・あきら
老母の顔つくづくと見むお元旦 高杉老馬 たかすぎ・ろうま
遊覧船浮かべて眠る冬の河 文茶影 むん・ちゃかげ
木枯しや修道院の硬き門 山田昌克 やまだ・まさかつ
太陽の季節は昭和終戦日 芳賀三念 はが・さんねん
いまは亡き媼のうちの梅紅し  阿武正英 あんの・まさひで
大根を摩る音秋刀魚の焼ける音  高田雅弘 たかだ・まさひろ
韓屋の人なき路地や草の秋 吉田鎮雄 よしだ・しずお
赤鉛筆磨り減りまくる師走かな  李仁煕 い・いに
アマリリス流るる時の穏やかに 原山道崇 はらやま・みちたか  
青芝を囲い鵲囲いけり 堀妙子 ほり・たえこ 
古寺や陽だまりの中寒牡丹  川合鉢 かわい・はち 
旅先の床屋に座る秋の午後 小川裕司 おがわ・ゆうじ
パパがさあパパがさあつてさくらんぼ 安藤修一 あんどう・しゅういち 
白靴に試行錯誤の陶土かな 石橋宗春 いしばし・そうしゅん
昼食のマッコリの酔い草いきれ 安達雅之 あだち・まさゆき
水馬まあるい影を連れ歩く 高橋菜尾 たかはし・なび
白息を吹きかけて居る電話かな 坂下佳風 さかした・かふう
朝もやに漢江抱きしめられる春  江上一郎  えがみ・いちろう
幾年を喜に悲に半島花は葉に 向島かうり  むこうじま・こうり
らつきようを剥きて見惚れる真珠色 櫻井俊也 さくらい・としや 
ほろほろと飴とけてゆく春の丘 朴宙  ぱく・そら
空つぽの頭を覆ふ冬帽子 尹恵 ゆん・けい  
夜の更けてせみの幼虫木に登り 澤田俊樹 さわだ・としき
ペダルこぐ父子を照らす春日かな 雨宮白路 あまみや・はくろ 
桃の花望遠レンズで引き寄せる 永井美夏 ながい・みは
干上がるなオタマジャクシの水溜り  与那国進 よなぐに・すすむ 


 


2015年12月、杉山杉久氏から<ソウル俳句会第二十句集>が届きました。

  ソウル俳句会 第二十句集 2015年11月25日発行




 目 次
ソウル俳句会第二十句集発刊にあたって
         ソウル俳句会副主宰 石川桃瑪
自選十句

ソウル俳句会の俳句
            ソウル俳句会主宰山口禮子
ソウル俳句会活動記録
           ソウル俳句会幹事長原山道崇
思い出のアルバム

編集後記             文茶影

          題字・絵 坂下佳風 】


  自 選 十 句

 自選十句は48名の佳作が紹介されています。
 ソウル俳句会主宰山口禮子氏が自選句の中から一人一句を選ばれて鑑賞の
 俳句をご紹介します。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
沖泊まり灯影の濡れて春の月 戸津真乎人 とづ・まこと
一息にビール酌み干す米寿かな 韓汀舟 はん・ていしゅう
旅鞄持ちてしばらく花見かな  金碧雲 きむ・へきうん 
放蕩子灯を掲げ持つ鵜舟かな 尾田真幽美 おだ・まゆみ
大寒波来るらし流し台べこん 杉山杉久 すぎやま・さんきう 
砂浜の足あと遠き日の夏帽 山口禮子 やまぐち・れいこ
風除にリヤカー立てて朝市女  古谷彰宏 ふるや・あきひろ
丸茄子を買ひて信濃のみやげとす 神山洋 かみやま・ひろし
姫女菀素直なやうで強情で 牛島竹志 うしじま・たけし 
ネクタイの白と黒ある春ホテル  田中八戒 たなか・はっかい 
冬空へ十兵衛杉の裸身かな  畔柳海村 くろやなぎ・かいそん 
長月や百歳酒引つさげ廻り道  (注1) 金和園 きむ・ふぁうぉん 
笛の音を連れて白南風海にでる 金利惠 きむ・りえ
春浅しテル子のママの帰国かな 呉花梨 お・かりん
冬の雲動かずいづこより来たる  柳明 りゅう・めい 
諍ひてひとりの夕餉雪積もる  金三無 きむ・さんむ
団扇以て亭主に指図あれこれと 野村好士 のむら・こうし 
いかづちを間合よろしく高鼾 野村三千代 のむら・みちよ
日向ぼこ嘘で始め愚痴で終へ 李秀珉 り・しゅうみん 
冴返る駅の手摺のステンレス 池内志郎 いけうち・しろう
今日サラダ記念日だからキュウリ買う  西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
樽の栓ぎりぎりと引き新走 石川桃瑪 いしかわ・とうま 
薄氷を歪みし月の渡りけり 中川洋子 なかがわ・ようこ
三伏や労組長と狗食らふ 高杉老馬 たかすぎ・ろうま 
木の葉舟流るる毛虫流さるる 文茶影 むん・ちゃかげ
風鈴の変ホ長調碑膝枕  山田昌克 やまだ・まさかつ
牛飼いの恋の相手は桜の木  芳賀三念 はが・さんねん
田楽を返す手の舞割烹着 新名小鰭 しんみょう・こはだ
かなかなやがれきの子らの背にひびき  阿武正英 あんの・まさひで 
診察を待つ間の一句春の風邪 吉田鎮雄 よしだ・しずお  
若大将去つて句会の冬ざれて 高田雅弘 たかだ・まさひろ 
住み慣れし異国は異国秋の風  横尾美帆 よこお・みほ 
アザーンの声尖塔に大夕焼 安藤修一 あんどう・しゅういち 
箸四膳並ぶ夕餉や夏休み 李仁煕 い・いに 
天竺の旅終え春を屋根の上 原山道崇 はらやま・みちたか
冬のミサ扉の分かつ静と動 堀妙子 ほり・たえこ 
延命を望まぬ母と花月夜 小川裕司 おがわ・ゆうじ
駅集合色さまざまの冬帽子 安藤寿梁 あんどう・じゅりょう 
風船で携帯ショップ花のよう  石橋宗春 いしばし・そうしゅん 
蹄の音近づく冬の初めかな 安達雅之 あだち・まさゆき
漢江の凍ては天気のバロメーター (注2) 黒柳佑介 くろやなぎ・ゆうすけ 
蒸篭の湯気に塩ふる衣かつぎ 高橋菜尾 たかはし・なび 
肩書の錘りはづれて日向ぼこ 坂下佳風 さかした・かふう 
吊り革の反る背曲がる背初仕事 寄田猛  よりた・たけし
漢陽都城残る夏草掻き分ける (注3) 仁科耕文 にしな・こうぶん 
久々の吟行うれし髪洗ふ 尹恵 ゆん・けい 
スラッカン腕を振るつて春ナムル (注4)  白井美友紀 しらい・みゆき 
アンニョンで別れる二月逢う三月 原田静香 はらだ・しずか 

(注1)百歳酒(ペクセジュ)
(注2)漢江(ハンガン)
(注3)漢陽都城(ハニャントソン
(注4)スラッカン王様の食事を用意する王宮内の厨房


  


 2014年9月9日、杉山杉久氏から<ソウル俳句会第十九句集>が届きました。
 拝受した日にEメールでお礼を申し上げたら直ぐに次の返信をお受けしました。
  無事到着したようですね。
  今回はクロネコヤマトのメール便でお送りしましたが・・・
  *送料が@82円で安い。
  *ネットで追跡調査が出来る(「郵便受けに入れました」まで)のが良かったです。

  ソウル俳句会 第十九句集  2014年8月3日発行
    目 次
ソウル俳句会第十九句集発刊にあたって
           ソウル俳句会会長 野村好士
自選十句
古志・ソウル俳句会有志合同句会
           海の細道句会inソウル
ソウル俳句会の俳句
             ソウル俳句会主宰山口禮子
ソウル俳句会活動記録
           ソウル俳句会幹事長原山道崇
思い出のアルバム
あとがきー圧巻と伝統を自負して
              ソウル俳句会副主宰石山桃瑪
編集後記

            【題字 野村三千代】


 自選十句は46名の佳作が紹介されています。
 自選句の中から陽鳥が好きな一句をご紹介させていただきました。
 どうしても一句にしぼりきれないときは、自選句に付けられた作品の「題」を考慮して
 選ばさせていただきました。

   自 選 十 句
   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
灯籠のかぶり振りつつ流れけり 戸津真乎人 とづ・まこと
金の匙つつきて掬ふ熟柿かな 韓汀舟 はん・ていしゅう
桃丘子の俳席今日は百合が占め  金碧雲 きむ・へきうん 
類人猿スマホ人類日の盛 杉山杉久 すぎやま・さんきう 
横顔のもう一方の貌砧打つ 山口禮子 やまぐち・れいこ
一瞬に篝火沈め鵜飼果つ  古谷彰宏 ふるや・あきひろ
宇治山田より伊勢に入る彌生かな 神山洋 かみやま・ひろし
すき焼のすこし濃き味従姉妹たち 牛島竹志 うしじま・たけし 
毒きのこ森の暗さに火を点す  田中八戒 たなか・はっかい 
長閑さや舟屋軒の連なれる  畔柳海村 くろやなぎ・かいそん 
花の道掃きて又掃く顯忠院  金和園 きむ・ふぁうぉん 
稲妻の光の先の天主堂 中田眞 なかた・まこと 
この国のかたち掴めず豆腐チゲ (注1) 金利惠 きむ・りえ
縁側に横一列の紅柿かな (注2) 呉花梨 お・かりん
大沼は海底のごと鬼やんま  横山全徳 よこやま・ぜんとく 
卯月波若き翼を手折りしか  柳明 りゅう・めい 
秋の浜つまさきで書く忘れぬ名  金三無 きむ・さんむ
ネーブルのへそが決め手の甘さかな 金英信 きむ・よんしん 
目ん玉は何を見たのか桜鯛 野村好士 のむら・こうし 
ふるさとの藁塚と会ふ友と逢ふ 野村三千代 のむら・みちよ
霜柱踏みて合格通知かな 池内志郎 いけうち・しろう
日の光浴びて芒の縦に揺れ  西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
風鐸のタルランタルラン竹の春 (注3) 石川桃瑪 いしかわ・とうま 
ゆうパック届きましたか夕月夜 中川洋子 なかがわ・ようこ
雑草に埋もれたレール小暑かな 矢本明 やもと・あきら
立春とは名ばかり甲斐の雪地獄  高杉老馬 たかすぎ・ろうま 
かの世宗大王御前水遊び (注4) 文茶影 むん・ちゃかげ
小満やベイブリッジを一輪車    山田昌克 やまだ・まさかつ
関八州雪降り積もり白一面 芳賀三念 はが・さんねん
一陣の風に千鳥踏ん張る夕干潟 新名小鰭 しんみょう・こはだ
霜降やビジネス宿の朝ぼらけ 寄田猛  よりた・たけし
秋館軋む縁側黒光り 大砂雅子 おおすな・まさこ 
浜風や一人逆らふ秋茜 阿武正英 あんの・まさひで 
山麓の豆腐屋の湯気初紅葉 小澤有慶 おざわ・ゆうけい 
かささぎの騒ぐ梢や緑濃し  吉田鎮雄 よしだ・しずお 
福袋福かどうかは開けてから  高田雅弘 たかだ・まさひろ 
帰り道蒲公英見つけオムライス  横尾美帆 よこお・みほ 
海老蔵の睨みつけたる二日かな 安藤修一 あんどう・しゅういち 
新雪に木の影描く景無題 李仁煕 い・いに 
事務室に上司の居らぬ日永かな  原山道崇 はらやま・みちたか 
カラカラと輪廻しの音春の風  堀妙子 ほり・たえこ
追う夢も結ばぬ夢も花の中 小川裕司 おがわ・ゆうじ
つくばいの凍てつき吾唯足るを知る(注5) 川合鉢 かわい・はち 
炎昼の茶碗の水の重さかな 北澤慶 きたざわ・けい 
石だたみ京城時雨のにほひけり 安藤寿梁 あんどう・じゅりょう 
風立ちぬ紅葉の絵の具まき散らし 奈倉泰三 なくら・たいぞう 

   (注1)「チゲ」 韓国語で鍋物のこと
   (注2)「紅柿(ホンシ)」 韓国語で熟柿のこと
   (注3)「タルランタルラン」韓国語で(鈴などが)ちりんと鳴る音
   (注4)世宗大王(セジョンデワン)
   (注5)京都龍安寺の蹲踞




  


  ソウル俳句会 第十八句集  2013年8月27日発行




 2013年9月28日、ソウル俳句会の杉山杉久氏
から<ソウル俳句会第十八句集>が届きました。
 今回のソウル俳句会第十八句集は、ソウル俳句
会の二十周年記念号であり、目次をご覧のように
記念号にふさわしい盛りだくさんの内容になってお
ります。
 この一年間の活動の一端がNHKのニュースで
全国放映されるなどソウル俳句会のエピソードが
紹介されています。






 
  目次
 ソウル俳句会第十八句集発刊にあたって  ソウル俳句会会長 野村好士
 自選十句
 日韓文化交流ワークショップ はじめての俳句 in ソウル   講師 神野紗希
 山口禮子句集『半島』を読む                荻野友佑子
  ソウル俳句会二十周年記念歴代主宰座談会    記録 矢本明・新名小鰭
 特別寄稿 ソウル俳句会創立二十周年に寄せて
   俳句を通じて日韓の相互理解と友情の輪を在大韓民国日本国特命全権大使別所浩郎
  ソウル俳句会の皆様                            「玉藻」主宰 星野 椿
  「ソウル俳句会」の二十年の実績を讃えます             「藍生」主宰 黒田杏子
  出会い                 鎌倉虚子立子記念館 館長・「玉藻」副主宰 星野高士
  ソウル俳句会二十周年に寄せて              「ソウル俳句会」名誉会員 韓汀舟
  桃丘子さんを悼む
                     「古志」前主宰 長谷川櫂
 ソウル俳句会活動記録               ソウル俳句会幹事長 安藤修一
 思い出のアルバム
 後書
 編集後記
                    【 絵/染野有鮮  題字/野村三千代 】

   自 選 十 句

 第十八句集は2012年5月から2013年5月にかけての会員の力作の中から
   自選10句と小文「心に残る韓国の景」を中心に編まれています。

 自選句の中から陽鳥が好きな一句をご紹介させていただきました。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
襟巻の中から太き韓国語 戸津真乎人 とづ・まこと
台風の上陸戦や国揺れる 韓汀舟 はん・ていしゅう
日の入りを海に見とどけ大晦日  金碧雲 きむ・へきうん 
大川や如月の風運び来る  尾田真幽美 おだ・まゆみ 
穴掘つて霜夜のたまごかけごはん 杉山杉久 すぎやま・さんきう 
しろがねの匙しろがねの箸凉し 山口禮子 やまぐち・れいこ
牛はまだ群れ易くして牧開き  古谷彰宏 ふるや・あきひろ
石段の一段下の日向ぼこ 神山洋 かみやま・ひろし
おしろいの夜更けつつ星近づき来 李桃丘子 り・たうきうし
葱だけ足りぬ葱だけ買ひに出る 牛島竹志 うしじま・たけし 
春分は昼と夜との弥次郎兵衛  田中八戒 たなか・はっかい 
神宮の衛士の外套金ボタン  畔柳海村 くろやなぎ・かいそん 
囀りや君は俎叩きをる  金和園 きむ・ふぁうぉん 
これきりのふるさとの海夏が逝く 中田眞 なかた・まこと 
年明けておめでたうと嘘をつく  金利惠 きむ・りえ
秋惜しむ木の葉くるくる宙に舞ふ 康順子 かん・すんじゃ
自動ドア向かひの町の寒波かな 呉花梨 お・かりん
見落としは毎度のことよ胡瓜捥ぎ  横山全徳 よこやま・ぜんとく 
白椿波のいざなひ色あせて  柳明 りゅう・めい 
線香の風と張り合ふ秋の寺  金三無 きむ・さんむ
日も風も静かに通す冬木立 金英信 きむ・よんしん 
立冬の箒の音の渇きたり 大津泰史 おおつ・たいし
煙突の煙固まる寒さかな 野村好士 のむら・こうし 
小さき実の赤きをためて春を待つ 野村三千代 のむら・みちよ
京扇子ここを真っ直ぐ行きなはれ 池内志郎 いけうち・しろう
冬麗や笹本さくら子さんの絵馬  荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
この俺がつひに古希なり寝覚め月  高杉老馬 たかすぎ・ろうま 
あくびして呑み込めさうな春の月  西垣俊一 にしがき・しゅんいち 
こんなのがあつたかしらん更衣  石川桃瑪 いしかわ・とうま 
さへづりの中へ湯煙消えにけり 中川洋子 なかがわ・ようこ
立冬のカレーに落とす有精卵 矢本明 やもと・あきら
つり革の並んで揺れて春隣 文茶影 むん・ちゃかげ
文楽の恋はあやなし梅の花 三坂成隆 みさか・しげたか
大寒や寝顔の脇の犬張子     山田昌克 やまだ・まさかつ
煮えたぎる犬鍋食べてああ凉し 芳賀三念 はが・さんねん
口げんか夫婦の間合さくらんぼ 有馬康陽 ありま・こうよう
山笑ふ夫の遺せし杖頼り 新名小鰭 しんみょう・こはだ
友がきやこの月を今見てゐるか 寄田猛  よりた・たけし
風に乗る刈田のにほひまた明日 大砂雅子 おおすな・まさこ 
山吹の草踏むカチの足のうら 阿武正英 あんの・まさひで 
長き匙こぼすが多きかき氷 小澤有慶 おざわ・ゆうけい 
オンドルの睡魔に負けし犬と吾  吉田鎮雄 よしだ・しずお 
寒風やタイツの右へ倣へかな 安藤修一 あんどう・しゅういち 
丸刈りの土筆の兄弟背くらべ 小野塚真砂 おのづか・まさご 
オンドルに背をはりつける寒波かな 李仁煕 い・いに 
夏来たる黒きスンデの太さかな  原山道崇 はらやま・みちたか 
珈琲の味にこだわり冬の川  堀妙子 ほり・たえこ
唐臼の小鹿田の里に実南天  小川裕司 おがわ・ゆうじ
待つ人も待たせる人も年の暮れ 川合鉢 かわい・はち 



 

  ソウル俳句会 第十七句集  2012年8月27日発行

 2012年9月24日ソウル俳句会の杉山杉久氏から<ソウル俳句会第十七句集>
が届きました。

 ソウル俳句会会長野村好士氏の第十七句集発刊にあたる言葉には
恒例の一泊旅行は秋の慶州星野椿先生、星野高士先生の講演会および「玉藻」
の皆さまとの合同句会 新しい句会の試みのネット句会など、ソウル俳句会の活動
の一端にふれられて、これからも心の絆を繋いでいきたいと結ばれています。

   
   目次
 第十七句集発刊にあたり ソウル俳句会会長 野村好士
 自選十句
 ソウル俳句会の俳句    ソウル俳句会主宰 山口禮子
 講演「花の旅」          「玉藻」主宰    星野椿
 特別寄稿Ⅰ「健在」       「玉藻」副主宰 星野高士
 特別寄稿Ⅱ「ソウル俳句会の皆さまへ」 
           帰国会員 中川洋子・山田昌克・新名小鰭
 ソウル俳句会活動記録  ソウル俳句会幹事長 矢本明
 思い出のアルバム   ソウル俳句会副会長 池内志郎
 編集後記






 【 絵/染野有鮮  題字/野村三千代 】

 


   ソウル俳句会の俳句 2011年4月~2012年4月

 ソウル俳句会主宰山口禮子氏が第十七句集は四十六人の一期一会と題された中で、
<高浜虚子曰く「選は創作なり」はてさて創作にはほど遠いながら、そしてまことに僭越な
がら一人一句の鑑賞と作者についての一言を試みることにする。>と述べられて紹介され
た46人の一人一句を選ばれて作品の鑑賞並びにそれぞれの作者についてご紹介をされ
ています。

     草 創 期 か ら の メ ン バ ー
  心太噛めば裏切られたる気分          戸津真乎人
  行く秋や媼三人の同窓会           韓汀舟
  蜩や樵のしごと終わる頃           金碧雲
  家の紋蔦に仕立てて夏衣           尾田真幽美
  アイフォンをこするをんなへ梅雨あがる    杉山杉久
  パトロール兵士にしきりほととぎす      古谷彰宏
      発展・充実へ導いたメンバー
  やや寒き曇天の日よ母逝きぬ         神山洋
  山眠る互に色を違へつつ           李桃丘子
  べらんめい生き急いだか花大根        芳賀三念
  風船や一刀両断できぬもの          牛島竹志
  雪の駅一軒だけの赤提灯           田中八戒
  巣作りの鴉窺ふ阿弥陀仏           畔柳海村
  思ひつきり息吸ひ込んで金木犀        中田眞
  唖蝉の祈るかたちに翅たたむ         金利惠
  ポケットにキャラメル一つ春浅し       金和園
  ところてん水に沈みて雪白し         康順子
  風水の優るる書院菊香る           呉花梨
  秋の香の六百年目のいぶきかな        高田雅弘
  大庇跳ねゆく先の白木蓮           横山全徳
  花が散るさよなら又ねのにじむ空       柳明 
      転換期を支えたメンバー
  頭上には冬空といふ隙間あり         野村好士
  釣銭を出す手もらふ手悴めり         野村三千代
  春風の通り抜けたり赤ワイン         池内志郎
  風憚のグラスの空いてゆく雪か        荻野友佑子
  昼の月のサルプリ舞に拍手沸く        高杉老馬
  教材の重たくなりて五月かな         西垣俊一
  ホットックまだまだ売らん日永かな      石川桃瑪
  綿雪の音無き朝を迎へたり          中川洋子
      次代を背負うメンバー
  鳥渡る一マイクロシーベルトの空       矢本明
  茶の花を摘むけふの句の季語を摘む      文茶影
  とどまれる位置確かめて鬼やんま       三坂成隆
  熱燗や帰任の内示受けし宵          山田昌克
  玄関はゴーヤの山となりにけり        有馬康陽
  水清し角の立ちたる新豆腐          新名小鮨
  子の背中夜通し掻きて月去りぬ         寄田猛
  こんなときだからこそこの花見なれ      佐々木束山
  冬暖やだんごつ鼻の石武人          阿武正英
  某町の百十五番地日向ぼこ          京條紀行
  うたたねを臥待ちと言ふにくらしさ      大砂雅子
      金の卵たち
  窓たたく雨には夏が乗せられて        姜晴
  三代の茶碗並べてとろろ汁          光岡悦子
  春めくやカフェのテーブル張り出して    小澤有慶
  喧騒と緑陰分かつ大漢門           吉田鎮雄
  数珠玉や肴は祖父の武勇伝          横尾美帆
  容赦なく夜長にひびくいびきども       高田一磨

 「以上、四十五人の一句と作者について書き終えて自分を忘れていたことに気付く。
俳句の自解は野暮とのこと。さっぱりと省略させていただくことにする。」と結ばれている。

 <陽鳥の一言>
 主宰山口禮子氏の俳句の鑑賞並びにそれぞれの作者の紹介の文面は読者の心を誘
い寄せる。すべてを掲載できないのが残念ですがお許し願いたい。四十六人の自選句
のうち一人がここに掲載されされていないのは心が落ちつかない。
 そこで、私の好きな一句を揚げさせていただくことにしました。

  匂い立つ桜紅葉や雨後の空 山口禮子


  

  ソウル俳句会 第十六句集  2011年8月20日発行

 2011年9月8日、今年もソウル俳句会の杉山杉久さんから句集をお届けいただきま
した。
 ソウル俳句会会長野村好士氏の第十六句集発刊にあたり、去る3月11日の東日本
大震災にソウルの皆さまが心を痛められていることにもふれられています。この中で、
長谷川櫂先生からメッセージ「韓国の皆さまが追悼と激励の短歌、俳句、メッセージな
どにより、日本人が大きな励みとなります。」との紹介もされています。
 俳句の活動は、 一昨年から始まった月百句、桜百句、雪百句に挑戦、恒例の一泊
旅行では「裏安東の旅」、夏には「星降る夜の七夕仮面句会」、秋には「漢江花火句
会」、冬には「ベートーベンの第九で俳句」、そして毎月のように行われる送別会では
「袋回し」などの趣向を凝らした句会など活発な行事が紹介されています。

   
   目次
 第十六句集発刊にあたり ソウル俳句会会長 野村好士
 自選十句
 ソウル俳句会の俳句 ソウル俳句会主宰 山口禮子
 句会ライヴINソウル
       夏井いつき先生・加根兼光先生をお迎えして
 特別寄稿 沼田智江美・伊牟田真紀・有馬康陽・荻野友佑子
 ソウル俳句会活動記録  ソウル俳句会幹事長 山田昌克
 思い出のアルバム    ソウル俳句会副会長 池内志郎
 編集後記
 







  題字/野村三千代・切り絵/三坂仁(切り絵工房JIN代表)

   自 選 十 句

 自選句の中から陽鳥が好きな一句をご紹介させていただきました。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
朝露や摘まめばひかり指に染む 韓汀舟 ハン・テイシユウ
万緑や微動だにせぬ磨崖仏 金碧雲 キム・ヘキウン
留守番の猫のいびきや浜薄暑 尾田真幽美 おだ・まゆみ
春満月日暮れを待たず灯りたり 杉山杉久 すぎやま・さんきう
手袋の毛玉むしる子泣き出しさう 山口禮子 やまぐち・れいこ
松の芯またその上に松の芯 李桃丘子 イ・タウキウシ
堪忍の袋繕ひ冬銀河 牛島竹志 うしじま・たけし
なゐの夜の明けて茎立ち確かなり 畔柳海村 くろやなぎ・かいそん
初蝉や喉の渇きをいかにせむ  中田真 なかた・まこと
溶けるまでしばし雪女でゐたし 金利惠 キム・リエ
故郷の山川映る草の餅 康順子 カン・スンジャ
引越しの母の手荷物春ショール 呉花梨 オ・カリン
滝音の消えて韓牛の大きな目 横山全徳 よこやま・ぜんとく
色あせし寺粧ふや彼岸花     柳明 リュ・ミョン
芝刈の残せし草の匂いかな 金英信 キム・ヨンシン
冴え返るああなんといふ大津波 野村好士 のむら・こうし
原子炉のしづまり給へ花鎮 野村三千代 のむら・みちよ
筍の起伏を探る足の先 田中健司 たなか・けんじ
千の花散れば五千の花びらに 池内志郎 いけうち・しろう
瀧つぼの前に現る少年時代 高田雅弘 たかだ・まさひろ
湯舟てふ舟のありけり初紅葉 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
風評に耐ふるほうれん草国憂う 高杉老馬 たかすぎ・ろうま
今日素手で歩いてみよう二月かな 西垣俊一 にしがき・しゅんいち
蓑虫の風当たりなど気にもせず 石川きよし いしかわ・きよし
春は鳥いにしへ人の石畳 中川洋子 なかがわ・ようこ
雪晴の出発進行響きけり 矢本明 やもと・あきら
初蝶や思ひ出は波もさらへぬ 文茶影 ムン・チャカゲ
淡き陽やうぐいす餅の薄化粧 三坂成隆 みさか・しげたか
流れ湯の秋奏でたる露天風呂 伊牟田うらら いむた・うらら
回り道なれど片陰乳母車 山田昌克 やまだ・まさかつ
夕立のあとはあつけらかんとして  伊牟田真紀 いむた・まき
留守宅に二匹目のねこ寒椿 有馬康陽 ありま・こうよう
蕗味噌や客無き店のコップ酒 新名小鰭 しんみょう・こはだ
三鷹から吉祥時へと風光る 信崎栄司 しんざき・えいじ
週末の雪はそのままボンネット 寄田猛  よりた・たけし
春の日の翼に光旅立ちぬ 大砂雅子 おおすな・まさこ
雪だるまふるさと思ふ駅の前 佐々木束山 ささき・そくさん
ピンク色つぼみに宿り春が咲く 姜晴 カン・ハレ


  


  ソウル俳句会 第十五句集  2010年7月20日発行
 
 2010年9月16日
  杉山杉久さんから第15句集をお届けいただきました。


   目次
 第十五句集発刊にあたり
               ソウル俳句会幹事長 野村好士
 自選十句
 ソウル俳句会の俳句 ソウル俳句会主宰 山口禮子
 日韓文化交流講演会
     講演録「古池に蛙は飛び込まなかった」
                俳誌「古志」主宰 長谷川櫂
 特別寄稿 李桃丘子・牛島竹志・韓汀舟・横山全徳
 ソウル俳句会活動記録    荻野友佑子
 思い出のアルバム 池内志郎
 あとがき ソウル俳句会副主宰 石川きよし

  第15句集は’09年4月から’10年3月にかけてのソウル
 俳句会の活動、会員の自選十句、後援録を中心に編まれ
 ています。
  帰国などの事情により会員が入れ替わるのはソウル俳
 句会の習いとは申せ、初心の会員が加わり創作する喜び
 を分かち合っています。

  題字/野村三千代・切り絵/三坂仁(切り絵工房JIN代表)

 
 

   自 選 十 句

 自選句の中から陽鳥が好きな一句をご紹介させていただきました。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
ざくろ売る口角沫を飛ばしつつ 韓汀舟 ハン・テイシユウ
花木槿いつも子犬を連れし人 金碧雲 キム・ヘキウン
緑陰やオヤジバンドの音合はせ 尾田真幽美 おだ・まゆみ
秋の午後濡れ自転車の七八台 杉山杉久 すぎやま・さんきう
猫車たてかけてある虫の闇 山口禮子 やまぐち・れいこ
水紋の次から次と生れて夏 久門みちこ ひさかど・みちこ
夕暮れは草の上なる鰯雲 李桃丘子 イ・タウキウシ
内ゲバに斃れし友よいぬふぐり 牛島竹志 うしじま・たけし
白無垢やおひやこさまの秋日和 畔柳海村 くろやなぎ・かいそん
泣き出したくなる思ひ捨て木犀  中田真 なかた・まこと
立春やスープの味を薄めにし 金和園 キム・ファウォン
君は藍我は濃き緋の夏蒲団 金利惠 キム・リエ
音の無き時の流れや春よ春 康順子 カン・スンジャ
館まで道明かくしてケナリ垣 呉花梨 オ・カリン
海青く島影青く若布刈船 横山全徳 よこやま・ぜんとく
神々の宿る弥山の冬紅葉 井手上健一いでうえ・けんいち
初なりのピーマンひとつ採りあぐね 井手上信子 いでうえ・のぶこ
夢うつゝ過ぎし我が世は波の華     柳明 リュ・ミョン
蓬摘む指に染む香や夕まぐれ 金三無 キム・サンム
子は巣立ち孫這ひ回る良夜かな 野村好士 のむら・こうし
大木の奥その奥の秋の空 野村三千代 のむら・みちよ
筍の起伏を探る足の先 田中健司 たなか・けんじ
はふはふとはんぺん食みて居待月 進藤雅春 しんどう・まさはる
早春のとらやの羊羹ピアノ色 池内志郎 いけうち・しろう
引越しのトラック止まり春うらら 高田雅弘 たかだ・まさひろ
豊穣の大雪降れり太極旗 佐伯努 さえき・つとむ
片蔭をゆく船長は愛されて 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
佐保姫や別れは片手だけあげる 高杉老馬 たかすぎ・ろうま
熱燗を主宰がぐいぐいどうしよう 西垣俊一 にしがき・しゅんいち
春宵月お前を連れて帰りたい 芳賀邦彦 はが・くにひこ
去る去らぬ胸の振り子に春寒し 石川きよし いしかわ・きよし
神々象れり石の暖かき 中川洋子 なかがわ・ようこ
うたた寝の君の背中に冬木立 矢本明 やもと・あきら
にぎやかな集いを飾るぶどうかな 沼田幸一 ぬまた・こういち
陽の中に音なく消える春の雪  沼田智江美 ぬまた・ちえみ
冬牡丹埋まることなき貴賓席 文茶影 ムン・チャカゲ
テボルムは南山タワーに登るかな 田中八戒 たなか・はっかい
瑠璃色に野のうたかたや犬ふぐり 三坂成隆 みさか・しげたか
枯れ木さん肩の力を抜きなはれ 伊牟田克典 いむた・かつのり
新しき鞄片手に青き踏む 山田昌克 やまだ・まさかつ
船橋荘狐の提灯目印に 張都子 チャン・ミヤコ
南山の高麗つつじは頬の紅 都世蘭 ト・セラン
空に舞う祖母の手のひら花吹雪 伊牟田真紀 いむた・まき


   

 2009年9月24日。 杉山杉久さんから第14句集をお届けいただきました。

  ソウル俳句会 第十四句集 2009年7月15日発行



   目次
 第十四句集発刊にあたり ソウル俳句会会長 牛島竹志
 自選十句
 ソウル俳句会の俳句 ソウル俳句会主宰 山口禮子
 特別寄稿 俳句における主観と客観
      韓国外国語大学名誉教授 金泰定
 ソウル俳句会活動記録
      2008/1~2009/3 ソウル俳句会幹事 横山全徳
 あとがき ソウル俳句会幹事長 野村好士

 第14句集は’08年から’09年にかけての会員
の自選十句及び小文「俳句と私」を中心に編まれ
ています。帰国などの事情により会員が入れ替わ
るのはソウル俳句会の習いとは申せ、初心の会
員が加わり創作する喜びを分かち合っています。

題字/野村三千代・挿画/染野有鮮

   自 選 十 句

 自選句の中から陽鳥が好きな一句をご紹介させていただきました。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
南道のなまりをも乗せ扇風機 韓汀舟 ハン・テイシユウ
一枚の重さをもちて紅葉散る 金碧雲 キム・ヘキウン
羅や雲なき空の下闊歩 尾田真幽美 おだ・まゆみ
囀られてをり糠床委員会 杉山杉久 すぎやま・さんきう
薫風や釈迦三尊の六つの眸 山口禮子 やまぐち・れいこ
泪して子は育つなり金魚の死 豊田やすし とよだ・やすし
冬の日やステンドグラスの赤と青 久門みちこ ひさかど・みちこ
着ぶくれて着ぶくれ鳩を追ひ回す 李秀珉 イ・シュウミン
下闇に出喰す栗鼠の間抜け貌 李桃丘子 イ・タウキウシ
入学試験ひかえヘッセを読んだころ 牛島竹志 うしじま・たけし
夏暁の葡萄畑のうねりかな 畔柳海村 くろやなぎ・かいそん
清水の舞台の下の曼珠沙華  中田真 なかた・まこと
肩抱いてくれるのはこのショールだけ 金利惠 キム・リエ
賀状書く筆にまつわり走馬燈 康順子 カン・スンジャ
窓際の木の芽見守る母の日々 呉貞愛 オ・ジョンエ
人類に進歩はあるか十二月 横山全徳 よこやま・ぜんとく
朝顔の一輪先に大河あり 井手上健一いでうえ・けんいち
秋晴れの渡しに子らのじゃんけんぽん 井手上信子 いでうえ・のぶこ
風薫る残る日の膳ねんごろに       柳明 リュ・ミョン
一途なる男が好きと椿咲く 内藤繁 ないとう・しげる
春の潮寄せて名の有る島沈む 金三無 キム・サンム
のうぜんは高く明るく曇り空     金英信 キム・ヨンシン
社会鍋猫背になりて鐘を振り 大津泰史 おおつ・たいし
俗世より宮を守らん冬木立 野村好士 のむら・こうし
還暦とはぐるっと回って春になり 張都子 チャン・ミヤコ
少年のリュックの揺れる夏休み 野村三千代 のむら・みちよ
公園のベンチに残る雪だるま 池内志郎 いけうち・しろう
吉祥時そっと迎える曼珠沙華 高田雅弘 たかだ・まさひろ
春来る韓国(ここ)には届かぬ杉花粉 佐伯努 さえき・つとむ
マフラーを解き絵葉書を買ひ求め 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ
ミンナイッチャッタ案山子のひとりごと 韓星湖 ハン・ソンホ
くさめして元のへの字に戻りけり 高杉暢也 たかすぎ・のぶや
カラフルなチマが彩る春来たり 西垣俊一 にしがき・しゅんいち
机上にそっと置かれし義理のチョコ 芳賀邦彦 はが・くにひこ
この店もいちばん前へ冬いちご 石川きよし いしかわ・きよし
鯛一切れ一椀分けし冷やし酒 芳賀廣子 はが・ひろこ
冬山の雪の下では草微笑 都世蘭 ト・セラン
春寒し市場も会社も在庫の山 田中健司 たなか・けんじ
行く秋のタンスに残る七分袖 進藤雅春 しんどう・まさはる
千回の春を知るらん青白磁 中川洋子 なかがわ・ようこ


   

 十五周年記念号 ソウル俳句会 第十三句集

 2008年10月10日、ソウル俳句会から第十三句集をお届けいただきました。

 
     題字/中田真・挿画/染野有鮮
   目   次
ソウル俳句会十五周年記念号発刊にあたり
自選句
日韓文化交流講演会『俳句的発想について』 坪内稔典
ソウル俳句会十五周年記念特集
  ソウル句会の俳句1993~2008 山口禮子
  特別寄稿 がんばれ!ソウル俳句会
         金子兜太・坪内稔典・内藤繁・戸津真乎人
  ソウル俳句会訪問記 後藤洋・平千枝子・谷さやん
吟行記録 ソウル俳句会の歩み
             2003年3月~2006年12月
ソウル俳句会二〇〇七年活動記録 横山全徳
後書に代えて 神山洋
編集後記 井手上健一・井手上信子

   自 選 十 句

 自選句の一番目に掲載された一句をご紹介します。

   俳           句  作 者/ 姓・俳 号
麗かや宇宙の旅へ韓乙女 韓汀舟 ハン・テイシユウ
職退いて二日目の朝春の雪 金碧雲 キム・ヘキウン
法螺なって萩に風あるしじまかな 尾田真幽美 おだ・まゆみ
俳句といふデジタルな趣味白木蓮 杉山杉久 すぎやま・さんきう
槌音の谺す春の生るる里 山口禮子 やまぐち・れいこ
放哉忌家族とともに一人なり 豊田やすし とよだ・やすし
節分と呟いてみる異国の地 久門みちこ ひさかど・みちこ
雨が降るしとしとしとと春がゐる 沈丁花 ちん・ちようげ
孫ら来て我家の狭し春の風 西影水 ソ・ヨンス
土に咲くものとしひとつたんぽぽ黄 李桃丘子 イ・タウキウシ
今がいま過去となりけり初日の出 牛島竹志 うしじま・たけし
匂ひ立つ蜜柑の花や御堂脇 畔柳海村 くろやなぎ・かいそん
南大門や守門将の姿意いまいずこ  中田真 なかた・まこと
春愁や犬の眼人の眼わたしの眼 金利惠 キム・リエ
草笛を吹けばふるさと駆けて来る 康順子 カン・スンジャ
春光やシルクスカーフ取り出して 呉貞愛 オ・ジョンエ
真すぐに耕すことの難しき 加藤巌 かとう・いはほ
朝風に向かい輝く揚げ雲雀 横山全徳 よこやま・ぜんとく
山と川緑ひとつの汽車の窓 井手上健一いでうえ・けんいち
書初の師のネクタイはピンク色 井手上信子 いでうえ・のぶこ
歳拝の朝祈る孫等の健勝を       柳明 リュ・ミョン
春めくや磯に釣人見ゆる庭 金三無 キム・サンム
雀舌茶三度注ぐ手の涼しさよ     金英信 キム・ヨンシン
花辛夷たわみ支ふる枝細し 大津泰史 おおつ・たいし
霧まとう山懐に夢の跡 野村好士 のむら・こうし
たひらかに落ちた一葉池の上 張都子 チャン・ミヤコ
老妻に写真機向ける花盛り 宋祖恩 ソウ・ソオン
薄闇の半跏思惟像春兆す 野村三千代 のむら・みちよ
米寿祝い韓が松茸ふんだんと 高杉暢也 たかすぎ・のぶや
虫すだく途絶えがちなる便りかな 李秀珉 イ・シュウミン
転んだ兒を起こして転ぶ雪の坂 李榮九 イ・ヨング
冬の川せせらぎ恋し清渓川      田中健司 たなか・けんじ
梅雨ならばちゃんと降れよ忘れ傘 池内志郎 いけうち・しろう
清渓川凍てつく暇なく水流る 高田雅弘 たかだ・まさひろ
童らの額きらめく薄暑かな 馬庭崇一郎 まにわ・そういちろう
梅雨模様曹渓寺のチョウチン月明かり 佐伯努 さえき・つとむ
お釈迦さま薔薇のひかりを従へて 荻野友佑子 おぎの・ゆうこ

  守門将(スムンジャン)/歳拝(セベ)~韓国の新年の挨拶雀舌茶(チャクソルチャ)
  清渓川(チョンゲチョン)曹渓寺(チョゲサ)

   
  

 第十一句集/第十二句集からi

 句集は現会員続いて帰国会員の自選十句が俳句会の入会順で並んでいます。
  次いで、ソウル俳句会の俳句と題して山口禮子主宰がその年度の所感を、名所旧跡訪問記、
韓国俳壇史・韓国人と俳句などの論文、日韓文化交流講演会録が綴られています。

 会員の皆さんの自選句十句の中から、陽鳥が一句を選ばせていただきました。

   俳           句   作 者/ 姓・俳 号
 冬紅葉いと美しき日に君の逝く  韓汀舟 ハン・テイシユウ
 やや寒という程のものバスの旅  金碧雲 キム・ヘキウン
 石塀の濃淡凸凹冬に入る  尾田真幽美 おだ・まゆみ
 目覚ましの鳴りやみてより霜の朝  杉山杉久 すぎやま・さんきう
 寒灯(かんあかり)とらへ新羅の耳飾り  山口禮子 やまぐち・れいこ
 引越しのさいごに抱かれシクラメン  豊田やすし とよだ・やすし
 極楽の余風(あまりかぜ)吹く夜の秋  久門みちこ ひさかど・みちこ
 涼風やメラピ火を噴く懲りもせず  沈丁花 ちん・ちようげ
 忘れ来し韓の美ここに冬ごもり  孫可楽 ソン・カラク
 一人住む庭にもさくらかたじけな  西影水 ソ・ヨンス
 風花や窓に落ちつく放浪癖  李貴温 イ・キオン
 冬山の日なた大きく暮にけり  李桃丘子 イ・タウキウシ
 いい香り飛び出す娘の春ショール  尹恵 ユン・ケイ
 軽鴨(かる)の子を追ふ弟を兄が追ひ  牛島たけし うしじま・たけし
 南山の猿は桜を眺めをり  中田真 なかた・まこと
 新松子若き命の鼓動あり  康順子 カン・スンジャ
 ふさぎ虫おきて卯の花腐しかな  谷博子 たに・ひろこ
 何よりもソウルの春はケナリから  呉貞愛 オ・ジョンエ
 鳳仙花赤い主張に驚きて  加藤巌 かとう・いはほ
 デザートのぶどう一房別世界  横山全徳 よこやま・ぜんとく
 着膨れを詰め透明の昇降機  ハルツォーク洋子 ハルツォーク・ようこ
 朝顔も小さき花になりにけり  村松玄歩 むらまつ・げんぽ
 うす紅の蕾ふくるゝ花の雨  入沢まき子 いりさわ・まきこ
 南山に絹のベールの朝がすみ  井手上健一 いでうえ・けんいち
「ソウルのね春は黄色」と友が言う  井手上信子 いでうえ・のぶこ
 古き世の青磁を語り夏館  河英美 ハ・ヨンミ 
 春燈もどれぬ道にたゝずみて  柳明 リュ・ミョン
 チャメ並ぶ小さき舞台に色添えて  柵木哲朗 ませき・てつろう
 春燈のゆきずり人の明るさよ   金三無 キム・サンム
 御陵名呼ばるる駅の黄菊かな  金英信 キム・ヨンシン
 宝塔の鈴が奏でる野分かな  大津泰史 おおつ・たいし
 干し魚の黄紐のゆれて春うらら  小川裕司 おがわ・ゆうじ
 序を忘れ咲き乱れたるケナリかな  林哲三郎 はやし・てつさぶろう
 梅の花肩組む二人見つめけり  野村政広 のむら・まさひろ

    (注)おそれながら、帰国会員の皆さんの御句は掲載いたしておりませんのでご了承ください。


陽鳥Top