Visit Australia in 1996
十人十色、二二人二二様旅 近藤 芳一
上越日豪協会初のオーストラリア訪問は22名という予想以上の大所帯となった。初めて海外へ行かれる方、高齢の方も多く参加され、また、1週間という短期にもかかわらず、かなり予定は詰まっている。 
「パッケージツアーがよいだろうか、添乗員は必要だろうか?」 
これが私の最初の懸案事項であった。 

通常の添乗員付きパッケージツアーは、出国から帰国まで綿密に計画され、実に効率的に観光地を回ることができ、トラブルの発生する余地もない。しかし、全員が同じ体験を共有するのみである。参加者の個性を発揮する場面はあまりなく、自分のペースで行動し訪れた土地で考える時間も少ない。以上のことを考えると容易に次の結論に達した。 

今回の旅行は添乗員付きパッケージツアーとはしない。個人の責任で、それぞれが計画をたて、また、各自の金銭的負担で行動し、参加者22名が異なる22種類のオーストラリア体験をする場とした。 

確かにトラブルもあった。遺失物はあったし、思い違いやら、遅刻もした。しかし、どれもたいした問題ではなく、今となっては笑って許していただけるであろう。なにより、全員体調を崩すことなく、お土産や楽しい思い出とともに無事、上越に戻れたことは何よりである。これから折りあるごとに皆さんの体験を、それも異なる体験談を、お聞かせ願えれば幸いである。
 


ブルーマウンテンにて

最後に、私の個人的趣味を皆さんに押しつけたことへのお詫びを。シドニーからカウラへのバス直行便を変更し、ブルーマウンテンへ寄り道したり、 
「昼はマクドナルドハンバーガーでいいだろう。」 
と言う運転手を口説いてレストランでの昼食を主張し、あげく、1時間半も遅れてカウラに到着したのはすべて私の責任である。しかし、それも楽しい思い出のひとつにしていただきたい。 

さて、次はどんな旅にしようか、早くも今から思案している今日この頃である。