オーストラリア訪問記 1996 | |
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(カウラ墓地慰霊祭)“恩讐を超えて” | 柿村 茂 |
10月9日9時、戦没者墓地に着く。NSW州会議員スチュアー卜氏と管理委員の代表及び市長が待っていた。
オーストラリア兵墓地で、オーストラリア国旗を掲げ、スチュアート氏と石塚会長の二人が花輪を持ち献花した。一同合掌する。 次いで隣接する日本兵墓地に行き、同様に日本国旗を掲げ、中央の碑にスチュアー卜氏と石塚会長の二人が献花する。 線香がともされ、小山さんがお経をあげた。小山さんの朗々たる声が広い基地にひびく。 左手の250余がカウラ事件の際に没した方々の墓碑である。 広々とした緑の芝生の中に、一尺四方ぐらいの墓碑が整然と並んでいる。一人一人の氏名年令が刻まれている。中には飛行兵氏名不詳というのもある。台湾か朝鮮の方のもある。
敵と見ないで、一人一人が人格のある人間として尊重され、丁寧に葬られていることに感激し、手を合わせた。 |