オーストラリア訪問記 1996 | |
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カウラ慰霊祭に感動 | 八藤 雄一 |
前々からカウラの日本兵暴動については関心を持っていた。何故か?、私だってもしかしたら、その場で日本兵捕虜になっていたかも知れないし、出撃の賛否を求められたら○の方に投票したかも知れない。
幸い当時は、私は東京大森捕虜収容所で主計軍曹として平和に暮していた。がそれでも、戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」は、日本の兵隊として一時(イットキ)も忘れていなかったのだから。 従って、今度の旅行でカウラ収容所に1,000人以上の日本兵捕虜が居たことを知ったのも大きな驚きだったし、蜂起して殺された日本兵を、丁重に葬った豪州側の人間愛にも感動した。 そして、皆で一緒に日本兵墓地と記念碑にお参りした時は、思わず心の中ではらはらと涙を流したし、現在の我が身を思うと、誠に複雑な心境であった。
当時の日本を知る人間として、出来れば山賀さんのハモニカで「海行かば」を歌いたいと思ったが、会長の立場を尊重して取り止めたのは、いささか残念だったと思う。 今度のオーストラリア旅行は、私にとって単なる観光でなく、このために取っておいた特別な有意義旅行。 往路機内Cockpitに特に入れてもらって、日米豪激戦のニューギニア北岸オーエンスタンレー山脈を見たのも、シドニーで旧捕虜と再会交歓出来たのも、カウラの特別慰霊祭に参加出来たのも感動だった。 皆さんのご好意で、丸一週間楽しく旅行出来たことを感謝、今迄10回以上海外旅行をしているが、最も印象に残った旅行、本当に楽しかった。 |