モーロングの方をお泊めして
石塚 正一
私の家には、派遣団長のロジャー・パターソンさんと世話役として同行した奈良日豪協会の桝谷さんの2人に泊まっていただきましたが、どちらも前々から知っていたので何の問題もなく、特に、ロジャーさんは今回5回目の来日であり、長期帯在の経験もあったので、私たちは3日間比較的のんきに過ごすことができました。
しかし2人にはまとめ役としての大役があり、何かと問題が持ち込まれるらしく、電話がかかってきたり、こちらからもかけたり、奈良からファックスが入ったり、次に行く東京でのスケジュールを調整したり、コピーをとりに走ったりでおちおちする暇もなく気の毒なくらいでした。それでも、桝谷さんは夕食の手伝いをしたりして気を使ってくれました。
私は今、皆さんを無事に送ることができてほっとしていますが、気がついたことを2、3書かせていただきます。
まず、受け入れについて個入個人の情報をもっと早く、詳しく知っておきたかったことです。奈良にも理由があって、それはキヤンベラからの訪日団と日にちが重なっていたそうで、しっちゃかめっちゃかに忙しく、こちらからいくら催促しても情報が来なかったのです。
平和記念公園でかってここが捕虜収容所であったと言う説明を聞く
ロジャーさんは大丈夫だと言ったのですが、たった2晩のホームステイなのに、10代の子供達を1人ずつに分けてしまつたのは少し無理でした。自分の子供のことを考えても、国内でさえも初対面の家に1人で泊めることはできません。準備に追われるあまりだったとは言え、本人たちの希望をはっきり把握しなかったことは、受け入れ責任者として怠慢だったと深く反省しております。皆さんの苦労が分かります。
つぎに、上越滞在は全旅程の一部として考え、長旅の疲れを癒すことも考慮に入れた方が良かったのではと思うくらい元気のない人もいたことです。
また、モーロングの学枚では3時間目がお茶とおやつの時間なので、せめて弁天島でお茶の用意をすれば良かったと、気がついたときは後の祭りでした。
昼食のラーメンにしても、選択の余地のないやり方は悪かったと反省しました。でも「郷に入れば郷に従え」という言葉もあり、その国の文化を経験するのがホームステイの意義でもあります。少し辛い思いをすることも勉強ですから、子供達はきっと一回り大きくなって帰ることでしょう。そして、日本からの派遣団にも、より優しく接してくれることでしょう。
何はともあれ、今回は初体験でした。反省は反省として、これに懲りずにまた是非挑戦してください。平和公園や平和祈念像を世界中の人達に見てもらうために、エコノミックアニマルでない日本人もいることを知ってもらうために、ホームステイの受け入れは大切なこと考えています。
より良い受け入れができるように、今回受け入れをしなかった方々も、次回には気楽に受け入れができるようにマニュアル等も作りたいと考えています。
経験からいっても気を使わないのが一番気楽にホームステイしてもらえることだと分かっていながら、私たちもついつい気を使い続けてしまいました。
でも過ぎてしまえば、とても楽しい3日間でした。ご苦労様でした。
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