当初、変形チムニーを登攀するつもりで谷川に向かうが雨がひどく登れるか分からない状況で出発する。
翌朝、起きてみると烏帽子岩上部まで見渡すことができ、青空を覗かせている。昨日からの雨で、川の水は増水しており変形チムニーの登攀は危険を感じられるのでお互いが登っていない凹状岩壁を登ることとする。
朝、4時ごろに目が覚めたので凹状岩壁と中央カンテの取り付きまで雪渓沿い歩き、その後テールリッジを登って行く。
取付きに着いたのは、5時半頃。用意をして出発するが、1ピッチ目は、登った事のないルートだったので倉田君にまかせる。
1ピッチ目は、中央稜向けにトラバースしそこから烏帽子岩を目指して左上する。
2ピッチ目は中央カンテとの分岐までザイルをのばす。
3ピッチ目は3級程度の岩場であったが、簡単である為残地ピトンが乏しく倉田君は苦戦をする。
またこのピッチはルート図とは違い多少長くなっており、ザイルが足りなくなる場面も発生する。
4ピッチ目が、このルートの核深部で核深部は濡れて最悪の状態となっている。このピッチはつるべ方式で登っているので自分がリードする事となる。
ここで落ちたら致命的であるのでかなり用心をして登る。最初は濡れたフェイスを直上。
ここのピッチはスタンスはたくさんあるが濡れているので非常に緊張する。
最後の抜ける所は、トラバース気味に核心部を抜けビレーポイントに到着する。
ここで直上し続けると致命的となってしまう。5ピッチ目はリッチ状の所を左側から登り行づまった地点から右にトラバース気味に登る。
このトラバースはかなり崩壊しているので危険度は高い。6ピッチ目はフェイスを左上気味に登る。
7ピッチ目は草付きを登ることとなるが最後の部分は濡れていて登ることができないので3メーターを自分がリードする。
8ピッチ目はこのルートのフィナーレである。ここはクラック上の所をレイバックを使ってクリアする。
最終地点についてここからは懸垂をすることとなる。下降ルートに北稜を懸垂下降して下りることにするが、衝立ての頭までは一回懸垂と1回トラバース気味にザイルを流す。
衝立ての頭についてから少しクライミングダウンをした後、8回の懸垂を行った後、奪略点に到着する。
この後最短ルートを取るべく衝立沢を懸垂することとなる。ここからが間違いの始まりで4回の懸垂を行うこととなるが、2回くらいはビレーポイントが無いので支点作りをし、挙げ句の果てには雪渓が思ったよりも崩壊しており登り返すこととなる。
時期のいい時は懸垂する必要はあるが、下降はできると聞いていたので下降することとした。
今後は二度とこのルートは下山しないことを心の中に誓った。そんなことで再度奪略点に引き返した後正規ルートの衝立前沢を下降して下山する。
谷川岳 凹状岩壁



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