えびちゃんの山行記録
キレットへ直登!稲村ガ岳
白倉谷から稲村ガ岳を望む
| 日 付 |
平成10年11月1日(日)〜2日(月) |
| ルート |
1日目: 白倉谷〜水晶谷〜キレット〜大日山、稲村ガ岳〜稲村小屋 2日目: 稲村小屋〜法力峠〜観音峰〜観音峰山登山口 |
| 天 候 |
晴 れ |
概 要
稲村ガ岳は五代松新道をたどれば、比較的楽に登れる山ですが、たまには滅多に人が通らないルートを登ってみたい(これで結局いつもひとけのない山に登ってしまうんですが)ということで、今回は白倉谷から稲村ガ岳のキレットへダイレクトに登り切る計画を立てました。帰りは五代松新道を通って、観音峰山へむかえば、楽に下山できる(マイカー登山なので出発点に戻るのは大原則、これでいつも苦労する)ので完璧な計画のはずでした。これが後で恐ろしい事件を引き起こす原因となったのですが・・・
09:40 出 発!
観音峰山登山口の駐車場(虻トンネルの洞川側出口にある)から、みたらい渓谷を通って白倉谷に向かう。白倉谷に到着すると前方遙か彼方に稲村ガ岳、目指すキレットも望むことが出来ました。さらに進むと岩倉谷出合に到着し、ここから道無き道を岩倉谷沿いに水晶谷へ向かうことになる。休憩時に後ろを振り返ると、ススキで黄金色に輝く山が見える。 「今度あそこに行きたいなー」なんて思ったら、そこは観音平で、嫌でも次の日には行くことになるのでした。
12:00 道に迷う・・・
岩倉谷を沢登りする装備は持ってきていなかったので、脇を通る獣道を歩いていくとだんだん谷から離れてきたではありませんか。おまけに道は無くなってきてイバラの道をやぶこぎ状態になってしまい、服がボロボロに・・・(新品の服なのに、あぁ〜)。でも天気はいいし、キレットは見えてる、岩倉谷の水が流れる音も聞こえる!まあ大丈夫でしょう。一休みして昼食をとってからルートに戻ろう!
13:15 落ちちゃいました・・・
休憩後、とりあえず岩倉谷に戻ろうと、道無き道を谷に下っていくと、突然足下の土が崩れて、谷底に滑り落ちはじめました。とっさに周りの草・蔓を掴んだと思ったら、あっけなくブチブチと切れて、「あぁ、終わりダー。もしかして滑落?」ってな感じで、岩倉谷の谷底へ崩れ落ちていったのでした。つづく・・・
ドラマだったら、ここで来週なんでしょうが、現実はそんなに甘くありません。とりあえず膝をしこたま打ったので、ズボンの裾をまくり上げ、恐る恐る見てみると、打ったところは蒼くなって血が滲み、かなり腫れてふくらんでいるではないですか・・・。しかし触ってみると激痛はするけど折れてはいませんでした「ホッ」。手は手袋をしていたので、爪の周りに血がにじんでいるだけ。最悪の事態は免れたようです。「誰も来ないようなところだから、ここで足の骨が折れてたら、間違いなく死んでたよな〜。とりあえずルートに戻れたのでラッキー」と思うことにして今後の行動を考えることにしました。
1 引き返す
2 このまま登る
僕は迷わず2番を選択し、登ることにしました。なぜかというと谷を降りるのは登るより危険だからです。頂上まで登れば間違いなく、安全な登山道で降りて帰れるし、途中で日が暮れても2,3日分の食料の予備とテントがあるから大丈夫。なによりも、さっきの滑落した恐怖が、僕に谷を降りることの難しさを骨の髄まで教えてくれたのです。
14:00頃 水晶谷到着
本当に道があっているか心配しながら、時には谷をまきながら遡行を続けると、水晶谷と書かれた看板を発見しました。味も素っ気もない看板でしたが、これを見たときの喜びは、はかりしれないモノがありました。でも苦難はまだまだ続く・・・。
16:00頃 キレット通過
水晶谷からキレットまでの長い道のりは、言葉では表現できません。鹿(たぶん)のフンが散乱する急斜面を、ひたすらキレット目指して這い登ると体力がかなり消耗し、5m進んでは休憩をとらなければならないような状況でした。キレットがハッキリ見えたとき感動しましたが、登り切ったときはうれしいというよりも、やっと終わった!という何とも言えない気分だけでした。
 大日山直下、まもなくキレット!!
16:20頃 大日山山頂
キレット通過後は、ザックをデポし、サブザックで移動したので、大日山及び稲村ガ岳頂上への往復はスムーズに行きました。というよりも夕闇がせまっていたので、急がなければならなかったのです。大日山山頂の神社では、登山の無事を祈り、とりあえずここまでこれたことを感謝しました。 稲村ガ岳山頂の展望台では、八剣山・弥山や山上ガ岳がよく見え、次は山上ガ岳かなという予感がする。(でも予感だけだったみたい・・・) 稲村小屋に向かう頃には、キレットには夕日が差し始め、急速に気温が下がり始めるのが感じられました。
19:30頃 稲村小屋前の広場でテント泊
17:00頃に稲村小屋に到着、幕営料は300円でした。気温は9℃まで下がり、震える手でご飯を炊いて食事をとり、やっと落ち着くことが出来ました。寝る頃には気温は6℃まで下がっていた(テント内)「シャムイわー」。 そういえば稲村小屋のおぢさんたちは、僕が水晶谷から来たというと、「よく来たなー」というよりも「1人でそんな道がないところを登ってきたら危ないんじゃ!ボケー!」と言うような目で僕を見てるような気がしてなりませんでした。(たぶん被害妄想だと思いますが・・・)
 大日山とキレット
2日目はスムーズ
08:10頃テントを撤収して稲村小屋を出発!おぢさんたちは観音峰山までの道を丁寧に教えてくれました。「ありがとうございます!」
2日目も天気が良く、遠くまでよく見える。観音峰山から観音平へ向かうところで、稲村ガ岳を眺めると、ちょうど白倉谷からキレットへ向かって登っていった谷がよく見えたので「滑落したのはあのあたりかなー」なんて眺めている時、「そうか登っているときに背後で黄金色に輝いていた山は観音平だったんだ」とやっと気がついたのでした。稲村小屋もすでに遙か彼方に見え、こんな時に、「人間の足というのは馬鹿に出来ないなー」とつくづく思うのでした。 観音峰山の登山道は現在整備中らしく後1年もすれば、立派な登りやすい登山道になるみたいである。(僕にとっては、いいような悪いような・・・)しかし観音峰山登山口付近は、先日の台風のせいでかなり木が倒れて荒れている。「そういえばこの前は台風の直後によく八剣山に登ったよなー」といまさらながらに、自分の馬鹿さかげんにあきれてこの登山行を終えることになったのでした。
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