八尾市立歴史民俗資料館 河内木綿の部屋(2)
ページ内容の無断転用等はご遠慮ください。

 (2)−1 河内木綿の製品


丈夫で長持ちと評判の河内木綿。
庶民の着物だけでなく、その用途は多様でした。
蒲団や風呂敷。
また仕事着として、野良着やモンペ、
さらには商家の暖簾や袢纏など。
以下、館蔵の河内木綿の製品のいくつかを紹介します。


木綿 桐に鳳凰文蒲団地 <筒描>
四枚接/館蔵

鳳凰と桐という吉祥文を豪快に描いた蒲団地である。婚礼の際に特別に仕立てられたものであろう。庶民の普段使いが、河内木綿では一般的であるが、ハレの場の木綿として、蒲団などには、こうした美しく華やかな柄が使われた。

技法は筒描。文様となる部分は手描きで糊を置き、地を藍で染めたあと、紅や薄い藍色をさしている
糸はすべて手紡ぎで染料も天然のものと思われ、江戸時代のものかもしれない。







木綿 菊花唐草文蒲団(掛・敷蒲団)
木綿 二棒縞蒲団
四枚接/採集地:八尾市山畑/館蔵

八尾市内の山畑地区の庄屋斉藤家に残されていた蒲団。明治時代のものと思われる。
菊花唐草文は河内木綿の代表的な型染の文様である。敷布団は三枚接、掛蒲団は四枚接で、ともに周囲及び裏側は紺無地である。
二棒縞は紺と青、肌色、白の四色で構成される太い縞柄である。こうした太い縞柄は夜具縞の典型的な柄である。










木綿 熨斗文風呂敷
四枚接/館蔵

祥系の文様である熨斗を中央に豪快に配した風呂敷である。丈夫さが必要である風呂敷に、河内木綿は最適であった。
熨斗文は風呂敷などによく使われる文様で、さまざまなデザインがある。この風呂敷のものは、少し定形を崩し、あばれ熨斗風となっている。







木綿 竪縞 袷長着
身丈127cm/館蔵

竪縞柄の着物である。
千筋縞とも万筋縞ともいわれる細かい竪縞柄である。
紺糸を中心に、白糸を細かく入れて柄を構成している。 日常の着物として仕立られたものであろう。






木綿 肌襦袢
木綿 もんぺ
館蔵

型染の細かい草木文様肌襦袢とモンペです。

丈夫な河内木綿は、こうした日常の仕事着として広く使用されました。






(2)−2河内木綿の文様・柄へ

(2)河内木綿の特徴へ戻る




河内木綿の部屋の最初に戻る


 


八尾市立歴史民俗資料館のトップへ戻る