河内木綿の文様研究家であった辻合喜代太郎氏が収集した染織資料2400点余りが、平成10年、当館に寄贈されました。収集された染織資料の最大の特徴は、布団地が圧倒的に多いことです。 |
八尾市久宝寺にある許麻神社で使われていた祭礼長法被です。許麻神社からは、30数枚にも及ぶ祭礼法被の寄贈を受けましたが、この資料もそのうちの1枚です。村の年長者が着用しました。 |
河内木綿の端切れを、反古紙(ほごし)に貼った帳面で、現在のデザイン帳にあたります。江戸時代から近代までのものがあります。 |
大きく家紋(三盛亀甲花菱紋)が型染された油単です。同じ家紋が入った風呂敷もあります。油単や風呂敷は、婚礼調度品に欠かせないもので、必ず家紋が入ります。油単は、箪笥や長持などに埃除けのために掛けるカバーです。 |
高安郡万願寺村の庄屋だった久保田家が所蔵していた資料です。どちらも家紋(丸に剣片喰紋)が白く染め抜かれています。木綿地の色は、紺や縹(濃い水色)、萌黄(黄緑色)などがあり、公式な場で使用されるものには必ず家紋を入れました。 |
八尾寺内村西表町で砂糖・菓子商を営んでいた「小西信春堂」の暖簾です。糸が太く、地厚な布で作られています。天保13年(1842)に刊行された『広益国産考』には、「河内木綿は、糸が太く、地厚であるところがよく、暖簾や油単ならば、河内木綿に限る。」と記されています。 |