アラカルト

ここでは、熊本空港に関する「今となっては過去の計画情報」を集めてみました。
嘘か誠か、過去に発表された計画ですので、予定で終わってしまい現在の熊本空港において実現されていない情報ばかりがほとんどですが、面白そうなので集めてみました。


■1975年4月 南西航空『熊本−沖縄』線開設

南西航空(現トランスオーシャン航空)は、1974年9月に『熊本−沖縄』線の免許申請をしました。運航開始は1975年4月の予定でした。
もしこれが本当に運航されていたら、南西航空にとって初の県外路線であると同時に初の本土路線になるところでした。
1975年7月20日から沖縄国際海洋博覧会が開催されているので、これに合わせて開設したかったのかもしれません。

ちなみに、南西航空の初の県外路線は1978年8月「那覇−与論」線、初の本土路線は1986年11月「那覇−松山」線となっています。

南西航空では、1972年2月17日に初の本土チャーター便を「熊本−那覇」で実施しています。
また、全日空は1975年7月23日にこの路線に定期便を就航しています。



■1992年〜1993年 日本航空『熊本−札幌』線開設

日本航空は、1992年〜1993年度の事業計画の中で、地方路線の強化として『熊本−札幌』線の開設も盛り込まれていた。
ちょうど同じ頃の1992年6月20日、日本エアシステムが同路線をMD-81(163席)にて開設しましたが、1997年10月30日を最後に運休となってしまいました。

当時の日本航空の所有機では、B-767(270席スーパーシート含む)が最も小さい機材だったので、もし開設されていたとしても、供給過多により、日本エアシステムよりも早く運休されていたかもしれませんね…。



■1993年頃 本田航空『熊本−岡山』線 コミューター輸送を開設

岡山空港が1993年5月25日に2500メートル滑走路延長した頃、本田航空は岡山空港を起点に『熊本−岡山』等のコミューター輸送を計画していた。

しかし、需要面のリスクが大きいことを理由に、本田航空による事業輸送は無期延期となった。



■1995年までに『熊本−高松』線を日本エアコミューターに移管

東亜国内航空(現日本エアシステム)は、子会社の日本エアコミューターの安定した経営基盤を確保するために、1988年6月の『鹿児島−沖永良部』線を皮切りに、YS-11で運航されていた路線を順次移管していました。
『熊本−高松』線もその対象になっており、1995年までに移管される予定でした。

しかし、利用率が40%までに落ち込んだ『熊本−高松』線は、需要の増加が見込めないため、日本エアコミューターに移管されることなく、1990年5月31日を最後に運休されてしまいました。



■2003年11月 オレンジカーゴ『熊本−羽田』線開設

2002年9月に設立された貨物専門のオレンジカーゴは、2003年10月に『長崎−羽田』『鹿児島−羽田』を運航開始、11月には『熊本−羽田』『大分−羽田』を開設を計画、また、翌年には北海道にも路線を広げ、2005年2月に中部国際空港が開港するころには小型機を13機に増やし、新空港を拠点にして、日本各地の地方空港や離島を結ぶ計画だった。

ところが、パイロットの要員不足を理由に、11月17日から長崎線を運休、さらに、2004年3月22日に鹿児島線を運休するとともに、全従業員を解雇し、4月19日までに名古屋地方裁判所から破産宣告を受け、運航開始から半年で事実上倒産してしまいました。



■2005年7月7日 日本航空インターナショナル『熊本−羽田』線 夜間貨物定期便開設

日本航空は2005年6月8日、旅客機を使用した夜間貨物便を7月7日より『熊本−羽田』線に定期便として運航することを国土交通省に申請を行った。

就航当初は週3便(往復)、11月以降は毎日1便(往復)を運航の予定で、日本航空にとって、旅客機を使用した夜間貨物定期便は初めての就航でした。
ちなみに全日空では、2003年11月5日から『羽田−札幌』線、2004年7月8日(初便出発は7月7日)から『羽田−佐賀』線の2路線を既に就航していました。

運航概要    
便名・スケジュール  JAL6821便 羽田空港発 00:05 → 熊本空港着 01:45

 JAL6822便 熊本空港発 04:15 → 羽田空港着 05:50
運航日  7月7日〜10月…水・木・金

 11月以降…毎日
使用機材  2005年度(平成17年度) A300-600R(床下貨物室11トン)

 2006年度(平成18年度)以降 B777-200(床下貨物室16トン)

国道交通省も日本航空からの要望に対応するため、7月7日より熊本空港の運用時間を14時間(7:30〜21:30)→18時間(1:00〜5:00及び7:30〜21:30)に変更する予定であった。

しかし、空港周辺住民の強い反対が多いため、深夜の試験飛行を行ったり、低騒音機材の使用、就航ダイヤの調整、また通常に比べ高い高度から継続した降下を行う進入や、エンジン逆噴射を抑えた着陸、高い高度まで急上昇する離陸方式などを採用して、極力騒音を抑えた運航を行うなどの変更を提案したが、空港周辺住民に理解が得られず、就航直前の2005年7月1日、就航を延期することとなってしまいました。



■2013年秋 春秋航空日本『熊本−成田』線開設

中国の格安航空会社春秋航空などが出資し2012年9月7日に設立された春秋航空日本は、2013年5月、2013年秋に新規開設する路線として、東京/成田〜熊本・高松・広島線を検討していると発表した。機材は、ボーイング737-800型機を使用する予定であった。
春秋航空日本のホームページでは、熊本空港でもスタッフを募集していました。

その後、国土交通省の承認が遅れているとの理由から就航時期が2014年にずれ込み、2014年4月に発表された就航先では、熊本が外れ佐賀となり、熊本空港でのスタッフ募集も停止されました。

この頃、佐賀と高松には春秋航空の上海路線が開設されており、中国便と接続できる空港が優先されたようです。



■2016年7月 ファーイースタン航空(遠東航空)『熊本−桃園(台北)』線開設

台湾の台北に本拠を置くファーイースタン航空(遠東航空)は、2016年7月、熊本−桃園の定期便を就航する予定でした。

2016年7月9日から火・木・土の週3便の予定で、航空情報のサイト、FlyTeamにも時刻表や運賃などが掲載されていましたが、2016年4月の熊本地震後、それらの情報はなくなってしまいました。

中止ではなく、延期であればいいですが…。


遠東航空は、2019年12月12日に、13日から全便の運航停止を表明した後、一転して事業継続を目指す姿勢を示していたが、2019年12月16日、定期チャーター便を含めた全ての国際線を運航休止すると正式に発表し、一定の運転資金にめどが付いたため国内線については運航継続し、会社の再建を目指すとのことになった。



■2020年3月 ラオス国営航空『熊本−ビエンチャン』線、『熊本−ルアンパバーン』線開設

ラオス国営航空は日本路線初就航となる、『熊本−ビエンチャン』、『熊本−ルアンパバーン』を、2020年3月18日から開設する予定で、 『熊本−ビエンチャン』線は週2便/水曜・土曜、『熊本−ルアンパバーン』線は週2便/月曜・金曜で計画されていました。
時刻は両線とも熊本発10:30→ラオス着13:30、ラオス発1:30→熊本着8:00(いずれも現地時間。所要時間は4時間30分)の予定であった。
もともと、2019年11月29日から就航予定だったが、プロモーションに時間を要することを理由に2020年3月に延期することを、2019年10月21日に発表。
熊本県はPRにかかる費用の一部を負担するなどの支援を行っていました。

2020年1月24日に、2020年3月からの就航について再延期することが発表されたが、新たな就航時期については未定で、ラオス国営航空は延期の理由を「初めての日本線のため失敗が許されず、採算性の検討にもう少し時間をかけたい」としています。


ラオス国営航空は、2018年に成田〜ヴィエンチャン線に就航を発表しており、成田からヴィエンチャンに向かう便は偏西風の影響を考慮し、長崎で給油(乗降も可)することを検討していましたが中止になっています。
その後、2019年2月17日に、「2019年11月にも福岡に就航することを検討している」との報道がありましたが、混雑空港である福岡空港では、ラオス国営航空が希望する時間帯での発着枠が確保出来なかったため、東京(羽田・成田)、名古屋(小牧・中部)、大阪(伊丹・関西)、沖縄にも乗り継げる熊本での就航に向けて調整中と、2019年6月23日に発表されたもの。


2019年12月ごろ、ラオス航空のホームページの予約検索で、就航都市の中に“Kumamoto”を選択できるようになっていましたし、航空券を予約できる一部のWEBサイトでは、熊本−ラオス線の検索が可能となっていました。

…まだ、中止が発表された訳ではないのですが…残念です。




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